いつも思い出すのは具体的な映像ではなく、
においに伴った季節や時間のこと。
まさに、雨が降り出しそうな不穏な雰囲気と
雨が降りだしてぬれたアスファルトの不安なにおい。
雨上がりの済んだ空気と湿り気の残る冷たい風。
夕暮れが落ちきる前の泣き出しそうな感情の塊のような空。
綺麗な夕焼けは、太陽が沈むというエネルギーを覆うためのもの、
地球が傾き色をかえるという事の重さ、変化、力、エネルギーの輸送。
むせるような暑さの中、どんどん悪くなる体調と裏腹に
キンキンに冷えていく部屋の温度。
伝わってほしくない醜い感情をすぐ感知してしまう安物の心の電波。
悪い予感のままの一日。
そうした小石に気をとられてばかりで、そんな
小石も集めていれば、ステキな家が建ててるかもしれないな、
大きな寸胴鍋のなか、さまざまな感情がぐるぐるかき回されていく。
流れに乗って私は思う。
『たまねぎの入った味噌汁が飲みたい。』