『告発のとき』(2007アメリカ)
2008年7月1日(火) 品川プリンスシネマ
『告発のとき』(2007アメリカ)
<IN THE VALLEY OF ELAH>
逆さに吊るされた星条旗はピンチの合図。“助けてくれ!”超大国アメリカが悲鳴を上げている。イラク戦争の若き帰還兵が抱える心の歪み。強固だったはずの親子の絆、仲間の連帯感が綻び始めた現代アメリカの暗部
元軍人で、同じく従軍した息子をイラクへと送り出した父親のもとへ、帰還したはずの息子が失踪したとの一報が入る。父親は息子の軍舎を訪ね、安宿に滞在しながら自ら息子の足取りを追うが・・・。
父親を慕って入隊した息子の秘められた一面が次々と明らかになる過程が残酷。イラクにおける“異常な”日々が、前途洋々だった青年の精神を痛めつけてしまったのか。清潔なヘインズに洗いざらしのホワイトシャツ、折り目のついたグレイパンツにプレーントゥという出で立ちでその息子の影を追うトミー・リー・ジョーンズに哀愁が漂う。
軍部と対立しながらも息子の足跡を追う父親に協力するシングルマザーの女性刑事を、生来の美貌に大人の落ち着きが備わったシャーリーズ・セロンが凛々しく好演。息子の身を案ずる母親に扮したスーザン・サランドンの深い悲しみを湛えた演技が痛ましい。
人と人とが殺しあう戦争という不条理な修羅場で、人の心が脆くも壊されてしまう恐ろしさ。実話に基づいたストーリーがその恐ろしさに目を背けたくなるほどの臨場感を与えている。アメリカを批判し、唯一の超大国を悪者にするのは簡単だ。だが、そんなアメリカが悲鳴を上げ、助けを求めた時、そのSOSに応える勇気も大切ではないだろうか。それができる国は、日本を含めて実は僅かしかない。
『告発のとき』(2007アメリカ)
<IN THE VALLEY OF ELAH>
監督・製作・脚本:ポール・ハギス
出演:トミー・リー・ジョーンズ、シャーリーズ・セロン、スーザン・サランドン
配給:ムービーアイ
上映時間:2時間01分
公式サイト:http://www.kokuhatsu.jp/
品川プリンスシネマ
港区高輪4-10-30
品川プリンスホテル内
アネックスタワー3階
TEL: 03(5421)1113
劇場サイト:http://www.princehotels.co.jp/shinagawa/cinema/
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