モンゴルのだだっ広い草原で、青空が視界の90%を占めるその土地で、


ゆっくり散歩がしたい。 ずっと歩いていたい。砂漠を遠くにみたい。




広い青空と冷たい風と、わからない言葉の中に居たら




この生活も愛せるかなぁ。




砂漠に着いたら私は、まず砂の冷たさに絶望するのだろう。

そしてらくだの座り心地の悪さに辟易するだろう。



でもきっと、とっても感動するだろう。




私に似た顔の遊牧民の少女が居て、私はきっと嬉しくなるのだろう。
林檎の皮と安い首飾りをバスケットに入れる。

林を切り開くナイフと日除けの傘、それにシートにブランケット。



お弁当を食べる野原の名前はアオバ。
もし迷ったらばそこで落ち合おう。

あと、フリスビーを忘れないように!
白い浅いめのプレートに、黄色い影を付けてバターが滑りゆく。


じわりじわり

角を取るように
液化してゆく。


『誰かこの進行に心当たりは御座いませんか?』

『あなたが進行を阻止する暖かさをお持ちですか?』


『あなたが進行を留まらせる冷たさをお持ちですか?』




白いプレートには最早、黄色い四角だった柔らかい島が浮かんでいるだけだ。

どんどん形を変えていく。もう隣のまぁるい油よりも小さくなっている。


気が付けば人だかりができて居て、私は周囲に覗き込まれているではないか。





黄色い水面に溶けていく中、私はデジャブであると確信をもち、
静かに目を閉じて黄色になろうとした。


液体になって、
空気に触れて、


そうするしかなかった。


ギャラリーが私を写真に写して楽しんでいる。
私の名前らしきを発声している空気が伝わったその時、
絶望と共に過去が思い出せなくなっていた。




溶けた黄色の中で。