★★☆☆☆ 1.5 (個人的な好みとして)
たくさんの本を読んでいるのですが、
「おもしろかった」と思うものは、正直、半分もありません。
なかなか、自分の好みに合った物語と出会うのは難しいのです。
全く、好みでなかったものも。
少し、評価の範囲を広げて書いていこうと思います。
重松清氏の小説は、何作か読んだのですが、
これは、つらい物語でした。
本屋さんに、「おすすめ」のポップがあったので、
好きな人もいるのでしょう。
ごめんなさい、表紙を見るのも辛いので小さめです…
中学生のシュウジは父母兄の4人家族です。
優秀だった兄が高校で落ちこぼれ、道を外れていきます。
それから、家族がばらばらになり、
シュウジはひとりになってしまいます。
いじめ、暴力、孤独…
転げ落ちるように、駆け抜けるように、
どんどん落ちていってしまうシュウジ。
誰かとつながりたかったシュウジは、どこにたどりつけるのか…
書いていても、思い出すだけで気が重くなります。
読後感が重く、ほんの少しの救いはあるものの、救われない。
現実の厳しさ、辛さ、理不尽さを突きつけられ、
重松清氏に、挑戦されたような気持ちです。
覚悟して読まれるか、
重く、考えさせられる物語を読みたいというときにどうぞ。
感動した、という感想も聞いたことはあります。
ちなみに、この物語は、映画化されています。
手越裕也くん主演で。
どうなんでしょう?
彼のファンの少女たちはどう思ったのでしょう?
内容は、かなりソフトになっていましたが、
大人の私が観ても、ヘビーな映画でした。
豊川悦司さんのナレーションが聞けたから、ヨシとします。
H15.8発行
角川文庫