ホスピタリティ文化のはじまり
ホスピタリティ文化の起源
「ホスピタリティ」という言葉は、ホテルに勤めていた私にとっては一般的に感じていた言葉かもしれませんが、普段、ホスピタリティという言葉に触れない方もたくさんいるのではないでしょうか。接客業において「ホスピタリティ」がとても求められている現在、セラピストの皆さまも、その意味を深く知って欲しいと思います。
そこで、今回は「ホスピタリティ文化の起源」について説明させていただきます。
ホスピタリティの定義について、ホスピタリティ学の先駆者である服部 勝人先生は、「相互満足しうる対等になるに相応しい相関関係を築くための人道」と定義されています。
もう少し分かりやすく言うと、「お互いに満足のできる対等な関係を築くために、人としてすること」となります。
ホスピタリティの文化は人類が誕生して間もなくから始まったと言われています。テレビでも、海外のジャングルに暮らす原住民のところにレポーターが訪問した時、原住民の方が、そのレポーターを歓迎して美味しいものを特別に作ってご馳走をしたり、一晩中踊ったりして、歓迎の意を表わしている映像をご覧になったことありますよね。
実は、あれがホスピタリティの原点なのです。
村落共同体の外から来た異人を歓迎・歓待した文化がホスピタリティの起源と言われています。それにより、歓迎する側とそれを受ける側がコミュニケーションを取りながら、良好な関係を築いていくというものです。
したがって、ホスピタリティとは、人類が生まれながらにして与えられたマインド(=気持ち)なのです。
現代は、その良好な人間関係を作ることが希薄になってきているような気がします。家族、友人、社内のコミュニケーションも携帯、メール、共働きなどの要因で、「人」と「人」との触れ合いが少なくなってきている・・・。だからこそ、今、ホスピタリティが注目され、「人」としての原点回帰が求められているのではないでしょうか?
想いと行動が両立しないと、伝わらない
セラピストの皆さまは、そんな厳しい社会環境の中で生活している方に「癒しや元気を与える」仕事です。それは、施術によるものだけではなく「来店されてからお帰りになるまでに、どれだけお客様の事を想い、‘心から癒され、元気になって‘お帰りいただける接遇ができるか」ということです。セラピストの皆様はむしろ、他の接客業よりもホスピタリティが求められる職業だと思います。
前回、ウェディングプランナーとセラピストの皆さまとは、本質的に似ているというお話しをさせていただきました。あるウェディング施設の例です。
そのウェディングプランナー(上原さん)は、結婚式の打ち合わせに来るお客様を玄関の外で待ち、最大限の笑顔でお迎えします。そして打ち合わせが終わった後も、駐車場から車が見えなくなるまで見送りました。
そんなふたりの結婚式当日、最後に新郎の挨拶で、
「上原さんが、打ち合わせの度に玄関の外で迎えてくれ、私たちが見えなくなるまで見送ってくれた。それに感動し、どんなに安心して今日を迎えることができたか・・・。本当にありがとう!!」
と、参列者全員の前で、その感謝の気持ちをウェディングプランナーに向かって伝えたのです。
お客様への想いと、行動が両立しないと「伝わらない」という事がお分かりいただけると思います。
もっと身近な例ですと、「家庭訪問に来る先生をお迎えする時、皆さまはどうしますか?」
その先生をイメージして、掃除をしたり、普段飾らないお花を飾ったり、コーヒーにしようか、日本茶にしようか、どんなお茶菓子を用意しようかなど、来ていただくお客様をイメージして、「居心地良く、喜んでもらいたい」と考え、準備しますよね。
それがホスピタリティなのです。
来るお客様に喜んでいただくには、「何が必要で、何が足りないのか?」「自分がお客様だったら、どうされたら嬉しいか?」を、いま一度、振り返ってみて下さい。
