★★★★☆ 4.5 (個人的な好みとして)
「このミステリーがすごい」大賞、第1回の受賞作です。
ご存知の方も多いでしょうが、一応説明します。
「このミステリーがすごい」は、宝島社が毎年発表している、
ミステリー小説のランキングです。
その、「このミス」が2002年から新人賞の募集を始めました。
ジャンルは、エンターテイメントです。
「このミス」は本を選ぶとき、参考にする事が多いので、
「このミス」大賞は、注目していました。
上の写真は、単行本ですが、重要なシーンです。
この作品は、映画化もされています。
ファンファジー系です。
生と死がテーマになっています。
事故でピアニストの道を断たれた青年が、
脳に障害のある少女とともに、
山奥の診療所を訪れます。
そこで体験した奇蹟…
感想です。
当時、浅倉氏は新人でしたので、その感想として、読んでください。
100点の作品とは、とても言えません。
大きな欠点を持つ作品です。
選評も、みな、その点を指摘していました。
使い古されたネタであること、そして、ある有名な作品に似ていること。
先が読めてしまうこと。
けれど、文章がとてもいいのです。
物語の運び方、表現に無理がなく、
そのうえ、上品な作品です。
描写も、くどさはあるものの、
色彩の表現など、素晴らしいものがあります。
この文章を読めてよかった、と思いました。
03.1発行
宝島社