しばらくして道路に少しの幅を見つけ、二人は安心して道をつける。

緩やかなブレーキが心地よい。
私ではそうはいかないと思っていた顔が怒っているみたいだと、後に聞く。


空は頭上高くに雲を薄く塗る。風は冷たく耳を掠める音はGといったところか。


二人同時に車を出て、前へ並ぶ。

下にはすぐに白波が立っている。砂浜がなく、まわりを見渡すがやはりない。
ふと目があう顔につられて笑う。



かき消すようにロシアに視線を移す。


罠にはかからない自信があったのに。





風の音はたまに揺れるなぁ、と思ってもやっぱり動揺はかくせなかった。
季節に時間の経過を感じる。


窓から流れ込む風は、8月にも関わらずひんやりしていて秋を感じる。北と言う方角を肌で知る。景色は相変わらずの海岸で、海を左手に静かに車はひた走る。

私は会話の糸口を探って、運転手が少し視界に入る当たりに体を移動しロシアがある方角を意識してわざと海を見る。海の向こうにはロシア。海から流れてくる空気は山からとはまた異なる。そして日本の東と西ではまた異なる。




「私たち空の青と海の青、どちらを移した青を見てる?」
美しさは比較の中にはない。美しさはたくさんあるけれど、美しいものはそんなにない。

例えば割れたビー玉のクリステル。
地球に似た、緑と青の境目に私は近づく事ができる。



他人に向かう欲は自分に向かうそれよりも美しさを持っているって、どうして伝わらないかな?