【レポート】燃えこれ学園定期公演「なぁな最後のわがまま公演」(初台DOORS) | ヒトデ大石のなんとなくレポート置場

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2011年8月「ヒトデ大石のどんなブログにしようか検討中。」からタイトル変更。
ライブイベント、舞台観劇のレポートを中心に書いていこうというブログ。
以前はmixiが主戦場だったけど、今はこっちが主戦場(笑)

人生において、どんな物事にも必ず「最後」は訪れる。
それは当人が望む、望まないに関わらず。
 
アイドルの世界において「卒業」「引退」などで表現される事が多い「最後」の時間。
 
その「最後」が幸せなものであるか、そうでないかは……その当人がいかに自分自身の活動に向き合ったかによると思う。
 
2023年7月31日
 
グループアイドル「燃えこれ学園」に1期生として、9年3ヶ月もの長きに渡り所属していた當銘菜々。
 
この日、彼女はアイドル人生「最後」のステージに向かう。
 
この半月前に「生誕&卒業公演」と銘打ったライブを敢行。

(この「生誕&卒業公演」のレポートは↓)

 

 


この時、会場だった新宿・ALTA KeyStudioには非常に多くの人が詰めかけ、そしてその「卒業」を惜しまれた。
仮にこの日の公演が當銘菜々の「最後」だったとしても、當銘菜々のアイドル人生は十二分に幸せなものだった……と誰もが思うだろう。
 
しかし彼女はここを「最後」としなかった。
 
「卒業公演」を打った後も、彼女は燃えこれ学園の一員として在籍し、残り少ない活動を全力で駆け抜けた。
一つ、また一つ……彼女のアイドルとしての活動が終わっていく……。
 
そして彼女が「最後」の会場として選んだのは……初台DOORS。
キャパは新宿・ALTA KeyStudioに及ばない。
観客動員は彼女のニックネーム「なぁな」にかけて77人。
 
それでも燃えこれ学園にとって、コロナ禍前はホームとも言えるこの地で、當銘菜々はアイドルとしての人生を終える決断をした。
 
……そしてそれは、當銘菜々史上、もっとも彼女の「わがまま」を通したものだった……。
 
燃えこれ学園定期公演「なぁな最後のわがまま公演」の様子をレポートします。
 
●開演前
 
私事になりますが、一部客層で某ラーメン屋に集う。
平日の夕方に自分を含めて8人。
全員が何らかの形で仕事の休暇を入れるなりしていた。
 
他愛もない話の中に、この後のライブに向けての心の準備みたいなのを整えていたと、今更ながら思う。
 
やがて開場時間が近づき、会場へ向かう。
 
そこには入場を待つ多くの客層が既にいた。
自分と同様に仕事を休めた者、もしくは早めに切り上げた者が中心だろう。
 
会場入口横に鎮座するフラワースタンドの横を通り過ぎて会場内へ。


既に前方のCチケットと、後方のBチケット(及び観覧のみチケット)で大まかに区切られていたが、昨今の初台DOORSの定期公演ではないくらい前方のスペースがステージに近かった。
 
いや……コロナ禍前の定期公演の頃に戻ったという表現の方が正確だろうか。
コロナ禍前の定期公演……と言えば、他にも忘れてはいけないものがあった。
 
開場してそこそこの時間が経った後で、思い思いの私服に身を包んだ當銘菜々をはじめとするメンバーが勢ぞろい。
このまま「私服前物販」が開始となった。
 
これこそコロナ禍前の2019年度の定期公演では定番だった「私服前物販」
時々「それは私服?」という服を着て臨むメンバーもいたが(笑)普段、制服姿がスタンダードな燃えこれ学園において、制服以外の姿が拝見できる数少ない機会でもあり好評だった。
 
昨今「購買部」(燃えこれ学園通販サイト)では毎回テーマを決めたチェキや、私服のチェキが注文出来る。
しかしやはり当人たちを目の前にして、ツーショットチェキを撮れる機会も含め、燃えこれ学園における「前物販」といえばこれである。
 
當銘菜々が設定した「サマーガール」というテーマに沿ったメンバーたちを前に、多くの客層が胸がときめいた事に違いない。
 
こうして本編の前にも関わらず盛況を迎えた「私服前物販」も定刻となり終了。
燃えこれ学園のメンバーたちは一旦、楽屋に戻り、この後のライブに備える。
 
「私服前物販」に間に合わなかった客層もこの頃にはほとんどが入場を済ませ、会場は開演前から既にいっぱいとなる。
そして会場の客層の多く……大よそ7~8割は當銘菜々の担当カラーである緑のTシャツ(背中の彼女のキャラとサイン等が入った、所謂「推しT」)に着替えていた事は印象的な光景だった。
 
やがてステージの袖から聞こえてくる、燃えこれ学園メンバーの円陣の掛け声!
呼応するようにこだまする場内からの歓声と拍手!
ステージ背後の壁面に映し出される、定期公演恒例の諸注意のアニメーションのVTR……!
 
諸注意を終え、この日は通常の定期公演同様、場内にチャイムが鳴り響く。
OPSEがかかり、会場内のボルテージは一気に上がる!
 
そしてステージの上に燃えこれ学園……10人のメンバーがステージの上に立つ!
 
ここに……當銘菜々、アイドル人生「最後」のステージが幕を開ける!
 
●本編
 
ステージの上に立った10人のメンバーは……私服姿で登場!
 
コロナ禍前からのファンには懐かしく、またそれ以降のファンには斬新に映っただろう。
前述のようにコロナ禍前の定期公演では、開演直後に燃えこれ学園メンバーが私服でステージをこなすのが通常だった。
 
今回、當銘菜々は最後の「わがまま」と称して、コロナ禍前の定期公演の流れを忠実に再現したのだろう。
 
1曲目「ミラクる☆妄想がーる」からスタート。
歌い出しはこの日の主役、當銘菜々。
会場は冒頭から「にやにやしちゃうよ、なぁな!」のコールで沸く。
その後も次々とソロパートを担当するメンバーのコール、そしてクラップが会場を揺るがす。
この楽曲中盤でお馴染み、熊野はるへの拍手を経て、あっという間に1曲目を終える。
 
そのままの流れで2曲目「夏恋♡Love」
まさに夏の楽曲と言ってふさわしく、この日の私服テーマ「サマーガール」のイメージにもぴったりである。
熊野はるを除く生徒メンバー9人がステージの上を所狭しと駆け巡り、元気いっぱい歌い踊る姿は、まさに夏の楽しい記憶の1ページをたどる様だった。
 
こうして2曲連続で終えたタイミングで、いつものピンクジャケットの「新任教師」スタイルで熊野はるが登場。
私服姿のメンバーと共にクラスごとに自己紹介を進める。
 
このクラスごとの自己紹介……この編成では、今回が最後になる。
當銘菜々卒業はもちろんあるが、既に8月15日開催予定の定期公演での新体制発表が予告されており、現在のクラス編成が変わる事はほぼ間違いない。
 
生徒会……熊野はる、當銘菜々、佐々木千咲子
ClassWhite……三浦千鶴、蒼音舞、高未悠加、山田みつき
ClassYellow……仲川つむぎ、成田麻穂、稲森のあ
 
當銘菜々が一番大きな歓声を浴びたが、他のメンバーもそれぞれ歓声を浴びていた。
そしてこの10人での、この順番での自己紹介の流れに、メンバーや客層は思いを馳せた事だろう。
 
自己紹介も終え、ここからは「つうしんぼユニット」コーナーとなる。
この「つうしんぼユニット」は、毎月、燃えこれ学園が行っている「つうしんぼランキング」などの結果を元に選抜メンバーを組んで披露する特別ユニットとなる。
(ここでは各種選抜ユニットの詳細は割愛するので、分からない方で興味がある方は別途検索願います)
 
前年度の定期公演(ライブ配信)からの話だが、大体二ヶ月に一度に「つうしんぼユニット」スペシャルが組まれる事が多かった。
しかし今年度に入り「つうしんぼユニット」の定期公演は組まれていなかった。
更に當銘菜々は4~6月度において多くのランキングにランクインしている。

このまま卒業となると「つうしんぼユニット」でステージに立つ機会が無くなる。
 
……という事で、ここで今年度4~6月度の當銘菜々がランクインした選抜ユニットのステージが一気に行われる事となった。
 
なおこのコーナーから出演するメンバーは、いつのの制服姿に着替えている。
またカッコ内の出演メンバー名は、基本的に左から高い順位に記載する。
 
・4月度つうしんぼ選抜(當銘、成田、仲川、熊野、高未)
「again」
仲川つむぎの歌い出しが印象的な一曲。
この時ばかりは、冒頭で「愛して止まない、つむぎ!」のコールが口火となり、会場のボルテールが上がり、大いに盛り上がった。
 
・4月度フォトガチャ選抜(仲川、成田、稲森、當銘、熊野、三浦)
「明日へ」
現在は三浦千鶴が本来の歌い出しだが、この部門で1位を獲得した仲川つむぎの歌い出しという構成となった。
なお同率5位で熊野、三浦が並んでいるため、ここだけ6人編成。
 
・4月度トークポート選抜(成田、當銘、仲川、山田、高未)
「風と君と虹と僕」
トークポートで無類を強さを誇る成田麻穂。自身が歌い出しの「風と君と虹と僕」をここで選曲。
会場全体がサビの箇所で、タオルをグルグル回して、大きな、大きなタオルの渦が出来た。
 
・5月度つうしんぼ選抜(佐々木、三浦、當銘、成田、熊野)
「時の砂」
燃えこれ学園の「歌姫」と称される佐々木千咲子の歌い出しで始まる、燃えこれ学園内でも屈指の人気曲。
純粋に歌唱力で魅せる楽曲となっており、メンバー個々の歌声が力強く、会場に響いた。
 
・5月度トークポート選抜(成田、當銘、山田、三浦、佐々木)
「sweet darlin」
元は熊野はるソロ楽曲。「時の砂」とは対照的なかわいらしい歌詞と振付が目を引く同曲。
選抜されたメンバーも特にその点を意識して、アピールをしていたようで、とてもかわいらしく仕上がった。
 
・6月度つうしんぼ選抜(當銘、稲森、蒼音、成田、仲川)
「オルゴール」
稲森のあ歌い出し、蒼音舞のハモリという燃えこれ学園の中でも特徴的な要素が詰め込まれた同曲。
この二人が同時にランクインした事から実現した選曲と言って過言ではない。本来、クリスマスソングだが、燃えこれ学園的には真夏でも関係ない(笑)
 
・6月度フォトガチャ選抜(仲川、當銘、稲森、蒼音、成田)
「タイムレシーバー」
6月度つうしんぼ選抜と全く同じメンバー構成。歌い出しはこの部門1位の仲川つむぎが担当。
モールス信号で始まる前奏、「届いて」という歌詞のロングトーンが非常に印象的。確かにその想い「届いた」(……と思う)
 
・6月度トークポート選抜(當銘、成田、仲川、蒼音、熊野)
「Shiny Dream」
「つうしんぼランキング」全般見ても珍しい同率1位が実現し、當銘菜々、成田麻穂によるダブルセンターで構成。
冒頭の1コーラスを二人で分け合い歌い出しに。「なぁなり~」コンビを中心に、青春の1ページを駆け抜けるように歌いきった。
 
・4月、6月度つうしんぼ1位(當銘)
「虹色☆Dreamer」
「つうしんぼランキング」で1位を獲ると、ソロ曲を歌える。
本来、4月、6月度の1位なので2曲分なのだが(當銘菜々はソロ曲が2曲存在する)當銘菜々はここでは「虹色☆Dreamer」のみを選曲。
なお当日はこの日のために、特別な口上をなないろふぁみりぃ(當銘菜々ファンの総称)を中心に用意していた。
前奏、間奏(2ヶ所)、後奏……全部で4か所、非常にロングな口上となった。
だがそれだけ長い口上になるくらい、なないろふぁみりぃ、そしてその場にいた広報委員(燃えこれ学園ファンの総称)や客層たちは當銘菜々に対して、ありったけの想いを伝えたかった……。
そう考えると、これでももしかしたら短いくらいなのかも知れない。
當銘菜々も間奏部分で会場から聞こえてくる、口上を噛みしめるように聴き入っていた。
(なお配信ではこの時、会場内の口上が聞こえやすいように客層の声を拾っている)
緑一色に染まった会場を見渡しながら、當銘菜々は口上に声援に全力に応えるように歌い、そしてステージの上で躍動を続けた。
 
こうして会場全体から溢れる「あ・り・が・と・う!」のコールと共に、満面の笑顔で當銘菜々は「虹色☆Dreamer」を歌いきった。
 
……以上「つうしんぼユニット」コーナー。
全9曲、ノンストップ(笑)
良く考えたら、當銘菜々は自身の生誕祭でノンストップを続ける「鬼セトリ」を作るのが大好きだったのを思い出した(笑)
しかしこの一気に駆け抜けるような「つうしんぼユニット」コーナーの爽快感は、9曲連続の疲れを忘れさせるようなものだった。
 
ここで熊野はるが主導のMCコーナー「本物のなぁなは誰だ!?選手権」開催!
なぁなこと當銘菜々の(自称)そっくりさん5人+飛び入りの當銘菜々本人(笑)がそっくりさんっぷりを競うというコーナー(笑)
ちなみに正体はエントリー順に山田みつき、高未悠加、稲森のあ、蒼音舞、三浦千鶴、そしてブレザーを着用した當銘菜々(笑)
詳細は省くか、色々とツッコミどころ満載のやり取りを重ねた結果……優勝は稲森のあ!(笑)
 
まさかの本人が敗れる展開(笑)
 
しかしこの稲森のあの當銘菜々メイクが非常に良く出来ていたのは事実なので、自分が撮影した後物販のチェキを見て納得してもらいたい。↓


なおこの時の當銘菜々はブレザー姿に網タイツ……コロナ禍前からの広報委員はどこかで見覚えが……。
 
……という事で、続いて歌ったのは「Melodious Revolution」
この楽曲は2019年度に活動していた選抜ユニット「燃えこれ学園 特進組-Quintett-」の楽曲(後、燃えこれ学園の楽曲として再編)
(この時のメンバー選出については、2019年1~3月度に行われた選抜総選挙の結果が準拠している)
メンバーは成田麻穂、當銘菜々、佐々木千咲子、仲川つむぎ、既に卒業した奥原澄香の5人。
この日は奥原澄香のポジションに熊野はるが入る事で「燃えこれ学園 特進組-Quintett-」再結成(再現)となった。
當銘菜々以外の生徒メンバー(成田、佐々木、仲川)もブレザー姿で登場。
ステージの壁面に映る「Melodious Revolution」のMVの再現のように5人はクールに、そして熱く歌いきった。
 
ステージが暗転して當銘ら5人が去った後、明転と共に明るくジャジーなBGMと共に登場したのは……。
先程の「本物のなぁなは誰だ!?選手権」にエントリーした5人(笑)
蒼音舞、三浦千鶴、稲森のあ、高未悠加、山田みつきが自身の推しTと「MOECORE GAKUEN」のガラの入ったスカート姿で登場。
軽快なリズムに乗って「ぱすてるサマータイム」を、明るく歌い出す。
なお5人のうち(2019年時点では入学前の)山田を除く4人は、2019年度は「燃えこれ学園 追進組-Emotion-」として活動。
「特進組」に続いて「追進組」が揃った事に懐かしさを感じたりした。
先程の「Melodious Revolution」から一転して、非常に明るくカラフルにステージが彩られる様は見ていて、気持ちが明るくなった。
楽曲の2番からは「Melodious Revolution」を歌い終えたメンバーたちが着替えて合流。
最終的に熊野はる以外の9人が揃い、ステージの上にはまるで9色の花が咲いたような華やかさで締められた。
 
「ぱすてるサマータイム」後に熊野はるも赤い推しTにスカート姿で登場し、MCに移る。
配信のコメントを読み上げたり、MV撮影の裏話などが展開される。
そしてMCの後、當銘菜々の口から「スペシャルコラボステージ」という言葉が発せられる。
 
當銘菜々以外のメンバーがステージの袖に掃けた後、呼び出されたのは……図師たまみ。
燃えこれ学園が所属する事務所・Moving Expressの先輩シンガーである。
過去にMoving Express主催イベントでの共演や、燃えこれ学園の定期公演においては物販などで手伝いを行ったり、交流が深い人物である。
そんな図師たまみと當銘菜々のデュエットが実現!
図師たまみのオリジナル曲「手にしたい光」を二人で熱唱する。
當銘菜々がデュエットしたかったという事で、実現したコラボ。
燃えこれ学園とは違う優しい曲調の中、思い切り気持ちよさそうに二人は歌いきった。
憧れの先輩とのデュエットを歌い終え、ステージを去る図師たまみを見送る當銘菜々の表情はとても晴れやかに見えた。
 
その後、再びメンバーを呼び出し、全員で「すき!すき!好き!!」を歌う。
燃えこれ学園にとって初のオリジナル楽曲。
先日の「生誕&卒業公演」では、一番最後に歌われた一曲でもあり、代表曲の一曲と言って過言ではない。
そしてこの楽曲も中盤に差し掛かった時の事……ここでもスペシャルコラボ発生!
黒い燃えこれ学園Tシャツに、緑のズボンで登場したのは「美沙先生」こと前田美沙。
普段はダンスインストラクター、ミュージカルを中心に舞台俳優と活躍。そして燃えこれ学園の振付を担当、ダンス指導も行っている。
そんな彼女とステージ中央でコラボダンスを見せる當銘菜々。
二人の華麗なダンスに客層の目は釘付け!間奏が終わる間際には、當銘菜々と熱い抱擁を交わした。
そして終盤はそのまま燃えこれ学園と前田美沙、11人によるステージに!
最後はいつも通り広報委員による口上が後奏と共に会場に響き渡り、また一つ特別なステージは終了した。
 
「すき!すき!好き!!」の後、當銘、熊野以外のメンバーがステージ袖に掃ける。
熊野が感動して感極まりMCを進行するが、その間、ステージ上手側では椅子と譜面台……そしてアコースティックギターが設置される。
そのアコースティックギターを手に取ったのは……燃えこれ学園の音楽教師でお馴染み、フジマエンジェル。
燃えこれ学園のこれまでのオリジナル楽曲の全ての作曲、編曲を担当し、定期公演ではミキサーも担当。
当日もPAブースにてミキサーとしてライブの音響を一手に引き受けていた彼だが、この時はステージに登壇。
そして當銘菜々のソロ曲「なないろスマイル」のアコースティックver.を披露!
當銘菜々の明るい歌声はそのままに、フジマエンジェルのギター演奏でまたカラオケ音源とは違う味わいとなった。
楽曲を終え、観客の大歓声に手を合わせ感謝しフジマエンジェルはステージから去り、再び彼の指定席であるPAブースに戻っていった。
 
こうして図師たまみ、前田美沙、フジマエンジェルと燃えこれ学園の裏方として支えてくれた方たちとのステージは終了。
長い間、お世話になった方たちとのステージを終え、當銘菜々も感慨も一入の様子。
熊野とのMCでは「なないろスマイル」のリハーサルでは泣いて歌えなかった裏話が披露されたりした中……衝撃の発表がされる。
 
「まだ中盤戦です」(熊野はる談)
 
大いに沸く観客!その盛り上がりのまま、次のコーナー「ソロ曲コラボメドレー」に移る!
 
・片想いキャンディー♡(花岡香奈)
最初に歌ったのは2018年12月に卒業した3期生・花岡香奈のソロ曲「片想いキャンディー♡」
とても明るくかわいらしい楽曲を、稲森、高未、山田の7期生以降の後輩メンバーと共に歌う。
楽曲の雰囲気と當銘及び後輩メンバーのかわいらしさが、とても合っていた。
 
・涙をふいて(瀧本麗)
続いて2019年3月卒業した1期生・瀧本麗のソロ曲「涙をふいて」
この時共に歌ったのは蒼音、仲川、三浦……実はこの三人、瀧本麗卒業時の(彼女が委員長を務めた)「ClassYellow」のメンバー。
優しいバラード調の楽曲を歌いきった。縁が深いメンバーが自身のソロ曲歌った事、瀧本麗は嬉しかったのではないだろうか……。
 
・ヒカリ(奥原澄香)
2022年3月卒業、2期生・奥原澄香のソロ曲「ヒカリ」
メンバーソロ曲の中でも屈指のバラードを熊野、佐々木、成田と共に歌う。
當銘と同じ横浜出身で特に仲が良かった奥原澄香。特に大切に歌っていると感じたのは、きっと自分だけじゃないだろう……。
 
既に卒業した3人のメンバーのソロ曲。
当日も最前列の柵には、この3人の推しTも飾られていた。
当時、彼女たちのファンだった広報委員にとっても、特別な時間だった事は間違いないだろう……。
 
ここから先は現所属メンバーのソロ曲コラボに移行する。
 
・Vampire distress(山田みつき)
9期生・山田みつきの激しいロック調の「厨二病」的ソロ曲。
序盤のラップ調の独白から始まる、全体的に低音で力強い曲調となっている。
普段のポンコツキャラ・山田みつきとは違った陰鬱な一面を、當銘菜々が上手く再現していた。
 
・みらくる☆まじかる☆わんだーらんど(高未悠加)
8期生・高未悠加のソロ曲。「厨二病」的なだけでなく、楽曲のテンポが独特で転調が多いのも特徴。
當銘菜々も歌い出す場所を間違えるミスをしているが、全体的に難しい楽曲を歌いこなした。
魔法のステッキを持つ二人がステージの上で駆け巡る後奏の一幕は、微笑ましいものがあった。
 
・myself(稲森のあ)
7期生・稲森のあのソロ曲。燃えこれ学園楽曲の王道を地で行く、明るく前向きな曲調、歌詞が特徴的。
なおこの時の稲森は先程の「本物のなぁなは誰だ!?選手権」でのウィッグ、メイクをして登場。
まるで色違いの當銘菜々が二人、ステージの上で歌っているのを錯覚するようなくらい明るく、元気なステージだった。
 
・Yell(三浦千鶴)
5期生・三浦千鶴のソロ曲。この時期ならではの青春を彷彿させる楽曲。
この楽曲、そして(元チアリーダーの)三浦千鶴のイメージに沿う形でポンポンを當銘と二人で持ちながら歌う姿が印象的。
サビの部分からこらえきれなくなり涙ながらに歌う三浦に、寄り添う形で歌う當銘。最後に「これからも頑張ってね」と當銘からの「エール」を三浦が受け取る形で締めとなった。
 
・白いキャンバス(仲川つむぎ)
まるで昭和歌謡の曲調と歌詞が特徴的な、3期生・仲川つむぎのソロ曲。
明らかに他の燃えこれ学園の楽曲とテイストが違うのだが、當銘が歌い出しの部分を仲川に寄せる形で歌いきる。
全体的によく伸びる高音が気持ちよく、この時ばかりは会場内も一瞬、昭和の世界にタイムスリップしているような感覚に陥った。
 
・RealCry(蒼音舞)
1期生・蒼音舞による正統派ロックを地でいくソロ曲。ソロ曲の中でも屈指の熱さを誇る。
最大の見所はサビの部分での二人での歌唱。「ハモリメーカー」とかつて言われた蒼音のハモリに、當銘が主旋律を歌うハーモニーが会場に響く。
この日だけのコラボだったが、二人がステージの上で向き合ってお互いの歌をぶつけ合って歌う様は、本当に絵になるシーンだった。
 
・Starry Sign(佐々木千咲子)
1期生・佐々木千咲子のソロ曲。2曲あるうち、彼女自身の故郷を想って歌ったバラード曲「Starry Sign」を選曲。
先程までの熱い雰囲気が嘘のように、静かなピアノの旋律からサビにかけて盛り上がるところを、二人が丁寧にしっかりと歌い上げた。
歌い終え後奏にて、昨年、佐々木の故郷・岩手県遠野市遠征を叶えられて嬉しかった事を當銘が語り、佐々木と熱くステージの上で抱擁を交わすシーンは胸が熱くなった。
 
・Happy♡Merry-go-round(成田麻穂)
「なぁなり~ラジオ」などで相方を務める機会が多い1期生・成田麻穂。2曲あるソロ曲のうち「Happy♡Merry-go-round」を選曲。
幻想的であり、尚且つ遊園地のアトラクションを彷彿とさせる同曲を二人で歌う。
非常に明るく、楽しい雰囲気はこの二人ならではの世界観。とても優しいメロディと歌声が会場内に響いた。
 
・High jump!(熊野はる)
ソロ曲コラボのラストに登場したのは1期生にして「先生」熊野はる。歌ったのは「High jump!」
熊野はるの圧倒的歌唱力が特徴的な明るく前向きなロック調の楽曲。サビの「High jump!」の箇所で客層は一斉に跳んで応えた。
この楽曲のみ1コーラス+落ちサビの終盤と長めの構成。最後まで二人で力強く歌いきる。曲の締めで當銘が熊野のマネをして、それを熊野が笑うという構図にて終わった。
 
こうして個々のメンバーの特徴が特に出るソロ曲を、卒業生のものも含めて(ワンコーラスがほとんどとは言え)12曲連続で當銘菜々は出ずっぱりで歌いきった。
それだけでも凄いのだが、軽くMCを挟んだ後、最後は自身のソロ曲を歌った!
 
・なないろスマイル(當銘菜々)
先程はフジマエンジェルのアコースティックver.だったが、今回はいつも聴き慣れた音源でのバージョン。
相当に体力を削られているはずなのに、この楽曲はフルコーラスで、當銘菜々が一人で歌いきる。
緑に染まる会場からの盛大なコール、声援を独り占めして、歌い終えるその瞬間まで笑顔を絶やさず歌いきった。
 
こうして「ソロ曲コラボ」を自身のソロ曲含めて13曲歌いきった、當銘菜々。
そしてステージ袖から出てきたメンバーたちは……正面に當銘菜々のプリントがされた緑のTシャツを着用して登場してきた。
一見すると當銘菜々の「推しT」を前後ろ逆にしたように思えるが、実はこれはプリントが正面で正しい特注品。
この日のために當銘菜々が頼み込んで、作成が実現したTシャツとの事である。
MCを進め、ここから當銘菜々から配信をご覧の皆様に「とても胸がきゅんきゅんしちゃう映像のプレゼント」がある……とコメント。
そして映像が流れる……!
 
(実際、配信では「沖縄にやにや旅行!」と題し、7月2日に行われた「なぁなり~ラジオ」公開収録や、その後、メンバーたちと合流した沖縄旅行の様子が映像に映し出されている)
 
……だが会場でその映像は流れず、ここでもライブ進行は継続!
楽曲の権利の都合上、配信では流せない、カヴァー曲の歌唱に移った。
この時、歌ったのはベイビーレイズJAPANの「夜明けBrand New Days」
今のようにオリジナル楽曲だけでライブが構成出来なかった、初期の燃えこれ学園が良く歌っていたカバー曲で、特に思い入れが深いものを選曲したとの事。
 
オリジナル楽曲が増えた後からの広報委員には新鮮に映り、また古くから燃えこれ学園を支えてきた広報委員にとっては懐かしい光景が広がっていただろう。
会場内は当時の事を知る、知らないに関わらず、多くの客層が今となっては珍しい燃えこれ学園のカヴァー曲を前に大いに盛り上がった。
 
会場内はそのままMCに突入。
配信で流れている映像について語っており「山田vs三浦」の話題になったところで会場内の映像に戻り、配信と「合流」する形となった。
 
そして當銘菜々の口から語られる「あと2曲」の掛け声。
 
当然の如く、会場からは「えー!」という声が長時間溢れかえる。
更にアンコールが無い事も事前に告知される。
 
正真正銘、當銘菜々にとって、アイドルとして「最後」の瞬間は近づいていた。
だがその表情からは、一切の悲愴感は感じられなかった。
 
彼女が最後に選んだ2曲……先に歌ったのは「Peeeace!!!」
現在の燃えこれ学園にとっての最新曲となる同曲。この季節にとても似合う明るい曲調と歌詞が特徴的。
結果的にこの10人の燃えこれ学園として発表し音源として発売された、唯一の楽曲……いわば、この10人における最初で最後の集大成とも言える。
この楽曲をここに持ってきたのは、この10人で培った、今の燃えこれ学園を見て欲しい……そういう想いももしかしてあったのかも知れない。
 
こうして明るく歌い終えた後、當銘菜々が語り始める。
次の曲が彼女の燃えこれ学園のメンバーとして、そしてアイドル人生で歌う、正真正銘「最後」の一曲となる。
先日の「生誕&卒業公演」に引き続き、そしてこれまでのアイドル人生を応援してくれた全ての皆様に感謝を述べて、歌ったのは……。
 
「Re-START」
 
2019年7月、當銘菜々生誕祭で初披露。
2020年3月、レコ発「2000人お届け企画」が開始されるも、直後にコロナ禍が襲う。
 
燃えこれ学園の活動の先行きが見えない中でも、配信を通じて歌い続けたこの楽曲は、いつしか燃えこれ学園の代表曲となった。
途中、山田みつきが加わり、奥原澄香の卒業間際となった2022年3月末「2000人お届け企画」達成。
「2000人お届け企画」達成の公約通り、2022年度はこの楽曲を冠した「Re-START TOUR」と称し、今の10人となった燃えこれ学園は全国各地を飛び回った。
 
ここ数年、燃えこれ学園のメンバーのみならず、広報委員、そしてこの楽曲を通じて繋がった全ての人たちと共に歩んだ一曲。
 
この一曲を「最後」に歌う事は、きっと必然だった。
 
何度も何度も歌った「Re-START」
 
冒頭の當銘菜々の歌い出しから始まる「Re-START」
この楽曲のためだけに用意された「みんなの太陽、なぁな!」のコールが会場内に響く。
 
「我らが歌姫」と称される佐々木千咲子、「天使のスマイル」稲森のあと続く1番のソロパート。
1番Bメロを卒業した奥原澄香から後を継いだ蒼音舞が、力強い歌声で歌いあげる。
2番冒頭は成田麻穂の甘い歌声から始まり、三浦千鶴、高未悠加のユニゾン、そして仲川つむぎのBメロへと続いてく。
この楽曲が作られた当初、燃えこれ学園のメンバーじゃなかった山田みつき、ソロパートはないが懸命に歌い、踊る。
そして同じくソロパートはないが、ステージの上で存在感を発揮し、メンバーを鼓舞し続ける熊野はる。
 
……いつも見てきた「Re-START」の風景が、これが最後になるのがにわかに信じられなかった。
しかし声が上ずったり、もしくは心なしかいつもより迫力が無かったりするメンバーもおり、中には明らかに目に涙をためているメンバーもいた。
 
この10人最後の「Re-START」……そして10人最後のステージ。
 
それでも最後まできちんと歌いきり、當銘菜々アイドル人生「最後」の一曲は幕を閉じた……。
 
全ての楽曲を終えて、最後のMC。
熊野はるの手からメンバーから寄せ書きのTシャツの寄贈があり、熊野はるの涙と笑いを交えたMC、そして當銘菜々から涙まじりの挨拶を経て、客層との集合写真撮影……。
 
そしてある意味、本当の意味で最後の一曲「燃えこれ学園 校歌」を会場にいる全員と斉唱。
ステージ上のメンバーは全員、横一列となり隣同士のメンバーと腕を組み歌い……。
 
これにて「なぁな最後のわがまま公演」の幕は閉じる……と思われた。
 
しかし直後に会場内に響くドラムロール……直後、ステージ背後の壁面に映ったのは……
 
「ZeppDiverCity(TOKYO)公演決定!!」
 
この突然の朗報に、それまで當銘菜々との別れでしんみりしていた会場は一気に沸き上がった。
だがその日付が「2023年」3月13日(水)と表記されていたため、客層から一斉にツッコミが入る(笑)
直後「2024年」(4だけ文字が違う)と直された画像に差し替えられたが、こういうところで締まらない(ある意味で)いつもの燃えこれ学園テイスト満載の発表となった。
 
更に重大発表は続く!再びドラムロールが鳴り響き、今度は熊野はるが肝心なところで噛む(笑)
気を取り直して新入生候補生の発表がアナウンスされると、会場からは拍手。
熊野はるに手を引かれ、初々しそうに出てきた黒いワンピースの女の子……名前は青山あすか(なおまだ公式からの正式な名前表記は出てないため、正式発表有次第、編集予定)
非常に素朴でかわいらしい娘だが……なんと2005年生まれの18歳!
……今年、38歳になる熊野はるの20歳下!(この時、何故か熊野はるがガッツポーズ)熊野はるの娘説が出るほどである(笑)
なお(後輩が出来なかったため)約3年間「新入生」を名乗り続けた山田みつき。「先輩とお呼び」とコメントしたところ、他のメンバーから当日のポンコツぶりをバラされる(笑)
本格的な活動は8月15日以降になる模様。彼女がこれから、どのように成長していくのか見守っていきたいと思う。
 
最後は朗報の連続で、今後こそ「なぁな最後のわがまま公演」は無事終了。
 
メンバーたちがステージ袖に掃けていき、最後に當銘菜々一人がステージの上に立ち……。
「生誕&卒業公演」の時と同様、口の前に指を一本立て、会場が静まり返ったあと、マイクを介さずに叫んだ……。
 
 
「みんなと出会えて、なぁなは世界一幸せものです。
 本当にありがとうございました!」
 
 
再び起こった万雷の拍手の中、當銘菜々はアイドルとしての人生を終え、ステージから降りた……。


【セットリスト】
 
1.ミラクる☆妄想がーる
2.夏恋♡Love
 
・「つうしんぼユニット」コーナー
3.again(4月度つうしんぼ選抜/當銘、成田、仲川、熊野、高未)
4.明日へ(4月度フォトガチャ選抜/仲川、成田、稲森、當銘、熊野、三浦)
5.風と君と虹と僕(4月度トークポート選抜/成田、當銘、仲川、山田、高未)
6.時の砂(5月度つうしんぼ選抜/佐々木、三浦、當銘、成田、熊野)
7.sweet darlin(5月度トークポート選抜/成田、當銘、山田、三浦、佐々木)
8.オルゴール(6月度つうしんぼ選抜/當銘、稲森、蒼音、成田、仲川)
9.タイムレシーバー(6月度フォトガチャ選抜/仲川、當銘、稲森、蒼音、成田)
10.Shiny Dream(6月度トークポート選抜/當銘、成田、仲川、蒼音、熊野)
11.虹色☆Dreamer(4月、6月度つうしんぼ1位/當銘菜々)
 
12.Melodious Revolution
13.ぱすてるサマータイム
 
・「スペシャルコラボステージ」
14.手にしたい光(feat.図師たまみ)
15.すき!すき!好き!!(feat.前田美沙)
16.なないろスマイル(アコースティックver.)(feat.フジマエンジェル)
 
・「ソロ曲コラボメドレー」
17.片想いキャンディー♡(花岡香奈/feat.稲森、高未、山田)
18.涙をふいて(瀧本麗/feat.蒼音、仲川、三浦)
19.ヒカリ(奥原澄香/feat.熊野、佐々木、成田)
20.Vampire distress(山田みつき)
21.みらくる☆まじかる☆わんだーらんど(高未悠加)
22.myself(稲森のあ)
23.Yell(三浦千鶴)
24.白いキャンバス(仲川つむぎ)
25.RealCry(蒼音舞)
26.Starry Sign(佐々木千咲子)
27.Happy♡Merry-go-round(成田麻穂)
28.High jump!(熊野はる)
29.なないろスマイル(當銘菜々)
 
30.夜明けBrand New Days(カバー/ベイビーレイズJAPAN)
 
31.Peeeace!!!
32.Re-START
 
33.燃えこれ学園 校歌
 
 
●延長戦?
 
……その後、特典会に入る。
特典会前には一部のなないろふぁみりぃが胴上げされるなど、会場は當銘菜々との別れを惜しみつつも、どこかやり切った感が溢れていた。
 
特典会には過去に生誕祭などで着用した、ひまわりがあしらわれたドレスで登場し、多くの客層と最後の特典会に接していた。
 
涙ながらに別れを惜しむ者。
「またね」と声を掛ける者。
今までの出会いに感謝の言葉を掛ける者。
 
……一人、一人、違っていた。
だが一人、一人がそれぞれの形で當銘菜々との別れを受け容れ、そして感じていた。
 
やがて特典会も終了。
会場内には特典会終了時でも、相当数の客層が残っており、當銘菜々の特典会の締めを待っていた。
 
校歌を含め、全33曲歌いきった當銘菜々とメンバーたち。
だがこれでも歌っていない楽曲があった……。
 
その際、ある客と目が遭った熊野はるが「そう言えば今日「夢幻華」をセットリストに入れてなかったな」と発言した。

(目が遭ったその客は「夢幻華」が大好きな事で有名な方だった)
 
「夢幻華」……燃えこれ学園でもかなりの人気曲であるが、今回の公演のセットリストには入っていなかった。
 
次の瞬間だった……「夢幻華」のイントロが会場に流れる!
イントロは途中で止まったが、メンバーは冒頭のフレーズを歌い、そして残った客層は……そのまま冒頭のコール、そして三連MIXを入れた!
そして会場には拍手が巻き起こった。
 
もちろんこれは正式な歌唱でもなければ、会場内に残ったメンバーとスタッフ(主にPAブースのフジマエンジェル)、そして客層のいわばお遊びでありオマケである。
 
だが當銘菜々が公衆の面前で最後に口ずさんだ楽曲は、この「夢幻華」という事になる……。
 
「幻の34曲目」を歌い終え、特典会は終了。
 
最後まで広報委員との絆を噛みしめ、當銘菜々はアイドル人生を最後の最後まで満喫した様子で……我々にさよならを告げた。
 
 
●総括
 
公演時間が約2時間半という超長時間、そして全33曲に及ぶセットリスト。
 
最後の最後でこんなにボリュームのある公演をやりきった、當銘菜々のアイドルとしての体力、気力、そして集中力の凄さをまざまざと見せつけられた。
 
当人の言葉を借りるなら(「生誕&卒業公演」の)「壮大なアンコール」が今回の公演にあたるそうで……。
確かにこれだけの物を、(18日にも行われた)「生誕&卒業公演」でやり切るには、本当に無理がある(笑)
 
しかし本当に隅から隅まで、本当に當銘菜々のいうところの「わがまま」がふんだんに盛り込まれた内容となった。
 
正直、前半の「つうしんぼユニット」コーナーだけで、本来、定期公演1本打てる(爆)
更にこれまで考えられなかった、図師たまみ、前田美沙、フジマエンジェルと言った普段お世話になっている方々とのコラボも実現。
「ソロ曲コラボコーナー」では現メンバーだけでなく卒業メンバー3人(奥原、瀧本、花岡)のソロ曲をフルじゃないにしても、12人分歌いきるとは……。
 
これまでの燃えこれ学園だったら、絶対に実現出来なかった事を、ことごとく當銘菜々がやった感がある。
 
特に卒業メンバーのソロ曲に焦点を当てた事は非常に大きく、これから先、卒業メンバー含めて燃えこれ学園の歴史を共に作っていた存在として、今まで以上に認知されるいいキッカケになったとすら思える。
その卒業メンバーの中に、當銘菜々も名前を連ねる事になるが、この事一つとっても、當銘菜々が今回残した功績は大きいと思う。
 
一方でここまでの「わがまま」が許されたのは、それだけ當銘菜々が燃えこれ学園において、多大なる貢献と実績を作ってきたからだと思う。
2014年4月に1期生として入学。ClassBlue(現在は廃止)の委員長を経て、2016年4月から熊野はるの後を受け「2代目生徒会長」に就任。
9年3ヶ月の活動のうち、実に7年3ヶ月(燃えこれ学園全体としては、熊野はるがリーダーになるが)生徒メンバーのリーダーとして、また絶対的なセンターとして燃えこれ学園を引っ張ってきた當銘菜々だから許された部分は大きかったと感じる。
 
もちろん今後も長年活動し貢献したメンバーが(あまり考えたくないけど)卒業という形で送り出される際には、叶えれらる範囲内の「わがまま」の一つ、二つは実現するかも知れない。
だけどここまで多くの「わがまま」を、一度に実現し実行出来のは、今後、燃えこれ学園においては當銘菜々以外に現れるのか……恐らくいない気がする。
 
燃えこれ学園の現メンバーにおいては、途中で卒業する事なく最後まで頑張って欲しいと願っている……けど、ただもし何かの因果で卒業する事になった際、今回ほどじゃなくてもいいけど、自分の叶えたかった「わがまま」を実現できるよう頑張って欲しいし、そして幸せなアイドル人生の「最後」を飾って欲しい……と思ってしまう。
 
特に今回の公演を通じて、終始、當銘菜々が幸せそうな顔をしていたのを見ると……余計に。
 
少なくとも當銘菜々の場合、アイドル人生の「最後」は幸せなまま、幕を閉じたと思う。
あの日、会場に詰め掛けた77人の客層と、そして配信を通じて彼女の最後を見届けた多くの人たちが、きっとそう感じているし、信じている。
 
何故ならこのライブを見届けた自分自身、彼女から感じる幸せを感じたし、実際幸せな気持ちになれたから。
 
一方で……これだけのステージを魅せる事が出来る當銘菜々の、アイドルとしての引退が惜しいと思う気持ちはある。
だけど當銘菜々が卒業を発表してから、約半年の期間がある中においても、覆す事が無かった結論だから尊重したいと思う。
 
彼女がこのタイミングでアイドル引退を決断した心境や背景は……当然、知る由も無い。 
でも彼女はこの公演でアイドルとして出せるものは、惜しみなく出し切ったと思う。
今後、アイドルに戻る事は無いだろう。でもそれでいいと思う。
 
ここまでやり切った當銘菜々の事だ。
しばらくは人生においてお休みの期間に入るだろうけど、何か一つ大きな事をやり切った経験は、これからの人生できっと生きてくる。
 
我々客層の立場では、當銘菜々のこれからの人生を応援する事は出来ない立場になる。
だけど彼女のこれからの人生の幸せを願う事は出来る。
 
願わくば、當銘菜々が皆を幸せにしてくれたように、彼女自身もこれから幸せな人生を歩んでくれる事を願っている。
 
アイドルの「最後」はこうあるべきだ!
 
それを示してくれた當銘菜々に最大級の感謝を示して、このレポートを締めたいと思います。
 
なぁな、本当にありがとう!

 
 
追伸。
 
當銘菜々様へ
 
2月の卒業発表直後の約束「声を出せないくらい泣いている連中の分まで、自分が声を出して応援し続ける」と誓った約束、個人的には果たせたと思います。
正直、自分でも驚くくらいですが、最後の最後までアイドル。當銘菜々の姿を、視界がぼやける事なく観続ける事が出来ました。
 
このレポートを書くにあたり、配信を何度か見直していくうちに、少し目が潤んできました。
だけど……既に終わった公演の配信の画面を通してでも、目に入る當銘菜々の姿は、凄く活き活きしていて、魅力的でした。
 
本当に最後まで、偉大なる一人のアイドルの姿を見届ける事が出来、また最後まで声をからす事なく応援する事が出来た事、本当に幸せでした。
 
あなたが愛した燃えこれ学園の事、これからも応援していきたいと思います。
(もちろん推しメン、蒼音舞の事は「紫の誇り」と共に応援し続けて行く所存です)
 
自分が広報委員になってからの約4年の間、沢山の素晴らしいステージを、本当にありがとうございました。
 
燃えこれ学園広報委員五回生/あおねぐみ所属 ヒトデ大石