届いた絵葉書にはどこかで聞いたストーリーが書いてあった。






それは私が今朝の夢の話。


外出から帰宅した部屋の机の上には


私の大好きなケーキがたくさん!


全部食べていいの?うへへ…喜ぶ私、しかし食べようとすると夢は覚めるのだ。




自分の笑い声で目が覚めた。


あのケーキは確かにおいしそうでしたね、丸。と書いてある、食べていないのもわかるのか?


差出人はもちろん、私の名前で。




次の日も、絵葉書には私の様子が書かれていた。


晩御飯に7時のセールまで雑誌を読みながら時間を潰し、


お目当ての惣菜を安くで購入できて、よかったねと書いてあった。




これ、見ていたとしたら、このコロッケの次元はどこなんだろう、


と絵葉書とコロッケを交互に見ながら野菜サラダを口に運ぶ。




バイトが休みだった次の日、ためしに友達の家に泊まってみた。


支度をして、かばんに下着とシャンプーをつめ、


友人と落ち合い居酒屋ではがきの話で散々盛り上がり、


まさかね~今日ははがききてなかったからね、と締めくくった後、


先に風呂を譲ってくれた友人に感謝し、


持ってきた荷物をあけるとそこに絵葉書が入っていた。




「お風呂でコンディショナー、流し忘れないで」


差出人はもちろん、私の名前で。
















季節の変わり目はいつも戸惑ってしまう。

乗り切れなくて、憂鬱になる。
変わってゆく彼のたのもしい背中が眩しくも嫉妬してしまう。

僕は毎日を新しくしてゆくつもりだけど、 君はどう?












いつも思い出すのは具体的な映像ではなく、


においに伴った季節や時間のこと。




まさに、雨が降り出しそうな不穏な雰囲気と


雨が降りだしてぬれたアスファルトの不安なにおい。




雨上がりの済んだ空気と湿り気の残る冷たい風。




夕暮れが落ちきる前の泣き出しそうな感情の塊のような空。


綺麗な夕焼けは、太陽が沈むというエネルギーを覆うためのもの、


地球が傾き色をかえるという事の重さ、変化、力、エネルギーの輸送。




むせるような暑さの中、どんどん悪くなる体調と裏腹に


キンキンに冷えていく部屋の温度。




伝わってほしくない醜い感情をすぐ感知してしまう安物の心の電波。






悪い予感のままの一日。




そうした小石に気をとられてばかりで、そんな


小石も集めていれば、ステキな家が建ててるかもしれないな、








大きな寸胴鍋のなか、さまざまな感情がぐるぐるかき回されていく。


流れに乗って私は思う。






『たまねぎの入った味噌汁が飲みたい。』