~元、通産官僚だった堺屋太一が 官僚について書いています~
『 「わがまま」 のすすめ 』
堺屋太一(さかいや たいち 1935~)
東京書籍株式会社 平成16年12月発行・より
真珠湾攻撃に関して、米国側が暗号解読によって事前に察知していたか否かがよく議論されているが、私にはこれがそう重要とは思えない。
米国が察知していたとしても、日本の外交ルートを通じた通告が遅れたのは事実であり 「騙し討ち」 の汚名をそそぐ理由にはならないからだ。
もっと重要なことは、開戦通告が二時間も遅れるという大失敗を犯した外交官、井口貞夫参事官と奥村勝藏一等書記官(当時)が、何の処罰も受けなかったばかりか、戦後になって大出世、外務事務次官を務めたうえ、
勲一等を授与されていることである。
米国の専門家からは、もし本当に開戦通告の遅延が駐米大使館員の単純なミスなのなら、今からでも責任者の勲章を剥奪すべきではないか、と訴えられたことが何度もある。
これも外務省関係者に話したところ 「外務省の人事は他から干渉されるべきではない。井口、奥村両氏は、戦後の混乱期に外務省の権限と人事を守った大功労者だ」 という意味の返事が来た。
外交官共同体の省益優先ぶりには驚く。
2001年の機密費や会議費搾取事件も、同根の問題だろう。
外務省に限ったことではない。
大蔵省(現財務省)でも、バブル景気と平成不況を招いた人々が出世している。
農水省も厚生省(現厚生労働省)も建設省や運輸省(現国土交通省)も同じくだ。
官僚は責任を取らない。
そんな人々に国政を委せてはならない。
ジャーナリズムは、官僚の圧力を恐れず、この点に切り込んでほしい。
ある審議会で政府の悪口を言ったら勲章を貰えなくなったそうです。
鈴木孝夫がそう言ってましたので 2016年3月19日に 「私が勲章を貰えない理由」 と題して紹介しました、コチラです。↓
https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12138004802.html
都留重人(元一橋大学学長)の意地悪のせいで日下公人が勲章を貰えなかったそうです。2016年5月16日にそれを紹介しました、コチラです。↓
https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12155391698.html
官僚の問題点については いろいろと紹介してきました。↓
https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12339371603.html
昨年11月27日 平林寺(埼玉県新座)にて撮影