★★★★★ 5.0 (個人的な好みとして)
東野圭吾氏は、ミステリー小説家といってもいいと思うのですが、
この作品はミステリーではありません。
社会派の小説です。
映画化もされています。
物語は、武島直貴という男性が主人公です。
両親を亡くし、兄と二人暮らしでした。
彼が高校生のとき、兄が資産家の家に空き巣に入るのですが、
思いがけず殺人を犯してしまいます。
直貴を大学に行かせるお金欲しさの犯行でした。
そのため、直貴は「殺人犯の弟」のレッテルを貼られ、
人生が大きく変わってしまいます。
自分が犯した罪でもないのに、その家族だというだけで、
色々なもの奪われていく直貴。
就職も、恋愛も、夢も、小さな幸せも…
加害者の家族を描いた小説です。
深く考えさせられ、感動もある作品です。
重い内容ですので、誰にでもオススメしようとは思いませんが、
私は好きな作品です。
中高生以上の方には、読んでいただきたいです。
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文藝春秋