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『シークレット・サンシャイン』(2007韓国)

2008年6月16日(月) シネマート六本木

『シークレット・サンシャイン』(2007韓国)

http://www.cinemart.co.jp/sunshine/


亡き夫の故郷である地方都市・密陽=秘密の太陽(シークレット・サンシャイン)。幼い息子とふたり、再出発を図るシングル・マザーに、秘密の太陽の光は輝くのか?そして、その陽射しは彼女を救うことができるか?


釜山にほど近い韓国の地方都市・密陽(ミリャン)に、一組の親子がやってくる。幼い息子を連れて、ソウルから亡き夫の故郷へと辿り着き、ピアノ教室を開いたシングル・マザーのシネが主人公。車の故障を直してもらったことから知り合いになった気のいい地元の男ジョンチャンとの交流を交えながら、慣れない土地での新生活が始まる。


シネは、自宅兼ピアノ教室の向かいにある薬局の主から、夫を亡くしての再起に際して、神への信仰を勧められる。しかしその後、最愛の息子ジュンの誘拐と殺害というさらなる不幸が彼女を襲う。こんなことがあっていいのか?神がいるのならなぜ何の罪もないジュンの命を奪う?さらに逮捕された犯人は思いもよらぬ人物で、ジョンチャンの心配をよそにシネは取り乱し、信仰の集会に迷い込む。


物語の中盤以降は、“己の敵を愛せよ”という聖書の教えの本質に厳しく迫る宗教色の濃い展開となる。信仰の集会の様子や、同志による徹夜祈祷会、駅前で賛美歌を歌う場面など、信者コミュニティの描写が続き、興味深い。ジョンチャンも教会に顔を出すようになる。だが果たして、苦境にあえぐシネは信仰によって救われるのか、が後半の大きな主題となってくる。


“己の敵を愛せよ”という聖書の教えに従い、犯人を許したいという気持ちにまでシネの精神は安らぎを得るようになる。そして、刑務所にいる犯人に面会をして、直接神の愛と御心を伝えたいというシネ本人の強い希望から、教会の同志の付き添いのもと、ジョンチャンの運転でシネは犯人との面会に出かける。


だがそこでの出来事が、寸でのところで平静を保ってきたシネの精神を完全に破壊してしまう。物語の核心に触れてしまうのでこれ以上は明かせないが、「許したくても許せない」という苦しみに対し信仰がどのような導きを示すか、またシネはそれを受け入れることができるか、物語は信仰に対する高度な考察を試みる。


目に見えないものを信じるか、目に見えるものだけを信じるか、目に見えるものさえ信じないか。秘密の太陽は、ごくごく身近なところで自分を照らし出してくれているということに、シネが気付くか気付かないか、仄かな希望を残しつつ、苦悩の物語は幕を閉じる。最後の最後まで、主演女優チョン・ドヨンの卓越した演技から目が離せない。


『シークレット・サンシャイン』(2007韓国)

監督・製作・脚本:イ・チャンドン

出演:チョン・ドヨン、ソン・ガンホ、チョ・ヨンジン、キム・ヨンジェ、ソン・ジョンヨプ

配給:エスピーオー

上映時間:2時間22分

公式サイト:http://www.cinemart.co.jp/sunshine/


シネマート六本木

港区六本木3-8-15

TEL:03(5413)7711

月曜男性\1000

劇場サイト:http://www.cinemart.co.jp/theater/roppongi/


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