人吉市役所さんも余程嬉しかったのか、ワザワザ市民に御知らせする為に、

東洋経済新報社が全国の都市を対象に毎年公表している「住みよさランキング2024」が発表され、人吉市が初めてとなる総合1位に輝きました。(昨年度は総合9位。)

と市のwebsiteで伝えています。


昨年は、九州圏内でこそ1位だったものの全体では9位だったことは、当ブログでも紹介しました。

今年度に於いても、

 「住みよさランキング」は安心度、利便度、快適度、富裕度、の4つの観点から、20項目のデータを使って算出されます。

と客観的な数値により順位付けされていて、個別評価こそ

安心度:1位
利便度:15位
快適度:365位
富裕度:696位

だったものの総合評価により、晴れて人吉市が全国一位の座に輝いたわけです。

そこで、今回いただいた評価に対して当ブログの主観を交えながら補足してみます。

安心度:1位

評価は、

①人口当たり病院・一般診療所病床数
②老年人口当たり介護保険施設定員数
③20~39歳女性人口当たり0~4歳児数
④子ども医療費助成(対象年齢・所得制限の有無)
⑤人口当たり刑法犯認知件数
⑥人口当たり交通事故件数

により算出されるそうですが、当地の病院事情については、


生活インフラ5:医療機関
生活インフラ6:医療機関2 人吉医療センター

に書いているので参考にしていただくとして、診療科によってはもう少し数が有った方がよいように思うものの、致命的に足りないという感じはありません。

難病や重い病気の場合には都市部の方が有利と思われるかもしれませんが、例えば、都内の有名病院は簡単に予約できるわけではありません。

選択肢が限られるからといって人吉球磨に住んでいる人の寿命が短いというわけでもなく、必要なら熊本大学病院に紹介状を書いて貰うにしても、「総合病院(=人吉医療センター)の世話になって天寿を全うする」と思えばよいのです。

加えて、もともと年寄りが多くて、土地も沢山あるので、介護施設は方々で見かけます。

 



特に個人医院/病院の殆どの場合、お父さんが院長で、お母さん/娘さんが介護施設の施設長的といった家族経営をしている場合が多いので数は確保されていると思います。

それに、女性人口あたりの児数についても、都市部と違って、3世代家族で住んでいる場合は、2人以上産むことが多いのかもしれません。

また、昨年の記事で、

昨年度の熊本県警の市町村別の犯罪情勢(令和4年12月末)によると、人吉市の犯罪の認知件数=27件、球磨郡下は約半数が0となっていますし、凄惨な事件を聞いたこともありません。

と書いたように、ここ1年でも大きな事件を聞きませんし、人吉警察署の発表でも、

自転車盗:3件
車上狙い:2件
万 引 き:7件
器物破損:5件

であり、毎日のように強盗・傷害・殺人事件が起きている都市部とは根本的に環境が異なります。

つまり、


安全だから安心して住める


わけで、都市部から移住してみたら全国1位の有難みを実感できるでしょう。

利便度:15位

買い物と飲食店の評価基準は、

⑦人口当たり小売販売額(2020年):総務省・経済産業省「経済センサス活動調査」
⑧人口当たり大規模小売店店舗面積(2023年):東洋経済「全国大型小売店総覧」
⑨可住地面積当たり飲食料品小売事業所数(2021年6月):総務省・経済産業省「経済センサス活動調査」
⑩人口当たり飲食店数(2021年6月):総務省・経済産業省「経済センサス活動調査」

となっています。

当地における買い物の事情については、昨年のブログで、

一通り揃っているし、人口当たりの軒数も多いように思います。但し、所謂専門店は殆ど無く、例えば、総合スポーツショップ、ハイブランドなどで買い物する場合は、熊本市内迄出かけるのが普通となっています。

と書きました。

更には、ホームセンターの数も多いのですが、これは、

  • 農家さんが多いので器具が必要となる
  • 土木建築系の仕事に従事している人が多い
  • 住宅や事務所の修理も自分でする

などの理由が考えられます。

都市部のようにメンテナンス・ホームサービスを提供する会社に頼るのではなく、例えば、台所のシステムキッチンの取り換えも自分で工事する人もいるそうで、各ホームセンターでは持ち帰り用の軽トラの無料貸し出しをしていますから、DIY系が好きな人は大いに楽しめるでしょう。

加えて、人吉市内/近郊だけで家電量販店が4店あって、土日でも買い物客が多いようには見えないのでオーバーストアではないかとも思ってしまいますし、周りで聞いてみるとジャパネットたかた専属の工事会社が地元にあるので利用する人も多いようです。

また、人口当たりの飲食店が多いのは観光客向けの店が多いことが数値面で寄与しているのだと思いますが、需要と供給が均衡しているのか互いの競争意識は薄いように感じます。