『ヤーチャイカ』(2008日本)
2008年6月11日(水) シネマ・アンジェリカ
『ヤーチャイカ』(2008日本)
「ヤーチャイカ、私はかもめ」人と人とのつながりから人と地球、さらには宇宙とのつながりまでを包括的に描く画期的な写真映画。動画の時代にあえて静止した映像で紡ぐストーリーに詩人の想像力が映える芸術作品
恋人の死をきっかけとして東京から移り住んだ村の天文台に勤める新菜(尾野真千子)と都会生活の挫折を経て旅を続ける男・正午(香川照之)とのふれ合いが、静止した映像をつなげて作るフォト・ストーリーとして淡々と語られる。
一風変わった映画の登場だ。何においても動画がもてはやされるこの時代において、監督初挑戦となる作詞家・覚和歌子と現代日本を代表する詩人・谷川俊太郎のペアは、写真映画という新ジャンルで映画の世界に参入を果たした。
芸術作品における絵画や写真と同じように、鑑賞対象は動かない。果てしない宇宙の中にある星・地球に暮らす男女の歩みを追うなかで、人、自然、地球、そして宇宙をも結ぶ見えない糸が浮かび上がるフォト・ストーリーは、覚の詩集「ゼロになるからだ」収録の詩「ヤーチャイカ」をベースとする。
本作における谷川の役割は主にサポート的な部分で、実質的には監督に加えて原作と脚本を兼任する覚のプロジェクトという位置づけだろう。覚は全編にわたって語りも担当していて、この優しさの漂う分かりやすい語りが実にいい。勝手な印象だが、仲間由紀恵の語り口を数倍熟成させたような落ち着きがある。覚が作詞を手がけた新曲を用いたテーマソンングも胸にしみた。
壮大な詩篇を散りばめられた写真が雄弁に語り、こちらの想像力を刺激する。
『ヤーチャイカ』(2008日本)
監督:覚和歌子・谷川俊太郎
出演:香川照之、尾野真千子
配給:アンジェリカ
上映時間:1時間10分
公式サイト:http://yah-chaika.com/
シネマ・アンジェリカ
渋谷区道玄坂1-18-3
フジビル37 B1F
TEL: 03(5459)0581
毎水曜1000均一
毎月曜は2人で2600
劇場サイト:http://www.gojyu.com/
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