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『1978年、冬。』(2007日本=中国)

2008年6月16日(月) ユーロスペース

『1978年、冬。』(2007日本=中国)

<西幹道>

http://www.1978-winter.com/


少年は、きっと忘れない。近くて遠い存在だった兄が、確かにそばにいた、あの1978年の冬の日々を。兄は不良か、英雄か、そのどちらでもないか。他人が貼り付けるレッテルなどとは関係なく、少年にとって、兄は兄


今からちょうど30年前の1978年。日本においては成田国際空港が開港し、真の意味での国際化に弾みがついた。一方中国では、周恩来、毛沢東の死にともなって、10年に及んだ文化大革命の大混乱が終わりを告げた、歴史的な年。


そんな1978年の冬。中国北東部の小さな町、西幹道に住む年の離れた兄弟と、都会の街北京からやってきた踊りが上手な少女の物語。学校と工場しかないような、色彩に乏しい町で、鮮やかな踊りによって異彩の空気を放つシュエンに、18歳の兄スーピンは恋をし、11歳の弟ファントウは憧れを抱く。


中国の一大転換期において、18歳の少年は目標を見失っている。スーピンは、言ってみればダメ男。毎朝弁当を持って家を出るが、工場へ向かうフリをして、自分のお気に入りの空家でラジオ作りに逃避している。家では幼い弟ファントウに大人気のないちょっかいを出して家族を困らせてもいる。


当然のごとく金に困ったスーピンは廃品を換金して日銭を捻り出す。それでも足りず、ついには盗品の換金にまで手を染める。悪事は露見する。そして、周囲に波紋を呼び起こす。だがどうだろう、スーピンが抱える漠然とした不安の根底にあるものは、予備校に行くフリをして街で時間を潰している現代の日本の若者とどれほどの差があるだろう。


スーピン、18歳。彼はある決意のもと、汽車に乗って街を出る。見送りの朝、いつもは厳しい母、いつもは無口な父がしきりに青年に言葉をかける。弟ファントウがその様子をそばで見守る。そして、少女シュエンは発車した汽車を追いかける。


1978年の冬、兄は確かに弟のそばにいた。そして1979年の冬、兄はきっと、弟のそばにはいない。

『1978年、冬。』(2007日本=中国)

<西幹道>

監督・脚本:リー・チーシアン

出演:チャン・トンファン、リー・チエ、シェン・チアニー

配給:ワコー=グアパ・グアポ

上映時間:1時間41分

公式サイト:http://www.1978-winter.com/


ユーロスペース

渋谷区円山町1-5

Q-AXビル3F

TEL: 03(3461)0211

劇場サイト:http://www.eurospace.co.jp/


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