楽譜通りにさらっていくと、落とし穴があった。
譜読みが不味く、リズムも掴めなかった。
そんな事でいささか不安な本番だったが、なんとかうまくいった。会場の外に出ると、風がほほを撫でた。


まだ周囲には音符が飛び、職員が回収作業に勤しんでいた。


帰る人はみな笑顔で、今日の嫌な事全部忘れたみいにみえた。



帰りに私は置き去りの音符を踏んで、飛び出たP音に吹き出してしまった。


もう、だれだよ。
と言いながらも何だかいい気分だった。