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『長い長い殺人』(2007日本)

2008年6月3日(火) シネマート六本木

『長い長い殺人』(2007日本)

http://www.wowow.co.jp/dramaw/nagai/


容疑者から人気者へ。限りなく怪しい美男美女が巧みに世論をコントロールする。注目を浴びれば浴びるほど、ふたりの立場は優位に変化し、すれ違う幾人の人生を微妙に狂わせていく。ふたりは本当に潔白なのか?


宮部みゆきのベストセラー・ミステリー小説の映画化。保険金殺人と思われる事件の真相が、個性豊かな登場人物たちが所有する“財布”の視点から描かれる新感覚サスペンス。


東京郊外で発生したひき逃げ事件の被害者は、多額の生命保険に加入していた。被害者の妻と愛人に保険金殺人の容疑がかけられるが、彼らにはアリバイがあり、その最中にさらなる事件が起こってしまう・・・。


財布は、携帯電話と並んで、現代人にとっての一番身近なものとして挙げられるだろう。そんな財布による目撃談は、思いのほかスリリングだ。


持っている財布は人それぞれ。中年刑事長の財布はパンパンの黒い二つ折り。スマートな探偵の財布は小銭入れ型の簡素なもの。小学生の男の子はアディダスのロゴ入りファスナー型で、二十歳のバスガイドは共に上京してきた親友と揃いの財布を大切に使っている。


本作は章立てをすることによって、各章で事件に関わる人物それぞれにスポットをあてる。次から次へと豪華な俳優陣が登場するため、2時間を越える時間も全く飽きさせない。別々に事件を追う刑事と探偵、そして疑惑の渦中にある妻と愛人を中心に描かれる事件の背景に、幾人かの人生が微妙にすれ違う演出の妙が冴える。


盛りだくさんの登場人物ひとりひとりの存在に意味があり、長い長い推理の末に解決の糸口が見えたとき、無関係に見えた人々の背後に隠れていた見えない糸のつながりが浮かび上がる。同時に、ひとつの真実が語られればその背後に複数の事実が置き去りにされていくというような、公共報道が抱える矛盾に気付かされる。


刑事役の長塚京三と探偵役の仲村トオルが、観ていて安心な安定感抜群の演技を披露。一方、妻と愛人に扮した伊藤裕子と谷原章介も、持ち味をうまく活かして、世論をコントロールする役柄に巧みに自身を染め上げている。


『長い長い殺人』(2007日本)

監督:麻生学

原作:宮部みゆき

出演:長塚京三、仲村トオル、谷原章介、平山あや、大森南朋、酒井美紀、窪塚俊介、伊藤裕子、西田尚美

配給:WOWOW=エスピーオー

上映時間:2時間15分

公式サイト:http://www.wowow.co.jp/dramaw/nagai/


シネマート六本木

港区六本木3-8-15

TEL:03(5413)7711

月曜男性\1000

劇場サイト:http://www.cinemart.co.jp/theater/roppongi/


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