参考資料3166 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

飢えとペストのテーマ———食糧危機 その2
「Si grand famine par unde pestifere,
Par pluie longue le long du polle arctique,
Samarobrin cent lieux de l'hemisphere,
Vivront sans loi exemple de pollitique.

 ペストにつづいて とてつもなく大きな飢えがやってくる
 長雨が北極に沿って降り
 北半球から100の政府とサマロブラン
 政治は別として、法なしで生きるだろう(『諸世紀』Ⅵ-5)

<解釈>
これも異常気象を示す予言詩だ。長雨がつづいたり、北極の氷山が融けたりする。北半球は大飢饉に見舞われ、各国は先を争って南半球へ逃れるだろう。”サマロブラン”はおそらく原子力潜水艦(サブマリーン)のことか、宇宙ステーションのことだと思われる。原子力潜水艦ととれば、ソ連の首脳がそれを使って、秘密のうちに南半球に逃れることを暗示していることになる。こうして南半球の各地は無政府状態となる。」
「ノストラダムスの遺言書」ダニエル・ルゾー著・流 智明監修より

感想
>ペストにつづいて とてつもなく大きな飢えがやってくる
 長雨が北極に沿って降り
 北半球から100の政府とサマロブラン
 政治は別として、法なしで生きるだろう(『諸世紀』Ⅵ-5)

ノストラダムスの大事典からも引用しよう。

百詩篇第6巻5番
非常に大きな飢饉が悪疫の波と
北極沿いの長雨によって広がる。
サマロブリウァは、半球から百リューにて
政治から疎外され、法なしに生きるだろう。
引用元:https://w.atwiki.jp/nostradamus/pages/809.html

まず、「サマロブリウァ」について考えよう。
「Samarobrin」を「Samaro」+「brin」に分けると、「Samaro」で辞書に近い言葉は「samaritain」(サマリアの,[聖]サマリア人)しかない。(私の辞書ではという事。)また、「brin」(1 [切り株から伸びた]若枝,若木,[草の]細い茎,若茎,2 [糸・わらなどの]切れ端,一片,1本,[麻などの]糸,繊維,3 [話]少量)
ところで、新約聖書には有名な「善きサマリア人のたとえ」というものがある。ちょっと長いが抜き書きしよう。

「25 するとそこへ、ある律法学者が現れ、イエスを試みようとして言った、「先生、何をしたら永遠の生命が受けられましょうか」。
26 彼に言われた、「律法にはなんと書いてあるか。あなたはどう読むか」。
27 彼は答えて言った、「『心をつくし、精神をつくし、力をつくし、思いをつくして、主なるあなたの神を愛せよ』。また、『自分を愛するように、あなたの隣り人を愛せよ』とあります」。
28 彼に言われた、「あなたの答は正しい。そのとおり行いなさい。そうすれば、いのちが得られる」。
29 すると彼は自分の立場を弁護しようと思って、イエスに言った、「では、わたしの隣り人とはだれのことですか」。
30 イエスが答えて言われた、「ある人がエルサレムからエリコに下って行く途中、強盗どもが彼を襲い、その着物をはぎ取り、傷を負わせ、半殺しにしたまま、逃げ去った。
31 するとたまたま、ひとりの祭司がその道を下ってきたが、この人を見ると、向こう側を通って行った。
32 同様に、レビ人もこの場所にさしかかってきたが、彼を見ると向こう側を通って行った。
33 ところが、あるサマリヤ人が旅をしてこの人のところを通りかかり、彼を見て気の毒に思い、
34 近寄ってきてその傷にオリブ油とぶどう酒とを注いでほうたいをしてやり、自分の家畜に乗せ、宿屋に連れて行って介抱した。
35 翌日、デナリ二つを取り出して宿屋の主人に手渡し、『この人を見てやってください。費用がよけいにかかったら、帰りがけに、わたしが支払います』と言った。

36 この三人のうち、だれが強盗に襲われた人の隣り人になったと思うか」。
37 彼が言った、「その人に慈悲深い行いをした人です」。そこでイエスは言われた、「あなたも行って同じようにしなさい」。」
「ルカによる福音書」第10章25節~37節(口語訳)

「サマリア人(じん)にはユダヤ人から異邦人と呼ばれるようになった歴史がある。(中略)そうしてユダヤ人とサマリア人の関係は親戚の関係ではあっても忌み嫌う関係がイエスの時代まで続いていた。」
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%96%84%E3%81%8D%E3%82%B5%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%A2%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%81%A8%E3%81%88#%E7%A5%AD%E5%8F%B8%E3%81%A8%E3%83%AC%E3%83%93%E4%BA%BA%EF%BC%88%E3%81%B3%E3%81%A8%EF%BC%89%E3%81%A8%E3%82%B5%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%A2%E4%BA%BA%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6

要は、日本人と韓国人のような関係で、日本人が困っている所に日本人は素通りし、隣人愛を持った韓国人がその日本人を無償の愛で助けたというような話である。

また、「brin」([切り株から伸びた]若枝)から「ダビデの若枝」を紹介しよう。

「1 わたしはまた、御座にいますかたの右の手に、巻物があるのを見た。その内側にも外側にも字が書いてあって、七つの封印で封じてあった。
2 また、ひとりの強い御使が、大声で、「その巻物を開き、封印をとくのにふさわしい者は、だれか」と呼ばわっているのを見た。
3 しかし、天にも地にも地の下にも、この巻物を開いて、それを見ることのできる者は、ひとりもいなかった。
4 巻物を開いてそれを見るのにふさわしい者が見当らないので、わたしは激しく泣いていた。
5 すると、長老のひとりがわたしに言った、「泣くな。見よ、ユダ族のしし、ダビデの若枝であるかたが、勝利を得たので、その巻物を開き七つの封印を解くことができる」。」
「ヨハネの黙示録」第5章1節~5節(口語訳)

つまり、「ダビデの若枝」とは「真理の御霊」(契約の使者)の事である。(ノストラダムスの詩で言えば、1巻48番の詩の「月」(4行目の「彼」)の事である。)

「13 けれども真理の御霊が来る時には、あなたがたをあらゆる真理に導いてくれるであろう。それは自分から語るのではなく、その聞くところを語り、きたるべき事をあなたがたに知らせるであろう。
14 御霊はわたしに栄光を得させるであろう。わたしのものを受けて、それをあなたがたに知らせるからである。」
「ヨハネによる福音書」第16章13節~14節(口語訳)

つまり、「真理の御霊」(契約の使者)は解読者なのである。「わたしのものを受けて」から、新約聖書も新しい解釈を示すに違いない。よく考えたら、「ヨハネの黙示録」も新約聖書の一部だったね。

補足
「12 彼に言いなさい、『万軍の主は、こう仰せられる、見よ、その名を枝という人がある。彼は自分の場所で成長して、主の宮を建てる。
13 すなわち彼は主の宮を建て、王としての光栄を帯び、その位に座して治める。その位のかたわらに、ひとりの祭司がいて、このふたりの間に平和の一致がある』。」
「ゼカリヤ書」第6章12節~13節(口語訳)

「06:12宣言しなさい。万軍の主はこう言われる。見よ、これが『若枝』という名の人である。その足もとから若枝が萌えいでる。彼は主の神殿を建て直す。 06:13彼こそ主の神殿を建て直し
威光をまとい、王座に座して治める。その王座の傍らに祭司がいて
平和の計画が二人の間に生ずる。」
「ゼカリヤ書」第6章12節~13節(新共同訳)

ノストラダムスの2巻46番の詩
Apres grand troche humain,plus grand s'appreste.
Le grand moteur les siecles renouvelle,
Pluye,sang,laict,famine,feu,& pest;
Au ciel veu,courant longue estincelle. (ロバーツ本の原文)
偉大な人類の若枝の後に、もっと偉大なものが準備する
偉大な主導者が何世紀も変革する
雨、流血、乳母、飢餓、火、そして疫病(有害な人)
空で長い火花が流れているのが見られる    

訳の解説(の一部)
「troche」は、古語辞典には載っているので、ノストラダムスの時代にもあったようだ。その意味は、「Sarment」とあるので「〔ブドウの〕若枝」。

「1 エッサイの株から一つの芽が出、その根から一つの若枝が生えて実を結び、
2 その上に主の霊がとどまる。これは知恵と悟りの霊、深慮と才能の霊、主を知る知識と主を恐れる霊である。
3 彼は主を恐れることを楽しみとし、その目の見るところによって、さばきをなさず、その耳の聞くところによって、定めをなさず、
4 正義をもって貧しい者をさばき、公平をもって国のうちの/柔和な者のために定めをなし、その口のむちをもって国を撃ち、そのくちびるの息をもって悪しき者を殺す。
5 正義はその腰の帯となり、忠信はその身の帯となる。」
「イザヤ書」第11章1節~5節(口語訳)

「11:01エッサイの株からひとつの芽が萌えいで
その根からひとつの若枝が育ち
11:02その上に主の霊がとどまる。知恵と識別の霊
思慮と勇気の霊
主を知り、畏れ敬う霊。
11:03彼は主を畏れ敬う霊に満たされる。目に見えるところによって裁きを行わず
耳にするところによって弁護することはない。
11:04弱い人のために正当な裁きを行い
この地の貧しい人を公平に弁護する。その口の鞭をもって地を打ち
唇の勢いをもって逆らう者を死に至らせる。
11:05正義をその腰の帯とし
真実をその身に帯びる。」
「イザヤ書」第11章1節~5節(新共同訳)

やはり、「義」が大事なのだろう。因みに、「若枝」から「真理の御霊」(契約の使者)が若いとは限らない。その理由は、

「110:1 主はわが主に言われる、「わたしがあなたのもろもろの敵をあなたの足台とするまで、わたしの右に座せよ」と。
110:2 主はあなたの力あるつえをシオンから出される。あなたはもろもろの敵のなかで治めよ。
110:3 あなたの民は、あなたがその軍勢を聖なる山々に導く日に心から喜んでおのれをささげるであろう。あなたの若者は朝の胎から出る露のようにあなたに来るであろう。
110:4 主は誓いを立てて、み心を変えられることはない、「あなたはメルキゼデクの位にしたがってとこしえに祭司である」。
110:5 主はあなたの右におられて、その怒りの日に王たちを打ち破られる。
110:6 主はもろもろの国のなかでさばきを行い、しかばねをもって満たし、広い地を治める首領たちを打ち破られる。
110:7 彼は道のほとりの川からくんで飲み、それによって、そのこうべをあげるであろう。」
「詩篇」第110篇1節~7節(口語訳)

「110:01【ダビデの詩。賛歌。】わが主に賜った主の御言葉。「わたしの右の座に就くがよい。わたしはあなたの敵をあなたの足台としよう。」 110:02主はあなたの力ある杖をシオンから伸ばされる。敵のただ中で支配せよ。 110:03あなたの民は進んであなたを迎える
聖なる方の輝きを帯びてあなたの力が現れ
曙の胎から若さの露があなたに降るとき。 110:04主は誓い、思い返されることはない。「わたしの言葉に従って
あなたはとこしえの祭司
メルキゼデク(わたしの正しい王)。」 110:05主はあなたの右に立ち
怒りの日に諸王を撃たれる。 110:06主は諸国を裁き、頭となる者を撃ち
広大な地をしかばねで覆われる。 110:07彼はその道にあって、大河から水を飲み
頭を高く上げる。」
「詩篇」第110篇1節~7節(新共同訳)

ここから、「若枝」とされている可能性もある。何にしても「終わりの時」のキーパーソンは若い人である。因みに、「メルキゼデク」とは「義の王」である。

話を元に戻して、「Samarobrin」は「サマリアの若枝」で「義の若枝」または「異邦人の若枝」。

「42.イエスは彼らに言われた、「あなたがたは、聖書でまだ読んだことがないのか、
『家造りらの捨てた石が
隅(すみ)のかしら石になった。
これは主がなされたことで、
わたしたちの目には不思議に見える』。
43.それだから、あなたがたに言うが、神の国はあなたがたから取り上げられて、御国(みくに)にふさわしい実を結ぶような異邦人に与えられるであろう。
「マタイによる福音書」第21章42節~43節(口語訳)

自分の事しか考えないような奴が生き残れる訳がない。1+1=2のように単純な話。

一応、イエスの話の引用元も挙げておこう。

「118:21 わたしはあなたに感謝します。あなたがわたしに答えて、わが救となられたことを。
118:22 家造りらの捨てた石は隅のかしら石となった。
118:23 これは主のなされた事でわれらの目には驚くべき事である。」
「詩篇」第118章21節~23節(口語訳)

「118:21わたしはあなたに感謝をささげる
あなたは答え、救いを与えてくださった。
118:22家を建てる者の退けた石が
隅の親石となった。
118:23これは主の御業
わたしたちの目には驚くべきこと。」
「詩篇」第118章21節~23節(新共同訳)

おまけ