『北緯四十三度の神話』  浅倉卓弥 | これ、いいな♪

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縁があってわたしが出会ったものたちを書いています。最近は、自分の忘備録にしています。

★★☆☆☆ 2.0 (個人的な好みとして)


読む本を選ぶとき、ジャンルは大きな参考になると思うのですが、

ジャンル分けの言葉をあんまり知らないので、

うまく説明できないのですが…

これは、現代小説だと思います。

日常の、ある部分を切り取った物語です。


本

両親を亡くし、祖父母と暮らす20代後半の姉妹。

妹の和貴子が、姉の菜穂子の同級生と婚約したことから、

なんとなく二人の間に溝が出来ています。

その婚約者は、すでに事故で亡くなっていて、

和貴子は心に大きな傷を負っています。

過去の傷と、姉妹の溝。

再生と成長の物語です。


単行本の帯には、

「雪国を舞台に…略…感動の物語」

「心洗われるすがすがしい小説」

と、書いてあります。

心のひだで感じながら読んでいく静かな物語です。


雪の結晶

残念ながら、私には合いませんでした。

小説なのだから、作り話だというのは、当たり前なのですが、

いかにも作り話的な物語で、どうしても入り込めませんでした。

和解の過程で、受け入れられない、あり得なさも感じてしまって…。


両親も事故で亡くなり、婚約者も事故で亡くなり…

恋人が事故死した女性も出てきます。

「死」が多すぎるのも気になりました。


「四日間の奇蹟」の、あの表現の素晴らしさも、

文章の輝きも、見つけられませんでした。

あれはやはり、新人ということで、

私の感じ方が違ったのかもしれません。

この本は、私向けではなかったと思います。




                            ’05.12発行

                            文藝春秋

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