参考資料1952 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

エジプトに売られたヨセフ その1
「ヤコブには十二人の男の子がいたが、ヤコブは十一ばんめのヨセフを一番かわいがっていた。ゆくゆくは、この子をあとつぎにしたいと思ったのか、ほかの子どもはあまりかわいがらないで、ヨセフだけを特別にかわいがった。着るものまで、ヨセフには王子さまのような立派なものをきせていた。
 こんなえこひいきをしては、ほかの兄弟はおもしろくない。本人のヨセフにとっても、よくないことだろう。ヨセフはつけあがって、とかくみんなをばかにした。
 ある朝ヨセフは兄たちに向かって、ゆうべふしぎな夢をみたといいだした。父のヤコブに似て、ヨセフもよく夢をみたようだ。
「どんな夢さ?」と、兄弟たちはきいた。
「ぼくらみんなで畑に出て、麦のたばをしばっていたんだ。すると、ぼくのしばったたばだけが真直ぐにつっ立っていて、きみたちのたばはみんなそれをかこんで頭をさげて、おじぎをしたんだよ。」
 こんな話をきかされては、いくら兄たちがあまり利口でなかったとしても、この弟をこころよく思うわけはない。しかもヨセフは、なおも調子にのって、2,3日すると、またもや夢の話をもちだした。
「兄さんたち、ぼく、また夢をみたよ。こんどは星の夢なんだ。天には星が十一出ていたけれど、その星たちがみんなぼくを見て、おじぎをしたのさ。星ばかりじゃない。お日さまも月もだよ。」
 これでは十一人の兄弟たちも、腹をたてないわけにはいかなかった。まして、太陽も月もヨセフにおじぎをしたというのである。これは父や母までもばかにしたものといえよう。十一の星は兄弟たちで、太陽は父親、月は母親をさしていると思われたから。
 父親のヤコブもさすがに気を悪くして、こごとをいった。しかし、あまやかされきった少年は、あいかわらずいい気になって、思いあがった行いをあらためなかった。兄弟たちはみなヨセフをにくんで、いつかきっとヨセフをこらしめてやろうと思っていた。
 ある日、兄弟たちが野原に出て羊に草をたべさせていると、そこへヨセフが父の使いで様子を見にきた。兄たちは、ヨセフがひとりでやってきたのを見て、今日こそこのなまいきな弟をこらしめてやろうと思った。そこで彼らはヨセフをつかまえると、泣きわめくのもかまわず、きれいな上着をひきはいだ上で、近くにあった穴の中へなげ落とした。それから、穴のそばにすわりこんで、ヨセフをこれからどうしようかと、相談をはじめた。
 ちょうどそのとき、駱駝をひいた隊商の群れが、近くをとおりかかった。それを見て、ユダという兄が、うまいことを思いついた。
「あいつを隊商に売ろうじゃないか。そして、あいつの上着をずたずたにさいて、なにかの血をぬりつけておいて、父さんにはライオンか虎が出てきてヨセフを食っちまったといおう。売った金は、みんなで分けてしまえばいい。」
 ほかにうまい考えもうかばないので、みんなも賛成した。兄弟たちは隊商の群れをとめて、若い奴隷をひとり売りたいといった。話はすぐにまとまって、ヨセフとひきかえに兄弟たちは銀貨二十枚をうけとった。こうしてヨセフは隊商にひきとられて、南へはこばれていった。兄弟たちは家に帰って、さもほんとうらしく、弟が野獣に食い殺された話をした。ヨセフをかわいがっていたヤコブは、ひどく悲しんだ。」
「聖書物語・旧約物語」山室静著より

感想
>しかし、あまやかされきった少年は、あいかわらずいい気になって、思いあがった行いをあらためなかった。兄弟たちはみなヨセフをにくんで、いつかきっとヨセフをこらしめてやろうと思っていた。

ヨセフっていうのは、そんなに頭も良くて運動も出来て凄い奴だったのかな? 子供の頃はイケメンとか高身長とかはあまり関係ないからね。

>兄たちは、ヨセフがひとりでやってきたのを見て、今日こそこのなまいきな弟をこらしめてやろうと思った。そこで彼らはヨセフをつかまえると、泣きわめくのもかまわず、きれいな上着をひきはいだ上で、近くにあった穴の中へなげ落とした。

偽善者はすぐにいじめをするからね。誰かを裁くなんてあんたは神か?

「人をさばくな。自分がさばかれないためである。
あなたがたがさばくそのさばきで、自分もさばかれ、あなたがたの量るそのはかりで、自分にも量り与えられるであろう。
なぜ、兄弟の目にあるちりを見ながら、自分の目にある梁(はり)を認めないのか。
自分の目には梁があるのに、どうして兄弟にむかって、あなたの目からちりを取らせてください、と言えようか。
偽善者よ、まず自分の目から梁を取りのけるがよい。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からちりを取りのけることができるだろう。」
「マタイによる福音書」第7章1節~5節

>「あいつを隊商に売ろうじゃないか。そして、あいつの上着をずたずたにさいて、なにかの血をぬりつけておいて、父さんにはライオンか虎が出てきてヨセフを食っちまったといおう。売った金は、みんなで分けてしまえばいい。」

偽善者は、すぐにばれなきゃいいと考える。

「『姦淫(かんいん)するな』と言われていたことは、あなたがたの聞いているところである。
しかし、わたしはあなたがたに言う。だれでも、情欲をいだいて女を見る者は、心の中ですでに姦淫をしたのである。
もしあなたの右の目が罪を犯させるなら、それを抜き出して捨てなさい。五体の一部を失っても、全身が地獄に投げ入れられない方が、あなたにとって益である。
もしあなたの右の手が罪を犯させるなら、それを切って捨てなさい。五体の一部を失っても、全身が地獄に落ち込まない方が、あなたにとって益である。」
「マタイによる福音書」第5章27節~30節

まぁ、携挙なんて信じていなければ、何をやってもいいだろう。それが二極分化である。(男女間に友情は成立しないなんて言う奴は、息子の嫁とかにも手を出すだろう。)

>話はすぐにまとまって、ヨセフとひきかえに兄弟たちは銀貨二十枚をうけとった。

よく、人ひとりの命は地球より重いなどと言うが、現実はその人の地位や身分などによるだろう。以前にも書いたが、人間は生まれ付き平等ではない。https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12411357122.html(感想の方。)

おまけ