赤いワンピースを着て、告白の現場を目指す。

時間にはまだ余裕があったので、
気をまぎらわす為に今日の宿題の事を考えだした。


ちょっともしないうちに何がなんだか、自分が言おうと思っていた言葉と暗記中の俳句とが混乱してきて余計にドキドキし始めた。



あぁもうどうしようと思いながらもにやついてきてしまう。
さあて本当につぎがその人ならいいのに、と願った時に角を曲がって現れた。


その時の音楽がこれだったんだ!

気が付いてまたニヤリにやけてしまった。
15夜と 言うだけはあって 月が艶かしく照らされている。

月は可愛いと言うより恐ろしい。 宇宙のファムファタールか。 いや、それをいうなら太陽かも知れぬ。

地球から見る惑星はまだ優しいが、宇宙空間という視点で見ればどれも無機質で怖い。

強い力で吸い込む黒い宇宙は光が届かない場所もある。

地球で見る月は美しく妖艶であるが、宇宙を意識してみると恐怖が先に来てしまう。なんか怖い。



私だけだろうか?
楽譜通りにさらっていくと、落とし穴があった。
譜読みが不味く、リズムも掴めなかった。
そんな事でいささか不安な本番だったが、なんとかうまくいった。会場の外に出ると、風がほほを撫でた。


まだ周囲には音符が飛び、職員が回収作業に勤しんでいた。


帰る人はみな笑顔で、今日の嫌な事全部忘れたみいにみえた。



帰りに私は置き去りの音符を踏んで、飛び出たP音に吹き出してしまった。


もう、だれだよ。
と言いながらも何だかいい気分だった。