シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

飢えとペストのテーマ———食糧危機 その2
「Si grand famine par unde pestifere,
Par pluie longue le long du polle arctique,
Samarobrin cent lieux de l'hemisphere,
Vivront sans loi exemple de pollitique.

 ペストにつづいて とてつもなく大きな飢えがやってくる
 長雨が北極に沿って降り
 北半球から100の政府とサマロブラン
 政治は別として、法なしで生きるだろう(『諸世紀』Ⅵ-5)

<解釈>
これも異常気象を示す予言詩だ。長雨がつづいたり、北極の氷山が融けたりする。北半球は大飢饉に見舞われ、各国は先を争って南半球へ逃れるだろう。”サマロブラン”はおそらく原子力潜水艦(サブマリーン)のことか、宇宙ステーションのことだと思われる。原子力潜水艦ととれば、ソ連の首脳がそれを使って、秘密のうちに南半球に逃れることを暗示していることになる。こうして南半球の各地は無政府状態となる。」
「ノストラダムスの遺言書」ダニエル・ルゾー著・流 智明監修より

感想
>ペストにつづいて とてつもなく大きな飢えがやってくる
 長雨が北極に沿って降り
 北半球から100の政府とサマロブラン
 政治は別として、法なしで生きるだろう(『諸世紀』Ⅵ-5)

ノストラダムスの大事典からも引用しよう。

百詩篇第6巻5番
非常に大きな飢饉が悪疫の波と
北極沿いの長雨によって広がる。
サマロブリウァは、半球から百リューにて
政治から疎外され、法なしに生きるだろう。
引用元:https://w.atwiki.jp/nostradamus/pages/809.html

まず、「サマロブリウァ」について考えよう。
「Samarobrin」を「Samaro」+「brin」に分けると、「Samaro」で辞書に近い言葉は「samaritain」(サマリアの,[聖]サマリア人)しかない。(私の辞書ではという事。)また、「brin」(1 [切り株から伸びた]若枝,若木,[草の]細い茎,若茎,2 [糸・わらなどの]切れ端,一片,1本,[麻などの]糸,繊維,3 [話]少量)
ところで、新約聖書には有名な「善きサマリア人のたとえ」というものがある。ちょっと長いが抜き書きしよう。

「25 するとそこへ、ある律法学者が現れ、イエスを試みようとして言った、「先生、何をしたら永遠の生命が受けられましょうか」。
26 彼に言われた、「律法にはなんと書いてあるか。あなたはどう読むか」。
27 彼は答えて言った、「『心をつくし、精神をつくし、力をつくし、思いをつくして、主なるあなたの神を愛せよ』。また、『自分を愛するように、あなたの隣り人を愛せよ』とあります」。
28 彼に言われた、「あなたの答は正しい。そのとおり行いなさい。そうすれば、いのちが得られる」。
29 すると彼は自分の立場を弁護しようと思って、イエスに言った、「では、わたしの隣り人とはだれのことですか」。
30 イエスが答えて言われた、「ある人がエルサレムからエリコに下って行く途中、強盗どもが彼を襲い、その着物をはぎ取り、傷を負わせ、半殺しにしたまま、逃げ去った。
31 するとたまたま、ひとりの祭司がその道を下ってきたが、この人を見ると、向こう側を通って行った。
32 同様に、レビ人もこの場所にさしかかってきたが、彼を見ると向こう側を通って行った。
33 ところが、あるサマリヤ人が旅をしてこの人のところを通りかかり、彼を見て気の毒に思い、
34 近寄ってきてその傷にオリブ油とぶどう酒とを注いでほうたいをしてやり、自分の家畜に乗せ、宿屋に連れて行って介抱した。
35 翌日、デナリ二つを取り出して宿屋の主人に手渡し、『この人を見てやってください。費用がよけいにかかったら、帰りがけに、わたしが支払います』と言った。

36 この三人のうち、だれが強盗に襲われた人の隣り人になったと思うか」。
37 彼が言った、「その人に慈悲深い行いをした人です」。そこでイエスは言われた、「あなたも行って同じようにしなさい」。」
「ルカによる福音書」第10章25節~37節(口語訳)

「サマリア人(じん)にはユダヤ人から異邦人と呼ばれるようになった歴史がある。(中略)そうしてユダヤ人とサマリア人の関係は親戚の関係ではあっても忌み嫌う関係がイエスの時代まで続いていた。」
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%96%84%E3%81%8D%E3%82%B5%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%A2%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%81%A8%E3%81%88#%E7%A5%AD%E5%8F%B8%E3%81%A8%E3%83%AC%E3%83%93%E4%BA%BA%EF%BC%88%E3%81%B3%E3%81%A8%EF%BC%89%E3%81%A8%E3%82%B5%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%A2%E4%BA%BA%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6

要は、日本人と韓国人のような関係で、日本人が困っている所に日本人は素通りし、隣人愛を持った韓国人がその日本人を無償の愛で助けたというような話である。

また、「brin」([切り株から伸びた]若枝)から「ダビデの若枝」を紹介しよう。

「1 わたしはまた、御座にいますかたの右の手に、巻物があるのを見た。その内側にも外側にも字が書いてあって、七つの封印で封じてあった。
2 また、ひとりの強い御使が、大声で、「その巻物を開き、封印をとくのにふさわしい者は、だれか」と呼ばわっているのを見た。
3 しかし、天にも地にも地の下にも、この巻物を開いて、それを見ることのできる者は、ひとりもいなかった。
4 巻物を開いてそれを見るのにふさわしい者が見当らないので、わたしは激しく泣いていた。
5 すると、長老のひとりがわたしに言った、「泣くな。見よ、ユダ族のしし、ダビデの若枝であるかたが、勝利を得たので、その巻物を開き七つの封印を解くことができる」。」
「ヨハネの黙示録」第5章1節~5節(口語訳)

つまり、「ダビデの若枝」とは「真理の御霊」(契約の使者)の事である。(ノストラダムスの詩で言えば、1巻48番の詩の「月」(4行目の「彼」)の事である。)

「13 けれども真理の御霊が来る時には、あなたがたをあらゆる真理に導いてくれるであろう。それは自分から語るのではなく、その聞くところを語り、きたるべき事をあなたがたに知らせるであろう。
14 御霊はわたしに栄光を得させるであろう。わたしのものを受けて、それをあなたがたに知らせるからである。」
「ヨハネによる福音書」第16章13節~14節(口語訳)

つまり、「真理の御霊」(契約の使者)は解読者なのである。「わたしのものを受けて」から、新約聖書も新しい解釈を示すに違いない。よく考えたら、「ヨハネの黙示録」も新約聖書の一部だったね。

補足
「12 彼に言いなさい、『万軍の主は、こう仰せられる、見よ、その名を枝という人がある。彼は自分の場所で成長して、主の宮を建てる。
13 すなわち彼は主の宮を建て、王としての光栄を帯び、その位に座して治める。その位のかたわらに、ひとりの祭司がいて、このふたりの間に平和の一致がある』。」
「ゼカリヤ書」第6章12節~13節(口語訳)

「06:12宣言しなさい。万軍の主はこう言われる。見よ、これが『若枝』という名の人である。その足もとから若枝が萌えいでる。彼は主の神殿を建て直す。 06:13彼こそ主の神殿を建て直し
威光をまとい、王座に座して治める。その王座の傍らに祭司がいて
平和の計画が二人の間に生ずる。」
「ゼカリヤ書」第6章12節~13節(新共同訳)

ノストラダムスの2巻46番の詩
Apres grand troche humain,plus grand s'appreste.
Le grand moteur les siecles renouvelle,
Pluye,sang,laict,famine,feu,& pest;
Au ciel veu,courant longue estincelle. (ロバーツ本の原文)
偉大な人類の若枝の後に、もっと偉大なものが準備する
偉大な主導者が何世紀も変革する
雨、流血、乳母、飢餓、火、そして疫病(有害な人)
空で長い火花が流れているのが見られる    

訳の解説(の一部)
「troche」は、古語辞典には載っているので、ノストラダムスの時代にもあったようだ。その意味は、「Sarment」とあるので「〔ブドウの〕若枝」。

「1 エッサイの株から一つの芽が出、その根から一つの若枝が生えて実を結び、
2 その上に主の霊がとどまる。これは知恵と悟りの霊、深慮と才能の霊、主を知る知識と主を恐れる霊である。
3 彼は主を恐れることを楽しみとし、その目の見るところによって、さばきをなさず、その耳の聞くところによって、定めをなさず、
4 正義をもって貧しい者をさばき、公平をもって国のうちの/柔和な者のために定めをなし、その口のむちをもって国を撃ち、そのくちびるの息をもって悪しき者を殺す。
5 正義はその腰の帯となり、忠信はその身の帯となる。」
「イザヤ書」第11章1節~5節(口語訳)

「11:01エッサイの株からひとつの芽が萌えいで
その根からひとつの若枝が育ち
11:02その上に主の霊がとどまる。知恵と識別の霊
思慮と勇気の霊
主を知り、畏れ敬う霊。
11:03彼は主を畏れ敬う霊に満たされる。目に見えるところによって裁きを行わず
耳にするところによって弁護することはない。
11:04弱い人のために正当な裁きを行い
この地の貧しい人を公平に弁護する。その口の鞭をもって地を打ち
唇の勢いをもって逆らう者を死に至らせる。
11:05正義をその腰の帯とし
真実をその身に帯びる。」
「イザヤ書」第11章1節~5節(新共同訳)

やはり、「義」が大事なのだろう。因みに、「若枝」から「真理の御霊」(契約の使者)が若いとは限らない。その理由は、

「110:1 主はわが主に言われる、「わたしがあなたのもろもろの敵をあなたの足台とするまで、わたしの右に座せよ」と。
110:2 主はあなたの力あるつえをシオンから出される。あなたはもろもろの敵のなかで治めよ。
110:3 あなたの民は、あなたがその軍勢を聖なる山々に導く日に心から喜んでおのれをささげるであろう。あなたの若者は朝の胎から出る露のようにあなたに来るであろう。
110:4 主は誓いを立てて、み心を変えられることはない、「あなたはメルキゼデクの位にしたがってとこしえに祭司である」。
110:5 主はあなたの右におられて、その怒りの日に王たちを打ち破られる。
110:6 主はもろもろの国のなかでさばきを行い、しかばねをもって満たし、広い地を治める首領たちを打ち破られる。
110:7 彼は道のほとりの川からくんで飲み、それによって、そのこうべをあげるであろう。」
「詩篇」第110篇1節~7節(口語訳)

「110:01【ダビデの詩。賛歌。】わが主に賜った主の御言葉。「わたしの右の座に就くがよい。わたしはあなたの敵をあなたの足台としよう。」 110:02主はあなたの力ある杖をシオンから伸ばされる。敵のただ中で支配せよ。 110:03あなたの民は進んであなたを迎える
聖なる方の輝きを帯びてあなたの力が現れ
曙の胎から若さの露があなたに降るとき。 110:04主は誓い、思い返されることはない。「わたしの言葉に従って
あなたはとこしえの祭司
メルキゼデク(わたしの正しい王)。」 110:05主はあなたの右に立ち
怒りの日に諸王を撃たれる。 110:06主は諸国を裁き、頭となる者を撃ち
広大な地をしかばねで覆われる。 110:07彼はその道にあって、大河から水を飲み
頭を高く上げる。」
「詩篇」第110篇1節~7節(新共同訳)

ここから、「若枝」とされている可能性もある。何にしても「終わりの時」のキーパーソンは若い人である。因みに、「メルキゼデク」とは「義の王」である。

話を元に戻して、「Samarobrin」は「サマリアの若枝」で「義の若枝」または「異邦人の若枝」。

「42.イエスは彼らに言われた、「あなたがたは、聖書でまだ読んだことがないのか、
『家造りらの捨てた石が
隅(すみ)のかしら石になった。
これは主がなされたことで、
わたしたちの目には不思議に見える』。
43.それだから、あなたがたに言うが、神の国はあなたがたから取り上げられて、御国(みくに)にふさわしい実を結ぶような異邦人に与えられるであろう。
「マタイによる福音書」第21章42節~43節(口語訳)

自分の事しか考えないような奴が生き残れる訳がない。1+1=2のように単純な話。

一応、イエスの話の引用元も挙げておこう。

「118:21 わたしはあなたに感謝します。あなたがわたしに答えて、わが救となられたことを。
118:22 家造りらの捨てた石は隅のかしら石となった。
118:23 これは主のなされた事でわれらの目には驚くべき事である。」
「詩篇」第118章21節~23節(口語訳)

「118:21わたしはあなたに感謝をささげる
あなたは答え、救いを与えてくださった。
118:22家を建てる者の退けた石が
隅の親石となった。
118:23これは主の御業
わたしたちの目には驚くべきこと。」
「詩篇」第118章21節~23節(新共同訳)

おまけ


飢えとペストのテーマ———食糧危機
「『飢え』fain ということばは、12篇の詩で単数形のペスト peste と、また一篇の詩で複数形の『ペスト』pestes といっしょに使われている。『飢饉』famine ということばは、三篇が『ペスト』peste に、一篇が『ペスト患者』pestiféré についている。このようにして、”飢えとペスト”のテーマには17篇の詩が属しているほか、『飢え』が『ペスト汚染』pestilence ということばと結びついたり、ペストを連想させる『火のような熱』という表現とともに用いられた詩とあわせて、合計24篇がこのテーマを構成している。
 ノストラダムスは、『諸世紀』Ⅳ-30の詩のなかで、”飢えとペストのあとに秘密があばかれるだろう”といっている。これは、131ページに解説した1555年1月の『プレサージュ』のなかの”氷、パンはない”の意味を補っていると思われる、注目すべき一行だ。
 このテーマは、近い将来に予測される食糧危機と結びつけて考えられることが多いようだ。たとえば、”充分な種子はなく/死はまっ白になって降る雪に近づく/不毛、腐った種子、あふれる水/大けがをした人、横向きに寝かされた多数の死者”(『プレサージュ』1565年8月)の四行詩では、はじめの三行で飢饉を、最後の一行でペストまたは疫病による死者が大勢出ることを予言している。

Plus unze fois Lune Sol ne voudre,
Tous augmenté & baissez de degré:
Et si bas mis que peu or on coudra,
Qu'apres faim, peste, descouvert le secret.

11回以上も月は太陽を必要とせず
すべての温度が上がったり下がったりする
あまりにも低いところに置かれて わずかな金は秘密のまま
その後、飢えとペストがあり、秘密があばかれるだろう(『諸世紀』Ⅳ-30)

<解釈>
この詩も気象異変になる天災の暗示と思われる。一行目の”11回以上も月は太陽を必要とせず”の明確な意味はわからないが、おそらく、火山灰などで大気が混濁しているため、太陽の光線が入りこまず、月が見えなくなってしまう現象を意味しているのだろう。異常な高温や低温がつづき、農業や漁業が大被害を受け、飢饉が訪れる。人びとが血眼になって食糧を求めた結果として、地下の秘密の食糧倉庫もあばかれるにちがいない。最後の一行は、右ページの説明のように、このテーマが暗号の謎を解く重要なポイントであることを示す。」
「ノストラダムスの遺言書」ダニエル・ルゾー著・流 智明監修より

感想
>『飢え』fain ということば

「fain」は現代フランス語にはないが、古語辞典では「faim」と同じ扱いをされている。「faim」は現代語では「空腹」や「飢え」などだが、古語辞典では「1 Désir ardent,2 Envie」で、「Désir ardent」(渇望),「Envie」(1 欲求,欲望,2 羨望,ねたみ,そねみ,3 [話][妊婦の示す]不意の食欲,変わった嗜好,[俗]母斑,4 [複数で][俗][爪の]ささくれ)なので、昔は「fain(faim)」には「飢え」の意味はなかった可能性もある。
また、「fain」は英語にはあるので、ノストラダムスが英語を使っていた可能性を考えると「飢え」と断定できるかどうかは怪しい。因みに、古い辞書の横断検索では「fain」はヒットしない。

>”充分な種子はなく/死はまっ白になって降る雪に近づく/不毛、腐った種子、あふれる水/大けがをした人、横向きに寝かされた多数の死者”(『プレサージュ』1565年8月)

一応、ノストラダムスの大事典からも引用しよう。

予兆詩第123番
小麦は十分というには程遠いだろう。
死は非常に白い雪が降ることに寄り添う。
不毛、腐った小麦、多量の水。
偉大な者は負傷し、そのわきには何人かの死体がある。
引用元:https://w.atwiki.jp/nostradamus/pages/1110.html

小惑星の衝突による「衝突の冬」の事だろう。ただし、最近気が付いたのだが、犯罪者は室内で大麻などを栽培しているが、あの照明は温度管理が出来るらしい。つまり、一部の選民などは室内で野菜や米を栽培すれば飢餓とは無縁だろう。まぁ、その前に大洪水などから生き残れればの話だが。(信じる者は救われるでシェルターとかあればいいけどね。)

>11回以上も月は太陽を必要とせず
すべての温度が上がったり下がったりする
あまりにも低いところに置かれて わずかな金は秘密のまま
その後、飢えとペストがあり、秘密があばかれるだろう(『諸世紀』Ⅳ-30)

これもノストラダムスの大事典から引用しよう。

百詩篇第4巻30番
十一回をこえて(人々は)望まないだろう、月と太陽が
両方とも増大し、その価値が下落するのを。
非常に(価値が)低くなるので、人々は黄金をほとんど縫えないだろう。
飢餓と悪疫の後に、秘密が暴かれる。
引用元:https://w.atwiki.jp/nostradamus/pages/464.html

この詩を解釈するには、5巻32番の詩と1巻48番の詩が必要だろう。

5巻32番の詩
Ou tout bon est, tout bien Soleil & lune,
Est abondant sa ruyne s'approche:
Du ciel s'aduance varier ta fortune,
En mesme estat que la septiesme roche.
全くもって良い太陽と月、すなわち全くもって良い東方
豊かな東方よ、その崩壊が近づく
天からの進展がお前の運命に変化をつける
7番目の山と同じ立場に
引用元:https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12836538877.html

1巻48番の詩
月の君臨の20年が過ぎ去った
七千年、別の者がその王政を保つだろう
太陽がうんざりさせられる日々を受け入れる(理解する)だろう時
その時(彼は)私の予言を実現させ終わらせる。
引用元:https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12781914265.html

1巻48番の詩から、「月」は「契約の使者」(洗礼者ヨハネ的なイエスに前もって現れる人物)で「太陽」は「日本人」と解釈される。因みに、フランス語の20は「vingt」で「多数の」という意味もある。
また、5巻32番の詩からそんな「契約の使者」と「日本人」は「ミロクの世」を作り上げるのかもしれない。

「学も神力ぞ。神ざぞ。学が人間の智恵と思ってゐると飛んでもない事になるぞ。肝腎の真中なくなりてゐると申してあろが。真中動いてはならんのざぞ。神国の政治は魂のまつりことぞ。苦しき御用が喜んで出来る様になりたら、神の仕組判りかけるぞ。何事も喜んで致して呉れと申してあろがな。臣民の頭では見当取れん無茶な四(よ)になる時来たのざぞ。                 (中略)
 今の臣民 幾ら立派な口きいても、文字ならべても、誠がないから力ないぞ。黙ってゐても力ある人いよいよ世に出る時近づいたぞ。力は神から流れ来るのぞ。磨けた人から神がうつって今度の二度とない世界の、世直しの手柄立てさすぞ。みたま磨きが何より大切ぞ。」
引用元:https://kakuyomu.jp/works/16816452220155676320/episodes/16816452220158244661

ただし、その後、「小惑星の衝突」が起こり、真の「終わりの時」に突入するのだろう。

「五六七のミロクの代から六六六のミロクの世となるぞ。六六六がマコトのミロクの世であるなれど、六六六では動きないぞ、六六六は天地人の大和の姿であるなれど、動きがないからそのままでは弥栄せんのぢゃ、666となり又六六六とならねばならんぞ、新しき世の姿、よく心得よ
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ここで、五六七とは、悪を改心させ、すべてが神に改心し、良い世の中になるようなことが書かれてある。」
引用元は上と同じ。

真の「終わりの時」の次の世が「六六六の世」なのだろう。

話を元に戻すと、
「十一回をこえて(人々は)望まないだろう、月と太陽が
両方とも増大し、その価値が下落するのを。」

成功者や普通の人はそんな世の中を望むはずがないだろう。11回とは例えで、結構しつこく認めないという意味だろう。

おまけ
飢えのテーマ———軍隊、圧制
「『飢え』と『ペスト』の二つのことばは別個にそれぞれ18篇の四行詩のグループもつくっている。『飢え』はそれだけで独立して15の四行詩に、『飢饉』は二つの四行詩に登場する。ひとつ欠けているが、それは『飢饉』を誘発するイナゴ戦争について語っている四行詩で補うことができる。
 この『飢え』と『ペスト』の二つのことばが同じ四行詩に顔を出したら、最初の暗号テーマをさしているものと考えられる。もし二つが別々になっていたら二番目、あるいは三番目のテーマを構成していることになる。
 そのほかにも、『ペスト』とつながっていない『飢え』ということばの入った二つの四行詩がある。そのうちのひとつ、『諸世紀』Ⅴ-63では、”船は寒さと飢えと波に古代ローマの海をさまよう・・・人類にいくつかの疫病が流行するだろう”と、ペスト以外の災厄について語っている。もう一篇では、”ジュネーブの人びと、飢えと渇きに干あがるだろう/目の前の希望ははかない夢と消え/セベーナの法はまさに崩壊寸前になり/艦隊は大きな港に入ることはできないだろう”(『諸世紀』Ⅱ-64)と、『飢え』と港に入ることのできない船について語っている。船が港に着けない理由については書かれていないが、その原因はおそらくペストであろう。

Mabus puis tost, alors mourna viendra,
De gens & bestes une horrible defaite:
Puis tout à coup la vengeance on verra,
Cent, main, soif, faim, quand courra la comete.

マビュスが来て、すぐに死ぬことになる
人びとと獣の恐るべき破壊
そして突然の復讐が明らかになり
100本の腕、渇きと飢えは 彗星が走るときにあるだろう(『諸世紀』Ⅱ-62)

<解釈>
これはハレー彗星が地球に接近する年(1986年)、飢饉や暴動が発生することを予言した詩である。マビュス Mabus にはいろいろな解釈があり、指導者の名前のつづり替えとする説もあるが、私は火星(マルス Mars)のことではないかと思う。火星は占星学で、血、暴力、軍隊などをあらわす星だ。1988年9月に火星が地球に大接近するという天文学的データもあり、このときには、テロ事件やクーデターがあいつぐだろう。また、”人びとと獣の恐るべき破壊”とは、すべての生物を一瞬にして殺戮する、中性子爆弾のようなものが使われることを暗示している。」
「ノストラダムスの遺言書」ダニエル・ルゾー著・流 智明監修より

感想
>『諸世紀』Ⅴ-63では、”船は寒さと飢えと波に古代ローマの海をさまよう・・・人類にいくつかの疫病が流行するだろう”と、ペスト以外の災厄について語っている。

詩百篇第5巻63番
無為な遠征による名誉、不相応な不満。
船乗りたちは寒さ、空腹、荒波の中、ラティウムをさまよう。
テヴェレ川から遠くない大地は血塗られる。
人々は様々な痛手を負うだろう。
引用元:https://w.atwiki.jp/nostradamus/pages/2643.html

別に「疫病」については語っていないようだが。一応、ノストラダムスサロンからも引用してみよう。

無益な企てにより名誉と不当な訴え
ラテン人に入り混って漂う船 寒気 飢え 波浪
ティベル川からほど遠からぬ土地 血に汚され
悪疫 数度にわたり人類を苦しめよう
(山根和郎 訳)
引用元:https://www.ne.jp/asahi/mm/asakura/nostra/proph_text/Centurie_05.htm

ここでは「悪疫」として使われている。その原語は「plagues」で、複数形を解くと「plague」。次のサイトに、

plague:疫病、災厄。

plague (n.)
「14世紀後半から使われているplageという言葉は、「悩み、災害、悪、苦しみ、厄介事」を意味し、また、15世紀初めには「悪性の病気」としても使われていました。」
引用元:https://www.etymonline.com/jp/word/plague

とあるので、問題ない。ただし、例えば「peste」には「ペスト,悪疫,疫病」などの他に「有害な人(もの),嫌な(手に負えない)女」という意味もあるので、「plague」にもそういう意味がある可能性もある。つまり、反キリスト一派とか。

と思ったが、大問題に気が付いた。「plague」は古語辞典にもないし、古い辞書の横断検索でもヒットしない。つまり、ノストラダムスは英語の「plague」(1 疫病,伝染病,2 [the~として]ペスト,黒死病,3 天災,天罰,[口語]いやなもの)を使っているのである。念のため、当時のフランス語だったら上にもあるように「plage」を使うはずである。(これは古語辞典に載っている。)蛇足だが、ラテン語だったら「plaga」だろう。

補足
「「heroic」は現代フランス語にはないし、古語辞典にもない。また、古い辞書の横断検索でもヒットしない。ところが、英語にはあるのである。「heroic」(1 英雄的な,勇ましい,2 [詩が]古代の英雄を歌った,叙事詩の,[文体などが]大げさな,3 [美術]実物より大きい),ノストラダムスは英語を使ったのだろうか。ただし、フランス語には「héroïque」(1 英雄的な,勇壮な,偉大な,2 思い切った,大胆な,3 [神話の]英雄の,神人の,英雄を歌った)があり、語尾を独自に変化させたのかもしれない。因みに、ラテン語では「heroici」らしい。」
引用元:https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12787787276.html

もう断定しても良い頃だろう。ノストラダムスは英語も使っていたのである。つまり、「諸世紀」という訳は(ダブルミーニングとして)間違っていなかったのである。(フランス語訳では「百詩篇」。)

>もう一篇では、”ジュネーブの人びと、飢えと渇きに干あがるだろう/目の前の希望ははかない夢と消え/セベーナの法はまさに崩壊寸前になり/艦隊は大きな港に入ることはできないだろう”(『諸世紀』Ⅱ-64)と、『飢え』と港に入ることのできない船について語っている。

百詩篇第2巻64番
ジュネーヴの人々は飢えと渇きで干からびるだろう。
近くの希望は消えてしまうだろう。
すぐさまゲベンナの宗教が震えるだろう。
艦隊は大きな港で受け入れられない。
引用元:https://w.atwiki.jp/nostradamus/pages/2100.html

別に問題ないだろう。因みに、ジュネーブは「終わりの時」には危ないらしい。

詩百篇第9巻44番
Migres migre de Genesue trestous,
Saturne d'or en fer se changera,
Le contre RAYPOZ exterminera tous,
Auant l'a ruent le ciel signes fera.
離れよ、一人残らずジュネーヴから離れよ。
黄金のサトゥルヌスは鉄に変わるだろう。
レポの反対が全てを滅ぼすだろう。
到来の前に、天が徴を示すだろう。
引用元:https://w.atwiki.jp/nostradamus/pages/38.html

3行目の「レポ」(RAYPOZ)については、ノストラダムスの大事典には次のようにある。

RAYPOZ
「RAYPOZ は詩百篇第9巻44番に登場する単語で、標準的なフランス語読みならば「レポ」または「レポズ」である。アナグラムとして理解する論者が多い。
 Le contre RAYPOZ (RAYPOZの反対) は、綴りをほぼ逆にひっくり返した人名であるゾピュラ(Zopyra)を指していると考えられる。確認できる範囲では、マックス・ド・フォンブリュヌ(未作成)の著書(改訂第4版、1939年)がこの解釈を提示した最古の例のようである。
                      (中略)
 なお、Zopyra をそのまま逆さまにすると arypoz となる。なぜそうしなかったのかについて考察している論者は見当たらないが、真っ先に思い浮かぶのは韻律上の要請だろう。現在、Le contre RAYPOZ で前半律 (行の最初の4音節) を構成している。それに対し、レポ (RAYPOZ) をアリポ (arypoz) にしてしまうと、1音節増えてしまい、まとまりが悪くなってしまう。そうした詩としての構成に配慮した結果、完全な逆さ綴りにしなかったのではないかと考えられるのである。」
引用元:https://w.atwiki.jp/nostradamus/pages/43.html

「ゾピュラ(Zopyra)を指していると考えられる」そうであるが、上にも書かれているように、逆にするとarypozでRAYPOZとはならない。これを韻律のせいでRAYPOZにしたなんて「こじつけ」以外の何ものでもないだろう。
因みに、私の合成語の解釈では、「RAY」(rayonの略)+「POZ」(positionの略)として、「光(光明)」+「位置,[特に高い]地位」とすると、「イエス・キリスト」で(ポジティブな光でも良い)、「レポ」(RAYPOZ)が「イエス・キリスト」の暗号とすると、「レポの反対」は「反キリスト」の事である。すると、4行目は聖書からの引用と考えられないだろうか。

「29 しかし、その時に起る患難の後、たちまち日は暗くなり、月はその光を放つことをやめ、星は空から落ち、天体は揺り動かされるであろう。
30 そのとき、人の子のしるしが天に現れるであろう。またそのとき、地のすべての民族は嘆き、そして力と大いなる栄光とをもって、人の子が天の雲に乗って来るのを、人々は見るであろう。」
「マタイによる福音書」第24章29節~30節(口語訳)

「24:29「その苦難の日々の後、たちまち太陽は暗くなり、月は光を放たず、星は空から落ち、天体は揺り動かされる。
24:30 そのとき、人の子の徴が天に現れる。そして、そのとき、地上のすべての民族は悲しみ、人の子が大いなる力と栄光を帯びて天の雲に乗って来るのを見る。」
「マタイによる福音書」第24章29節~30節(新共同訳)

補足1
「4 この言に命があった。そしてこの命は人の光であった。
5 光はやみの中に輝いている。そして、やみはこれに勝たなかった。
6 ここにひとりの人があって、神からつかわされていた。その名をヨハネと言った。
7 この人はあかしのためにきた。光についてあかしをし、彼によってすべての人が信じるためである。
8 彼は光ではなく、ただ、光についてあかしをするためにきたのである。
9 すべての人を照すまことの光があって、世にきた。」
「ヨハネによる福音書」第1章4節~9節(口語訳)

イエス・キリストは「光」なのである。

補足2
サトゥルヌス
「リシャール・ルーサやノストラダムスは悪い影響を及ぼす星と理解していた。」
引用元:https://w.atwiki.jp/nostradamus/pages/816.html

2行目の「黄金のサトゥルヌスは鉄に変わるだろう」はまさに反キリストの事だろう。つまり、善人面していた反キリストが本性を表して武力介入するという事。(「鉄」の原語「fer」には「剣」や「鉄の枷」という意味もある。)

>マビュスが来て、すぐに死ぬことになる
人びとと獣の恐るべき破壊
そして突然の復讐が明らかになり
100本の腕、渇きと飢えは 彗星が走るときにあるだろう(『諸世紀』Ⅱ-62)

ノストラダムスの大事典からも引用しよう。

百詩篇第2巻62番
そしてマビュスがその時すぐに死ぬと、到来するだろう、
人々と獣たちの恐るべき崩壊が。
そして突然目撃されるだろう、報復と
手無し、渇き、飢餓が。彗星が巡るであろう時に。
引用元:https://w.atwiki.jp/nostradamus/pages/299.html

20年ぐらい前の私の訳(2巻62番)
Mabus puis tost, alors mourra viendra,
De gens & bestes une horrible deffaite,
Puis tout a coup la vengeance on verra,
Sang, main, soif, faim, quand courra la comette.(原文はロバーツ本)

1行目は1つの文章に動詞の未来形が2つも入っていて明らかにおかしいので2つに分けてみた。(20年前も同様。)

Mabus alors viendra,
De gens & bestes une horrible deffaite,
Puis tout a coup la vengeance on verra,
Sang, main, soif, faim, quand courra la comette.
マビュはその時来るだろう
人々と獣のような人々の恐ろしい失敗
それから突然人々は復讐を見るだろう
流血、援助、渇き、飢餓、彗星が流れるだろうときに

Mabus puis tost mourra,
De gens & bestes une horrible deffaite,
Puis tout a coup la vengeance on verra,
Sang, main, soif, faim, quand courra la comette.
マビュはそれからまもなく死ぬだろう
人々と獣のような人々の恐ろしい敗北
それから突然人々は懲罰を見るだろう
流血、援助、渇き、飢餓、彗星が流れるだろうときに
引用元:https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12449016434.html

ところで、「Mabus」について考察してみよう。「ノストラダムスの大事典」にこうある。https://w.atwiki.jp/nostradamus/pages/300.html

私としては、「アナトール・ル・ペルチエは、ラテン語の manibus(手、権力、武装)の語中音消失とした」と「エヴリット・ブライラーは不明としつつも、ラテン語 malus(邪悪な者)の印刷ミスの可能性を示していた」のダブルミーニングのための造語で「反キリスト」を表していると考えている。(ノストラダムスはラテン語はよく使う。)
つまり、「最期の審判」の詩だろう。

おまけ