サロン・治療院の開業・経営・集客、施術スキルアップ ! 『ひとさぽ』公式ブログ -36ページ目

【インタビュー】チェーンも展開するゴッドハンド治療家 「スタッフ育成と今後」

サロン経営のポイント

ところで、健康・リラクゼーションサロンが順調に数を伸ばしている理由は何だろうか? 治療院とは客層も異なる。医療的というより、痩身やトリートメントマッサージなど美容に近い部分もあるため、ターゲットは女性が中心だ。


「経営的なことをいうと、お客さんの8割近くが女性ですし、働くスタッフも女性が多いので、まず“立地”。その次に“ファザード(看板、店頭を含めた店舗正面)”が最も重要です」と丸山さん。


つまり、駅ビルやショッピングセンターを中心に出店し、その場の雰囲気と、女性に受けるような外観や店づくりを考えるということ。立地によって雰囲気は異なるので、柔軟にアレンジすることも必要だ。とにかく、店に足を運んでもらわなければ始まらない。この2つの要素で入店してもらえるかどうかが分かれると言ってもいいくらいと丸山さんは強調する。


「入店してもらったところで、“サービス”と“技術”の質がリピーターになるかどうかを分けます。サービスと技術は車の両輪のようなもの、どちらも必要不可欠です」と続ける。


もともとベースが整骨院なので、技術力はあって当たり前。

「リラックスしてもらうことが大切なので、お客様の心をホワッと和ませる接遇に力を入れていますね」

接遇とは、言葉遣いや態度などお客様に対する接客スキルのこと。


「お客様に “気持ちよかったわ”と喜ばれることが達成感につながる。人に尽くす気持ちがあれば、必ずスキルは磨かれます」


現状とこれから

「僕たちが専門学校を卒業した20年以上前に比べ、専門学校も10倍近くに増えて今では、100校近くあるようです。それだけセラピストの数が増えているのだから、整骨院の数も飽和状態になるはず。開業すればそれなりに売り上げが出た時代は過去のもの。今後は、確実に淘汰されていくでしょう」


丸山さんは、これからは自分たちの力で勝ち取っていく姿勢が必要だと話す。


「両親から学んだ経営者に必要なことは、ぜったいに潰してはいけないこと」


だからこそ、新しいことはどんどん取り入れ、チャレンジを続ける。良いと思ったら、躊躇せずに行動に移す。



課題は少なくない。


健康・リラクゼーションサロンの業界では、若いセラピストの離職率が高い。


「柔道整復師やあんま・マッサージ・鍼灸師は、資格をとるだけでも400~500万円はかかる。対して、健康・リラクゼーションサロンに勤めるのに資格は必要ない。しかも、会社では研修も無料で受けられる。最初からハードルの高さが違うんですね。だから、気軽に会社に入って、辛いと簡単に辞めてしまいがち」


スタッフのモチベーションをどう上げるか。整骨院と健康・リラクゼーションサロンのどちらも経営する立場として、丸山さんは対策を練り続ける。


「いつも一緒でしたらお互いの理解も深まりやすいのでしょうが、そうもいかない。だから、ブログで自分の考えを発信したり、店長にこまめにメールを送って連絡を取り合ったり、自分からコミュニケーションをとるよう心掛けています。」



スタッフがパワーの源
 
スタッフに対してもそう。事業拡大も、今ではスタッフのためでもある。現在、スタッフは約80名。


「この仕事は生産性が高いものではありません。生産性という点では限界がある。だから、チェーンを増やして、スタッフたちの受け皿にしていきたい。店長というポジションに上がれば、給料も増えます。それを目指せばモチベーションだってあがります。スタッフにも家族がいて、彼らの生活も考えてしまうのです。そのためには店舗を増やす必要がある。それが私のパワーの源にもなっているのかもしれません」


手振り身振りを交え、熱く語る丸山さんからは、信念と自信が伝わってくる。


「自分は師匠に、技術で食べていけるようにしてもらった。治療の可能性や素晴らしさをみせてもらい、いろんな出会いも作ってもらった。自分が成長するための環境に加えてもらったのです。だから、今後、いかに自分がスタッフに良い環境を作ってあげられるか、が目標です。それがスタッフ教育でもあり、会社を大きくするのに必要なことでもあると思うのです」


良い環境には、良い人たちが集まってくる。丸山さんの冗談をかわすスタッフ。信頼関係あってこその、皆の笑顔が印象的だった。

完(全3話)


ひとさぽ講座 経営者インタビュー 丸山さん