「悪いことはいわねがら、あすこん島さいぐんでねぇ」

これを聞き、彼女は何を思ったのか。


おもむろに腕を振り上げ、頭上で定期的に左右に腕をブンブン振り始めた。
振り子がそうするように、中心から、均等な距離で。

口は小さく何かを唱え、両膝は同じ方向を向いて少し曲がったまま。




動きが止まったと思ったのも、つかの間。

その後同じ動きを、その他方角へ投げかけてゆく、

むしろ各種の神様へお収めするように


ただ周囲は圧倒されてしまった。しかし彼女の動きを、体を止めてジッと見られる訳もなく。周囲の空気は違和感としてぽっかり穴が空いてしまった。

「気に入らねば気に入らないで好ぎしたらええ。
せやけどな何が何でも」

「…帰って来にゃならんぜよ」


そういって、おばあは部屋に入ってしまった。

襖の影がゆらゆら揺れる。彼女は依然踊り続けている。


一定の速さと軽さを増して。








恐る恐る開けた箱からは


 


 聞いたことの無い色と




 見たことの無い音が飛び出してきた




 あまりに綺麗で驚いた


 思わず掴もうと手を伸ばしたら


 


 体ごと崖からほうりだされてしまった




 


 ほっほう


 人生がけっぷちとはこのことか




 なんて 遠のく空を眺めながら妙に関心したりして




 地面に叩きつけられて


 腰の砕ける音を想像していよいよ怖くなって




 手足を振り回したら木に引っかかって 


 巣にいた鳥たちが


 驚いて飛び上がった




 しかし私は止まる事無く 美しい森を抜けて地面を突き抜けてブラジルの繁華街で


 騒ぐ日系人にアロー!といい




 ついに地球を通り抜けてしまった








 ああ、しまった


 こうなるならだいすきな海老シュウマイをたらふく食べたら良かった


 






 そんなことしか思いつかなくて


 私は涙を流して大笑いした






 地球は青白く 宇宙は月の光の筋が届くところだけ明るかった








 それだけ


 でもそれ以上に私は一人だった




















 



この列車の目指す方向は、いつも重たい雲が天を占めている。
どんなに出発するところの天気が良かろうと、道すがらは雲り及び雨だ。


それはそうと、捨てられる物をすべて捨てて。
それでも手に残るものはなんだ?
自分を震わせるものはなんだ?


過去の幸せだった記憶か?
辛い思いを克服した無言の経験か?
それとも明日に賭ける膨大な希望か?




どれもきっと違う。そしてどれか欠けてはダメだ。




しなやかで軽やかでそれでいて深くて、何があっても広い太陽みたいな顔して笑える強い心だ。




まずは何が必要かをじっくり思い描く事かな。




あ、列車が止まった。