★★★★☆ 4.0 (個人的な好みとして)
昨日ご紹介した、重松清氏の短編集です。
3編収録されています。
ジャンルは、現代文学になるのかな?
これを書かれた頃の作者は、30代後半で、
その年代の人たちの、少し切ない物語です。

重松清氏の作品の特徴のひとつですが、
社会で問題となっているものがテーマとして扱われています。
そのため、いじめ、学級崩壊、死、リストラ、
そして、人間の弱さ、現実の厳しさ、
…そういったものが描かれています。
けれど、「カカシの夏休み」は、過激な表現もなく、
質のいい作品集です。
短編集ですので、読みやすさもあります。
重松清氏の小説は、入試問題によく使われるそうです。
…読みやすく、質のいい文章という事なのでしょうか?
だからといって、中には、小中学生に読ませたくないような
描写を含んだ小説もあるのですが、
この作品は大丈夫ですよ。
子供に読ませたいというほどではありませんが、
読ませても差し支えのない作品です。
(私の基準として、性描写、殺人、暴力のシーンがない、
もしくは少ないことが、子供に読ませていいかの判断になります。)
00発行
文藝春秋