「 梅棹忠夫対談集 知的市民と博物館 」
梅棹忠夫 (うめさお ただお 1920~2010)
株式会社平凡社 1991年3月発行・より
~ 日本文化の根底をさぐる 森浩一 (もり こういち 1928~2013) ~
森 16世紀の終りにやってきた宣教師が書いているものを見ても、当時
の寺子屋には武士だけでなく農民の子どもまで行くと書いてありま
すね。
梅棹 16世紀はちょっと早いんじゃないですか。
森 1500年末の、徳川幕府ができる前の記録ですが。
梅棹 寺子屋というか、村落における初等教育は日本は世界でいちばん
進んでいたんですね。
村落レベルで、これはたいへんなことですよ。
森 兵庫県を例にとれば、幕末の寺子屋の数と明治はじめの小学校が
ほとんど一緒です。 そのまま制度だけ変えた。
梅棹 寺子屋というものは民間レベルで発生した初等教育機関ですが、
けっしていい加減なものじゃないです。
教科書もずいぶん色々なものが開発されてありましたし、先生も
ちゃんと教養のある人がなったんですね。
明治のはじめには全国で文字どおり五万とあったでしょう。
制度的には明治でぶち切れますが、内容はつながっていますよ。
断絶したということはありませんね。
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