契約の効果帰属要件と効力発生要件の具体的事例
〇契約の効果帰属要件がないケース
<取引先の営業マンと称する者がきて、美顔器の売買契約をし、その場でお金を払ったが、品物が納入されず、取引先に確認したらそのような営業マンはいないと言われた>
・契約が有効に成立するには本人同士だけでなく代理人による契約が可能です。
・代理人には代理権の存在、顕名、代理行為が必要です。
上記の例で「取引先の営業マン」を自称する者が取引先の従業員や代理人ではなく、赤の他人の詐欺師であった場合、取引先に効果は帰属せず、取引先との間に契約は成立していません。
この場合、営業マンを称する詐欺師との契約が発生していることになります。
但し、この営業マンが取引先の元従業員であり、辞めたことを告げず、さらに社員証も携行していた場合などで、取引先の売買代金を受領する権限があると信じるのが当然と思われるような場合には、「表見代理」として取引先に契約の成立を主張することができる可能性があります。
◯契約の効力発生要件がないケース
<店長と次の柔道整復師の試験に合格したら、店舗を譲ってもらうという契約をしたがその年の試験に不合格となり、翌年合格した>
契約が有効に成立するには効力発生要件を満たしている必要があります。
上記の例では「次の柔道整復師の試験に合格したら」という条件をつけた営業譲渡契約が成立していますが、結果「条件」は成就しなかったので、いくら翌年に合格したとしても、その年の不合格が決まった時点で契約は無効となります。
次回は、「売買契約成立後の問題」について、お届けします。