参考資料729 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

救世主降臨の年
「前章で発見したことを思い出しながら、先ほどのダニエルの予言を検討すると、以下のことが明らかになる。
① やがて、救世主にして神にして王が、地上に現れる。
② 救世主は《七週あり、また、六十二週あって》と表される期間の終わり、つまり六十九週間後に降臨する。
③ その期間の計算がはじまるのは、ダニエルが予言をしたときからではなく、《エルサレム復興と再建についての御言葉が出されてから》である。 
 もう一度前章を参照すれば、予言における“週”は七日の日数年、つまり七年に相当することがわかる。したがって、“神なる救世主”が地上に降りるのは、《エルサレム復興と再建についての御言葉が出されてから》四百八十三年後ということになる。
 予言者がこの超自然的存在が現れると述べている年を導きだすためにまず第一にしなければならないのは、いつエルサレム復興・再建の命令が出されたかをはっきりさせることである。それがわかったら、その年の四百八十三年後の記録を調べて、その年に超自然的存在の登場と見なしうる事件が起こったかどうかを確かめるのだ。
 わたしたちの探求に不可欠なのは、細心の注意をもってダニエルが実際に予言したことを読み、偏見や勝手な思いこみを彼の予言に加えないことである。古代の予言者たちが厳密に述べているからには、こちらも厳密に解釈しなければならない。
 四百八十三年という期間がはじまるのは、《エルサレム復興と再建についての御言葉が出されてから》であって、エルサレムの復興と再建が実際に開始されてからではない。
 エルサレムの神殿の復興と再建についての命令はたくさん出されたが、予言は非常に厳密であるからまどわされないようにしなければならない。四百八十三年間がスタートするのは、あくまでもエルサレム市の復興と再建の命令が出されてからであって、神殿の復興と再建の命令が出されてからではないのだ。
 ユダヤ人にエルサレムに帰る許可を与えたというものもあるが、これも問題の命令ではない。なぜなら、市街を再建せよという命令は出されなかったからだ。長い年月のあいだに、いま述べたようなさまざまなことを命じる布告はたくさん出されたが、予言者の厳密さは驚異的で、彼が指している布告がぜったいにほかの布告ととり違えられないように《危機のうちに広場と堀は再建される》とつけ加えている。
 さらに、《復興と再建》の命令が出されてから四百八十三年というのは、“油注がれた君”の到来までの長さであって、やがて救世主になる人物の誕生までの長さではないことも気をつけなければならない。
 予言にほぼ一致する法令は四つあったが、ぴたりとあてはまるものはひとつしかない。
 紀元前538年から537年にかけてペルシャ帝国の建設者キュロス二世が発した命令は、《このイスラエルの主なる神の神殿を建てよ》というものであった。この法令に応じた工事は十五年間、行われず、神殿は建てられないままだった。
 次のダリウス一世がキュロス王の法令を、もう一度発布しなおした。ダリウスがこの命令を発したのは紀元前519年前後である。この法令も、《このイスラエルの主なる神の神殿を建てよ》と対象が特定されたものだった。
 三番目の法令を紀元前458年から457年にかけて発したのはアルタクセルクセス王であった(エズラ記七章)。その法令の内容は、エルサレムのユダヤ人に復旧を許し、ユダヤ人の国民生活向上のための便宜をはかる、というものであった。アルタクセルクセス王は紀元前445年から444年にかけても、それとまったく別個の法令を発している(ネヘミヤ記二章)。
 キュロスとダリウスの法令はエルサレムの復旧と再建についてのものではなく、対象は《神の神殿》にかぎられていた。したがって、このふたつのダリウスの予言に正確にあてはまらない。
 アルタクセルクセス王のふたつの法令は、《復興と再建》という予言者の言葉にぴたりと符合する。最初の法令はエルサレムにユダヤ人国家を再建することを律法学者で祭司のエズラに許すものであり、ふたつ目の法令は特に城壁の再建を許すものであった。最初の法令によって、エズラは治める者と民を裁く者を任命し、ふたつ目の法令によって、エルサレムの城壁は再建された。これらふたつの法令が発せられたのが、この出来事を予言した予言者が死んでから四分の三世紀以上たってからだったことを明記しておくべきだろう―――それだけでも驚嘆すべき予言だと言えないだろうか?」
「Ⅴ・ダンスタンの終末大予言(上)」ヴィクター・ダンスタン著・幸島研次訳より

感想
>もう一度前章を参照すれば、予言における“週”は七日の日数年、つまり七年に相当することがわかる。
http://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-11963637094.html

>② 救世主は《七週あり、また、六十二週あって》と表される期間の終わり、つまり六十九週間後に降臨する。
http://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-11943264171.html
http://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-11962036755.html
http://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-11960847435.html

おまけ