『花はどこへいった』
『花はどこへいった』
<AGENT ORANGE -A PERSONAL REQUIEM->
http://www.cine.co.jp/hana-doko/
ベトナム戦争下、米軍が散布した枯葉剤エージェント・オレンジ。散布直後は、「熟したグァバのような」甘い香りがしたという。しかし、枯葉剤に含まれていたダイオキシンの脅威は今もなお、多くの人々を苦しめている
フォト・ジャーナリストであった夫のグレッグ・デイビスさんを肝臓がんで亡くした本作の監督・坂田雅子さんが、夫の死は夫が米軍兵士として送られたベトナムの戦場で浴びた枯葉剤が原因ではないかと友人から示唆され、夫への追悼と枯葉剤への疑問からベトナムを訪問し、当地で見聞きし感じたことが、本ドキュメンタリーの根幹になっている。
副題である「ベトナム戦争のことを知っていますか」という問いかけに対して、本作を鑑賞した今、「知りませんでした」と答えることで精一杯である。正直、ベトナム戦争の渦中、米軍が散布した枯葉剤、特に強烈なダイオキシン(人類がつくり出したもっとも毒性の強い化学物質)を含んでいた「エージェント・オレンジ」による今日も続く被害の深刻さには胸が詰まる。
ベトナムでは、戦後30余年を経た今もなお、ダイオキシンを含んだ枯葉剤が、がんや生まれながらの障害を起こさせ、ベトナムの人々や自然、大地に残した傷跡を傷め続けている現実がある。その現状を知る人たちが、「戦争はまだまだ続いている」と切実に語る姿は苦悩に満ちている。
枯葉剤の影響で、障害をもって生まれてきた少年を優しく介護する家族の映像や、米国の元帰還兵が運営する<フレンドシップ・ヴィレッジ>という施設における障害をもった子供たちの様子をみて、「ベトナム戦争で何があったか」「枯葉剤とは何だったのか」という疑問や関心さえ抱かずにいた自分に気付かされた。
枯葉剤を大量に浴びていたグレッグ・デイビスさんは、坂田監督と結婚した当時、枯葉剤の影響を考え、子供はもたないという選択を監督に告げていたという。枯葉剤は、ベトナムの人々のみならず、何も知らずに作戦に従事した若き米兵たちにも拭い難き悪影響を残したという事実も衝撃的で、この問題の根の深さを思い知らされる。
『花はどこへいった』
製作・監督・撮影・編集:坂田雅子
製作・配給:シグロ
上映時間:1時間11分
公式サイト:http://www.cine.co.jp/hana-doko/
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