2週続きの土曜マチネ、そして劇場も、前週と同じ
OFF・OFFシアターでしたが、野田慈伸氏が主宰
を務める桃尻犬(ももじりけん)の公演を、2年ぶ
りに観てきました。
(なお、観劇日からだいぶ日時が経過しています
が、お許しくださいませm(_ _)m。)
 
 
 
 

■ 『俺ずっと光ってるボーイ、健之助』

(桃尻犬本公演)

(作・演出 野田慈伸) 

 

【2018年度(2018年4月-2019年3月)の観劇通し番号 No.73】
【2018年度下半期(2018年10月-2019年3月)の観劇通し番号 No.32】
【2019年1月からの暦年の観劇通し番号 No.2】

【鑑賞日時 2019年1月19日14:05-15:34】
【チケット代金(前売)3,000円】
(於 OFF・OFFシアター)

 

【評価】

☆☆☆

*****************************
【評価】<その基準は以下の通りです>

☆☆☆☆☆
=このお芝居を観て3秒後に急死してもわが人生に悔いなし
☆☆☆☆
=「あの作品良かったなぁ~」と、折にふれて反芻したくなる
☆☆☆
=チケット代分くらいは十分楽しませてもらいましたよ
☆☆
=チケット代、半額でいいんじゃねぇ?!

=チケット代と上演時間分の私の人生を返してくれ! ケッ!
*****************************

 

【レビュー】
(1)

最初に、ちょっと長くなりますが、桃尻犬(野田慈伸氏

主宰)が2014年7月に上演した『愛ヲ避ケル』というお

芝居に関して、私がその当時書いたレビューを抜粋し

てみました。

よろしければ、お目通しいただけますか……。

 
************************
(前略)
登場人物はマスターベーションをおっぱじめるわ、
ダッチワイフは持ち出されるわ、ラストシーンでは
全員でやけくそのようになって食べ物をお互いに
ぶつけ合うわ(舞台上はもうドロドロベトベト、出演
者の髪の毛や洋服等もベッチョベチョ……)、ザー
メン(精液)を象徴するローション系液体を頭から
浴びせられる役者もいるわ……等々、まあ、かなり
ハチャメチャ度が高い、オイタが激しいお芝居です。
(中略)
したがって、まあ、観劇中、観劇後に観客が受ける
インプレッションも、笑えると言えば笑える、でも、え
ぐいと言えばえぐい……という辺りが、平均値(笑)
でしょうか。
(中略)
ただ、誤解なきように申し上げておきますが、上述
したことは批判的コメントではなく、むしろ野田ワー
ルドに対する褒め言葉なんですよ!
つまり、舌先にいつまでもえぐい味覚が残り、毒物
ではないけど得体の知れない山菜のような怪しげ
な食感(笑)。
この感覚こそが、野田慈伸ワールド=桃尻犬さん
の真骨頂なんです!
で、もっと言えば(さらに笑)、繊維質豊富な山菜を
食すとお通じが良くなるように(笑)、桃尻犬さんの
お芝居には、ストレスフルな現代人の精神をデトッ
クスする効果があるのでは……というのが、ワタク
シの見解です(^_-)。
ただ、くどくて申し訳ありませんが、味覚も食感も、
なかなかのもの(笑)ですけどね……。
(後略)
************************
<『愛ヲ避ケル』(2014年7月)のレビュー>
より引用。
ちなみに、このお芝居がなぜこんなカオスになったのか
……等々についての詳細は、上記レビューをご参照く
ださいませ。
 
(2)
上記(1)で、私が昔書いたレビューを、なぜ長々と引用した
のかと言いますと……。
端的に言えば、「いやぁ~、桃尻犬=野田さんの作風も、
『愛ヲ避ケル』の頃と比べたら、ずいぶんと穏やかになっ
たねぇ~」ということを対比したいがための、長々とした
引用でございました(^人^)。
 
……ということで、いよいよこのお芝居について書き始め
ますね(^_-)-☆。
 
「幸せになると身体が光ってしまって死ぬ」(上のチラシ画
像も参照してください…)と言い続け、一貫して「何となく生
きていたかった」というスタンスの健之助。
それとは対照的に、はっきりとした結婚願望を有して健之
助に迫ってくる、(健之助の)彼女の桜子。まあ、桜子には
激しい妄想癖もありますが……。
まあ、とにかく、この二人を中心に、彼らを取り巻く”なかな
かの人々”が織り成す騒動譚であり、人情譚であり、そして
そこに、ほんの少しドタバタ的要素を練り込んだお芝居でし
た(^人^)。
ドタバタテイストが「ほんの少し」(笑)なんですから、確かに
昔の桃尻犬とは違うわけで、「観る方(つまり私です…)も、
そろそろ先入観を捨てなければ…」と、まずはお芝居の序
盤で、痛切に感じました。
 
(3)
二人を取り巻く人々をザッと紹介しますと……。
 
健之助が勤めているスーパー関係では、店長夫妻や店長
の妹……等々の人々。
店長の妹(JK=女子高生です…)は、兄である店長を徹底
的に毛嫌いしてますが、これも最終的には、兄妹間の不和
は解消されていきました(^_^)。
 
健之助と桜子の交際三年目記念日という大事な日に、健之
助はフーゾクに遊びに行き、びっくりするくらい無愛想な風俗
嬢(笑)が、その相手を務めます。
で、この風俗嬢も、突然存在が判明した腹違いの弟の養育
を巡って、健之助と桜子との人間関係に絡んできます。
 
風俗嬢を演じたのは徳橋みのりさん(ろりえ)ですが、「無愛想
でぶっきらぼうなもの言いのなかに、不器用な愛情を滲ませる」
という類いの演技が、みのりさんは、実に上手なんですよ(^_^)v。
 
……というわけで、書き出したらきりがないので、この辺にして
おきますが、要するに、こんなテイストで、”ちょっとダークな寅
さん”と言えなくもないお芝居(爆笑!)が、展開していきます。
 
ただ、「幸せになると身体が光ってしまって死ぬ」という健之助
の人生観って、どう解釈すべきでしょうか?!
 
ラストシーンにおいて健之助のボディは光り始め、それでいて
死にませんでしたから(笑)、まあ、「自己のこれまでのモラトリ
アム的人生に対する照れ隠しなのでは…」と、私は解釈させて
いただきましたが(^人^)……。
 
(4)
最後に、もうちょっとだけ余談的コメントを書かせてください。
 
終盤で、(健之助らが勤めていた)スーパーが、何と、イタリア
への社員旅行(!)を挙行する……という展開になりました。
で、「現地の悪党どもによる拉致事件が発生!」といったよう
な筋書きも盛り込まれるのですが、う~ん、さすがにこのエッ
ジの効いた荒唐無稽さ(笑)に、私はちょっとついていけなか
ったです(>_<)。
 
健之助役の横手慎太郎さん(シンクロ少女)は、変なヤツを、
いつものように手堅く(笑)演じていました。
また、桜子役の青山祥子(あおやまさちこ)さんは、初めて
観た俳優さんでしたが、ステキな前髪ぱっつんと、「私の妄
想癖全開よっ!?」的な演技とが絶妙にシンクロしていて、
もし、<初見の女優さんステキ度ランキング>(笑)を急遽
創設したとするならば、「空前絶後の第1位」(!?)とさせ
ていただきます:*:・( ̄∀ ̄)・:*。
 
さらに、イタリア社員旅行という展開には、はっきりと違和
感を覚えていた私も、カラオケで西野カナ嬢の♪ Darling ♪
を青山さんらに歌わせ、間奏時の暗転と上手に連動させ
たエンディングは、実にオシャレだと感じましたо(ж>▽<)y ☆。
もし、<オシャレなエンディングランキング>(笑)を、同じく
急遽創設したとするならば、「空前絶後の第1位」(!?)と
させていただきます:*:・( ̄∀ ̄)・:*。
 
個人的な嗜好を書かせていただきますが、西野カナ嬢の
楽曲では、私は、この♪ Darling ♪ が一番好きです。あ
の「トリセツ」よりも好きです(*^_^*)。
♪ 星の数ほどいる中で ねぇ Darling ♪という部分のメロ
ディラインなんて、最高じゃないですかっо(ж>▽<)y ☆。
【参考】
YouTubeで公開されているPV動画を貼り付けてみま
した。
よろしかったら、♪西野カナ ワールド♪をご堪能くだ
さいませ。

 

 
 
それにしても、あの桃尻犬が、西野カナさんの楽曲を
使ったオシャレエンディングですよっ(^_-)-☆。
 
ああ、長生きして良かった(笑)。。。。。。。。。。。。。
(って、それほどの歳でもないんですが。。。。。。。。)

 

(5)

 
 
 
おそろしく無愛想な風俗嬢であるフニ役を演じた、
徳橋みのりさん(ろりえ)です。
 
フニ役をうま~く演じたことについては、上述(3)で
既にふれました。
最近は映画等の映像分野での活躍が目立ってい
ますが、舞台にも出演し続けてほしいと、心から
願って、面会を終えました。
 
徳橋さんの(いつもながらの)面会時のご丁寧な対
応に、心から感謝申し上げます(^o^)。
 
 
【参考】
[桃尻犬の過去の公演に関する記事]
<『乳首鎹(ちちくびかすがい)』(2012年1月)のレビュー>
<『秋の霧、龍にまみれ、居心地がよく』(2012年9月)のレビュー>
< 『キャンベラに哭く』 (2013年6月)のレビュー>
(ただし単独レビューではない短評です。)
<『愛ヲ避ケル』(2014年7月)のレビュー>
<『メロン農家の罠』(2017年1月)のレビュー>
(ただし単独レビューではない短評です。)
 
[徳橋みのりさんの最近の出演舞台に関する記事]
<『ミセスダイヤモンド』(2018年12月)のレビュー>
 
 
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