ポーランドの農業新聞とアメリカ移住  | 人差し指のブログ

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本を読んで面白かったところを紹介します

 

「 明治メディア考 」

加藤秀俊 (かとう ひでとし) / 前田愛 (まえだ あい)

中央公論社 昭和55年4月発行・より

 

 

 

 

[ 加藤秀俊 ]     アメリカの社会学者でタマスとズナニー という二人の

            人が書いた 『ポーランドとアメリカにおけるポーランド

            農民』 という本があります。

 

 

 

ポーランドからアメリカに移住してくる移民がどんどん増える過程の研究ですが、まず最初はポーランドの村からだれか、もちろん自分の土地なんか持てない農民が、アメリカに渡ってくる。

 

 

 

来てみるとアメリカはやたらに広い土地があってだれでも地主になれるのにびっくりする。

 

 

そこで手紙を故郷へ書き送るわけです。

 

 

その手紙を読んだ親戚縁者が、それから続々とやってくる。

 

 

 

そうした往復書簡などを この本は分析しているのですが、同時にポーランドの農業新聞が、アメリカに移住したポーランド農民の生活ぶりとか、アメリカがいかに豊かで可能性にみちた国であるかということを、盛んに書くのですね。

 

 

 

つまり移住者の手紙だけではなく農業新聞を通じて、ポーランド農民はさらに自信を深めて続々とアメリカ中西部に移動していく。

 

 

 

これがだいたい十九世紀の終りのことです。

 

 

 

ヨーロッパにおける新聞の役割を考えてみると、当時すでに農業新聞なんてのが出はじめていたということは、たいへん重要なことだと思うのです。

 

 

十九世紀というのは新聞の世紀だったのじゃないか。

 

 

アメリカ合衆国と北西ヨーロッパと日本     今日の先進工業文明をつくった国々で新聞が急速な発展をとげていく。

 

 

アメリカの近代化を推進したのは明らかに活字だったわけですし、その点でベンジャミン・フランクリンが印刷工から身を立てたということは非常に象徴的です。

 

                                         

 

 

2018年9月4日に 「アメリカ西部の開拓」 と題して加藤秀俊の文章を紹介しました。コチラです。↓

https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12397340513.html

 

 

2017年9月12日に 「アメリカ白人の先祖は・・・」 と題して日下公人と高山正之の対談を紹介しました。コチラです。↓

https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12255376233.html

 

 

2017年4月18日に 「白人の入植とインディアン」 と題して渡部昇一の文章を紹介しました。コチラです。↓

https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12232356132.html

 

 

 

2018年7月27日に 「米国で金鉱脈を見つけた人は・・・」 と題して

小室直樹と山本七平の対談を紹介しました。コチラです。↓

https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12385515237.html

 

 

2019年5月19日に 「南米と北米の入植者の違い」 と題して会田雄次の文章を紹介しました。コチラです。↓

https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12453098247.html

 

 

2017年7月27日に 「バッファローが消滅した理由」 と題して鈴木孝夫の文章を紹介しました。コチラです。↓

https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12271746478.html

 

 

 

 

 

奈良・東大寺二月堂 十七夜の法要の日でした。9月17日撮影