浅田次郎 『月のしずく』読んだ | これ、いいな♪

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縁があってわたしが出会ったものたちを書いています。最近は、自分の忘備録にしています。

1997年10月0日 株式会社文藝春秋

317ページ 7編の短編集1996~1997年雑誌掲載

★★★*☆ 3.5点:個人的な感想

 

画像は文庫ですが、読んだのは単行本です。

 

【あらすじ】

「月のしずく」

  工場で働く43歳独身男と偶然出会った女とのふれあい

「聖夜の肖像」

  幸せな結婚生活を送っている女の、忘れられない男

「銀色の雨」

 勤労高校生と、出会ったやくざの男との交流

「琉璃想」

 結婚を決めた愛人を送り出す男の気持ち

「花や今宵」

 恋人と別れたばかりの女と男がで出会ったある夜

「ふくちゃんのジャック・ナイフ」

 幼い頃、実家で働いていた男の思い出

「ピエタ」

 子供の頃、自分を捨てた母親に会いに行く女の思い

 

【感想】

私の読む本は、ほとんどがミステリーです。

ですが、時々「物語」に触れたくなります。

浅田次郎氏の小説は、私の印象ですが、

人間が泥臭くて悲しくて、一生懸命生きていて、

とても惹かれます。

 

この短編集の中の物語は、

正直、特別おもしろいとか感動した、という感想はないのですが、

人が愛おしく感じました。

 

表題の「月のしずく」が特に印象に残りました。

主人公の男の、不器用さや優しさが、

何とも言えず心に沁みて、

人が皆それぞれ、幸せに暮らせる世の中を

願わずにはいられなくなりました。

 

そんなことを思えるくらい、心が洗われる気がします。

 

 

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