★★☆☆☆ 2.0 (個人的な好みとして)
読む本を選ぶとき、ジャンルは大きな参考になると思うのですが、
ジャンル分けの言葉をあんまり知らないので、
うまく説明できないのですが…
これは、現代小説だと思います。
両親を亡くし、祖父母と暮らす20代後半の姉妹。
妹の和貴子が、姉の菜穂子の同級生と婚約したことから、
なんとなく二人の間に溝が出来ています。
その婚約者は、すでに事故で亡くなっていて、
和貴子は心に大きな傷を負っています。
過去の傷と、姉妹の溝。
再生と成長の物語です。
単行本の帯には、
「雪国を舞台に…略…感動の物語」
「心洗われるすがすがしい小説」
と、書いてあります。
心のひだで感じながら読んでいく静かな物語です。
残念ながら、私には合いませんでした。
小説なのだから、作り話だというのは、当たり前なのですが、
いかにも作り話的な物語で、どうしても入り込めませんでした。
和解の過程で、受け入れられない、あり得なさも感じてしまって…。
両親も事故で亡くなり、婚約者も事故で亡くなり…
恋人が事故死した女性も出てきます。
「死」が多すぎるのも気になりました。
「四日間の奇蹟」の、あの表現の素晴らしさも、
文章の輝きも、見つけられませんでした。
あれはやはり、新人ということで、
私の感じ方が違ったのかもしれません。
この本は、私向けではなかったと思います。
’05.12発行
文藝春秋