『おいしいコーヒーの真実』(2006イギリス=アメリカ)
2008年6月4日(水) アップリンク
『おいしいコーヒーの真実』(2006イギリス=アメリカ)
<BLACK GOLD>
http://www.uplink.co.jp/oishiicoffee/
1杯のコーヒーを買う。その1杯に払った対価は、その後どのように分配されていくのか。その先で、コーヒー農家に行き渡る代価はどれほどなのか。生産者、企業、そして消費者の関係と実態を1杯のコーヒーから学ぶ
映画館の売店で売っているコーヒー。時に観客は映画の友にコーヒーの温もりを求める。また、一歩映画館を出れば、繁華街には数々のコーヒーショップチェーンの看板が溢れている。日本は、アメリカ・ドイツに次いで世界第3位のコーヒー輸入国であるという。また、1杯のコーヒーの売り上げの中でコーヒー農家の受け取り分はわずか1~3パーセントに過ぎないと本作は指摘する。
コーヒーショップ、ファーストフード店、喫茶店、ファミリーレストラン、コンビニエンスストアから駅の自販機に至るまで、街という街のあらゆる所で、消費者は対価を払って1杯のコーヒーを買い求める。しかし、その対極で、コーヒーを生産する側は貧困に喘いでいる。本ドキュメンタリーは、日ごろ意識することのないコーヒー産業の歪んだ実情とフェアトレード普及の急務性を観客=消費者に突きつける。
企業やブランドの刻印が刷られたカップや缶の遥か彼方に存在している貧窮するコーヒー農家の実情。国民の5人に1人がコーヒーで生計を立てているエチオピアでは毎年700万人が緊急食糧援助を受けていて、教育を受けることも、食べることもままならない状況にある。コーヒーがこれほど世界中で親しまれ、普及しているのにその実態はなぜ引き起こされるのか。
本作によればその原因は、国際コーヒー協会の破綻によるコーヒー価格の大幅な落ち込み、貿易の不公正なシステムにある。仮に、アフリカの輸出シェアが1パーセントでも増えれば、年間700億ドルを創出でき、その金額はアフリカ全体が現在受け取っている援助額の5倍に相当するという。必要なのは一過性の援助ではなく、自立を支援するための継続的なプログラムにあると、本作は強く訴える。
生産者と消費者をつなぐ視点として、本作では、エチオピアで74000人以上のコーヒー農家を束ねるオロミア州コーヒー農協連合会の代表、タデッセ・メスケラ氏が、国際市場で公正な取引(フェアトレード)を求めてアメリカやヨーロッパを奔走する姿を追いかける。「中間業者を省きたい」とメスケラ氏は語る。
メスケラ氏が追い求めるこの公正な取引こそ、エチオピアで農民たちが望んでいること。「コーヒーに適正な価格を!」と訴える彼らの姿と、貧困からやせ衰える幼児のか細い体が深く印象に残る。啓蒙精神溢れるドキュメンタリー作品が、一消費者としてコーヒーと向き合う意識を、確実に変えさせる。また、この問題はコーヒーに限ったことではないことも忘れてはならない。
*フェアトレードとは?
発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することを通じ、立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す取り組み。(本作『おいしいコーヒーの真実』チラシより抜粋)
『おいしいコーヒーの真実』(2006イギリス=アメリカ)
<BLACK GOLD>
監督:マーク・フランシス、ニック・フランシス
出演:タデッセ・メスケラ
配給:アップリンク
上映時間:1時間18分
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/oishiicoffee/
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渋谷区宇田川町37-18
トツネビル2F
TEL: 03(6821)6821
劇場サイト:http://www.uplink.co.jp/top.php
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