参考資料1953 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

エジプトに売られたヨセフ その2
「ヨセフを買った隊商の人たちは、エジプトへつくと、さっそくいい値段でヨセフを売りとばした。買ったのは、エジプトの軍隊のポテパルという隊長だった。
 こうしてヨセフは、ポテパルの奴隷になったが、りこうなヨセフはまもなく隊長に気にいられて、主人の領地ではたらく使用人ぜんぶの監督になった。ただ、こまったことに、ポテパルの細君は浮気でわがままな女だった。若くて美貌のヨセフに情欲をもやして、彼をかきくどいたが、ヨセフは神を恐れて応じなかった。すると彼女は、夫にヨセフのことをいろいろと中傷した。ポテパルは、妻のいうことを信用して、ヨセフを牢屋にぶちこんでしまった。
 ところが、牢屋でも、ヨセフはすっかり監督の信用をえて、しまいにはほかの囚人たちの世話までまかされて、牢屋の中をすきかってに歩きまわれるようになった。
 ちょうどそのころ、エジプトの宮廷の役人がふたり、罰をうけて牢屋にはいっていた。
 ヨセフはこの人たちと仲よしになったが、ある朝、その二人がひどくふさぎこんでいた。ヨセフがきいてみると、二人ともふしぎな夢をみたのに、その夢の意味がとけないために心配しているのであった。
「では、わたしがといてみましょう。さあ、話してごらんなさい。」
 ヨセフがこう言うと、二人はよろこんで、くわしく自分のみた夢を話してきかせた。
 一方の人が見たのは、こうだった―――その人が一本のぶどうの木のそばに立っていると、急にその木に三本の枝がはえて、ぶどうがぎっしり実をつけた。その人はそのぶどうをつんで、王の杯の中にしぼってさしあげた、というのである。
 ヨセフはすぐに言った。「その意味は、ごく簡単です。あなたは三日のうちに牢をだされて、もとの役にもどされるということです。」
 その役人が大喜びしたのは、いうまでもなかった。
 もう一人のみた夢は、こうだった―――その人がパンをつめた籠を三つ頭にのせて王宮へ行こうとしたところ、ふいに鳥の群れが空からまいおりて、そのパンをみんな食べてしまったというのである。
「そうですか。あなたはきっと、三日のうちにしばり首になるでしょう」
と、ヨセフはいった。
 はたして三日のちには、両方ともヨセフのいったとおりになった。
 もとの役目にもどることになった役人は、大喜びで、いろいろヨセフにお礼をのべて、宮廷にもどったら、さっそく王に話して、すぐにきみが牢屋から出られるようにすると約束した。
 ところが、いくら待っても、ヨセフは牢屋から出されなかった。ヨセフはそれからもなお二年間も、牢屋ですごしてしまった。その役人は、宮廷に帰るがはやいか、牢屋の中の少年のことなど、すっかり忘れてしまったのである。もし王がふしぎな夢をみて、ひどい恐れにおそわれなかったとしたら、たぶんヨセフは、そのまま牢屋の中で一生をすごすことになったかもしれない。」
「聖書物語・旧約物語」山室静著より

感想
>若くて美貌のヨセフに情欲をもやして、彼をかきくどいたが、ヨセフは神を恐れて応じなかった。すると彼女は、夫にヨセフのことをいろいろと中傷した。ポテパルは、妻のいうことを信用して、ヨセフを牢屋にぶちこんでしまった。

昨日の時点では、イケメンかどうか分からなかったが、イケメンのようである。
また、信心深い男のようである。隊長と妻はそんなもんだろう。

>ところが、牢屋でも、ヨセフはすっかり監督の信用をえて、しまいにはほかの囚人たちの世話までまかされて、牢屋の中をすきかってに歩きまわれるようになった。

要領のいい男のようである。私には全くない能力である。(おべっかを使ったり。)ただし、飲み会とかだったら適当にやるが。

>「では、わたしがといてみましょう。さあ、話してごらんなさい。」

兄弟たちが嫉妬したのは、この能力なのかな。因みに、「ダニエル書」のダニエルにもこの能力がある。

「13 わたしが床にあって見た脳中の幻の中に、ひとりの警護者、ひとりの聖者の天から下るのを見たが、
14 彼は声高く呼ばわって、こう言った、『この木を切り倒し、その枝を切りはらい、その葉をゆり落し、その実を打ち散らし、獣をその下から逃げ去らせ、鳥をその枝から飛び去らせよ。
15 ただしその根の切り株を地に残し、それに鉄と青銅のなわをかけて、野の若草の中におき、天からくだる露にぬれさせ、また地の草の中で、獣と共にその分にあずからせよ。
16 またその心は変って人間の心のようでなく、獣の心が与えられて、七つの時を過ごさせよ。
17 この宣言は警護者たちの命令によるもの、この決定は聖者たちの言葉によるもので、いと高き者が、人間の国を治めて、自分の意のままにこれを人に与え、また人のうちの最も卑しい者を、その上に立てられるという事を、すべての者に知らせるためである』と。
18 われネブカデネザル王はこの夢を見た。ベルテシャザルよ、あなたはその解き明かしをわたしに告げなさい。わが国の知者たちは、いずれもその解き明かしを、わたしに示すことができなかったけれども、あなたにはそれができる。あなたのうちには、聖なる神の霊がやどっているからだ」。」
「ダニエル書」第4章13節~18節https://www.wordproject.org/bibles/jp/27/4.htm#0

念のため、ベルテシャザルがダニエルの事。また、シンクロニシティーとして、黙示録の獣の事もダブルミーニングされていると考えている。

>もとの役目にもどることになった役人は、大喜びで、いろいろヨセフにお礼をのべて、宮廷にもどったら、さっそく王に話して、すぐにきみが牢屋から出られるようにすると約束した。
 ところが、いくら待っても、ヨセフは牢屋から出されなかった。ヨセフはそれからもなお二年間も、牢屋ですごしてしまった。その役人は、宮廷に帰るがはやいか、牢屋の中の少年のことなど、すっかり忘れてしまったのである。

別にヨセフのお陰でもないので、忘れた可能性もあるが、それだったら初めからそんな約束しないだろう。一緒に入っていた者が同じように夢を解釈して貰って片方は死んだのである。絶対忘れないだろう。
つまり、この話自体作り話の可能性が高い。というより、たとえ話のようなものだろう。(天地創造の話とかも。)

おまけ