※この舞台は2/12~2/16まで行われた舞台で既に公演は終了しています。
ソチオリンピックで連日熱狂されている方がいた昨今、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
話題はホット、でも天気は……そんな日々が続きました。
さて一方、舞台の方ではこれまたホットな三団体が再び手を組みました。
グワィニャオン
ハグハグ共和国
ジャングルベル・シアター
三団体合同公演「ハグワィベル・シアター」一昨日12月以来、その第2弾の幕開けです!
今回の作品は「Dear...私様」
調べたところによると、2006年にグワィニャオンにて初演が演じられた作品です。
この時も出演していたメンバーが数名いるとの事ですが、今回は三団体合同による8年ぶりの再演という事になります。
そんな予備知識を携え、向かったのは池袋・シアターグリーン BIG TREE THEATER。
もうこの「舞台観賞」シリーズではお馴染みの同会場。
階段を上って会場には祭りの法被に身を包んだ出演者が席案内。
また会場内に流れる音楽もどこか懐かしい70年代の楽曲が中心。
既に舞台の雰囲気作りは始まっているのだ!
開演数分前に、グワィニャオン所属・すわいつ郎氏による前説が開始。
間もなくして、いよいよ舞台開始となる……。
舞台開始前のBGMとして、トランペットの悲しげなメロディが印象的な以前の「金曜ロードショー」のOPテーマが流れいよいよ舞台の幕が上がります。
そんなこんなで物語は開始となります……。
以後、公演終了につきネタバレ有のあらすじを……。
並木秀生(尾形雅宏・以下敬称略)は40代半ばを過ぎたある日から物忘れが激しくなっていく。
実の娘・さなえ(田中沙季)の顔すら思い出せないくらい、思い出せなくなった。
治療に専念し、過去の記憶を思い出そうとするが……。
故郷・八王子を舞台に少年時代(伊喜真理)、青年時代(内田岳志)を振り返っていく。
しかしその思い出たちに付きまとう黒い影……。
やがてその黒い影は秀生の思い出を、大切な人たちの記憶を真っ黒にしていく……。
果たして秀生は記憶を思い出す事が出来るのか。
彼に付きまとう黒い影の正体とは……。
そして秀生に秘められた、過去の記憶とは……。
これは一人の男の半生を描いた、壮大な思い出の物語である……。
今回は物語の内容にいちいち触れるのが難しい内容ですな。
多分、このレポートをいつもの2~3倍書かないといけない(笑)
結論:物語が気になるなら、DVDを観ろ(笑)
まぁそんな訳ですが、物語の流れは前述の通り、一人の男の人生を振り返る物語となっています。
だから主に思い出話が中心となっていきます。
ただこの秀生の人生というのが、ちょっと一般の人が体験できない人生。
だからこそ平凡な物語ではなく、ドラマチックになっているのと感じるのです。
例えば両親がその筋の方とか、中学以降ぐれて暴走族に所属するとか……まぁ大よそ一般の方との青春とはかけ離れている気もします(汗)
まぁ中にはそういう人生を歩んだ方もいるかもしれませんが(汗)
もっともそんな中でも、誰でもあるような初恋の話とか、ペットを飼うあたりとか、誰にでも、どれか一つくらいは共感できる思い出も多々織り交ぜていると思います。
だから秀生の人生を振り返るにあたって、非日常さの面白さの中にも、そうでない方でも共感できるポイントは多々あったように思います。
よって暴走族に所属した事の無い自分でも、劇中の秀生に共感できる場面は多々ありました(笑)
上述のような特徴が挙げられるため、恐らく人によって感動する場面や、笑ったりする場面が違ったりするタイプの作品。
観る人によって、一番良かったシーンが別れると思います。
個人的にはペットのMARU(石垣エリィ)の絡むシーンはどれも共感出来たし、また臨終の際は泣けました。
自分も昨年、実家のペットを亡くしているので、凄い最近の出来事がフィードバックされて、どうしても亡くなったペットと重ね合わせて観てしまうので……。
そういう方は多かったと思います。
もっともペットを飼った経験が無い人だと、そのあたりが共感しにくい方も多かったかもしれません。純粋に物語として泣ける部分はあるのですが……。
一方で全く共感できないシーンもありました。
これを美談にまとめるのは……と思い、感動的なシーンでもどこか冷めた目で観ている自分がいるのに気づきました。
ただそのように共感できないシーンを含めても、全体的には非常に良作でした。
一人の男の人生をこうも、ドラマチックに仕立て上げて、面白い物語にしている脚本の技量に脱帽です。
また登場人物一人一人の個性は強いものの、それが特定の人物だけがアクが強すぎて物語全体のバランスを壊していないのも秀逸でした。
(この点に関しては後述、一人一人挙げていきます)
なお観劇に関しては一回でも十分楽しめますが、複数回の観劇に耐えられる作品です。
登場人物の個性が非常に強く飽きないのが一点。
もう一点は登場人物の台詞の意味に気付かされるので、面白さが変わってきます。
代表的なシーンとして冒頭のシーン。
主人公・秀生を囲む黒い服(一部例外有)の女性達の台詞。最初は意味が分からないのですが、これが二回目になると誰がどういう意味で言っているのか気付かされます。
そういう意味では複数回観て、それぞれ新鮮な発見や、楽しみが多い作品でした。
一つの物語として秀生の人生を楽しんで良し。
また共感できる場面で、大いに泣いたり、笑ってして良し。
そんな舞台でした。
舞台本編以外の話になりますが、BGMに使われた楽曲は本当に良かった。
またトミーさんを演じた後藤冬樹氏の生歌も非常に舞台を盛り上げるのに一役買ってました。
舞台と生歌……意外と相性いいんですね。
照明の暗転も非常にうまいところで使われていたし、舞台演出も非常に良かったと思います。
上演時間は2時間20分(途中休憩7分含め)ですが、テンポがいい展開のため、むしろ短く感じたくらいです。
なお途中休憩7分では、舞台上で出演者がストップモーションでずっと止まるという展開(笑)
相変わらず、本編以外でも楽しませてくれました。
こういう遊び心があるから、本当に舞台が楽しめました。
さてここからは出演者を一人一人掘り下げて挙げて、語らせていただきたいと思います(笑)
なお登場人物が非常に多いけど、まぁのんびり読んでください(笑)
※パンフレットの登場人物の役名で紹介します。
・並木秀生/中年……尾形雅宏(グワィニャオン/有限会社悟空)
本編の主人公。ある日を境に過去の記憶を忘れていってしまう……。
言い方は悪いけどしがない中年を好演。年相応の抑えた、渋い演技が却って印象的でした。
台詞の言い回し、一つ一つに味があって、いいおっさんでした。
・少年秀生……伊喜真理(ハグハグ共和国/アイリンク株式会社)
秀生の幼年期から小学生まで。仮面ライダーが大好きな少年だが、壮絶な秘密を抱えている。
女性なのに、劇中では無邪気な少年にしか見えなかった。まるで本当に少年が乗り移ったかのよう。
演じた伊喜さんの熱演に圧倒された。恐らく今まで観た、伊喜さんの中で最高の役!
・青年秀生……内田岳志((株)浅井企画)
中学生から大体20代までの秀生。不良になるも後に更生し、就職するがツラい経験も多くする。
演じてる内田氏の実年齢は恐らく、もう少し上のはずなのですが、10代後半から20代の頃を見事に演じました。
恐らく古い時代の不良ってあんな感じだよなぁ……そんな演技が印象的でした。
・並木隆太郎……咲野俊介(青年座映画放送)
秀生の父。元その筋の人。秀生が小学5年の時、傷害罪で逮捕されてしまう。
出番はそこまで多くなかったけど、幼少期の秀生に多大な影響を与える役柄。
古き良き時代の任侠……破天荒だけど、しっかりと親父を演じてました。
・並木麻裕美……平塚純子(グワィニャオン)
秀生の母。スナック勤め。隆太郎がいなくなった後も、時に厳しく母として秀生と接する。
秀生が小学生の頃はどこかイケイケだったのに、後半になるにつれ母親としての貫禄、風格すら感じるように……。
瞼の裏側に浮かぶタイプの母親じゃないけど、こんな母親もアリだと思わせてくれました。
・MARU……石垣エリィ(グワィニャオン)
並木家のペット(犬)。隆太郎逮捕後、捨て犬だったのを拾われてくる。
もう犬にしか見えなかった!いや犬そのものです!(爆)
コミカルな言動の中にも忠犬としての健気さを感じた。臨終の際の一連のシーンはハイライトの一つ。あれでどれだけ泣かされたか……。
・伸郎おじさん……西村太佑(グワィニャオン)
隆太郎の弟で、秀生の叔父。写真をいつも撮っている。あちこちから金を借りまくる甲斐性なしだが、秀生の思い出を語る上で欠かせない人物。
序盤怪しい役どころでつかみどころが無かったけど、中盤、後半とところどころ美味しいところを掻っ攫っていく登場人物。
まぁ脚本書いた人の特権か(笑)恐らく全登場人物の中でもインパクトだけだったら一番でした。
・波多野……浅野泰徳(ジャングルベル・シアター)
麻裕美の店の常連。隆太郎逮捕後、麻裕美の内縁の夫となるが、秀生がぐれる遠因となる。
秀生に憎まれ、疎まる姿に哀愁すら感じる。時には秀生の為を思っての言動の数々が(すぐには)報われないところに泣けてくるし、健気な人物を演じきった。
秀生にとっては隆太郎とはまた違ったタイプの「父」を好演したと思います。
・ウソマコト……西村太一(ジャングルベル・シアター)
秀生の思い出をつかさどる、秀生の脳内の人物。だが正体は幼少期の秀生にとって大切な人物だった……。
この物語を語る上では欠かせない、ストーリーテラーとしての役割は見事。また幼少期の秀生と絡むシーンは最高。
実は秀生に次ぐ影の主役じゃないかと思うくらいの奮闘っぷり。なお今回を最後にジャンベルを今年いっぱい休業……早く戻ってきてください!待ってます!
・S・Eくん……中村和之(ハグハグ共和国)
秀生の思い出において音響を担当している人物。ウソマコトと同様に幼少期の秀生いとってかけがえの無い人物だった……。
秀生の心臓音のSEは大いに爆笑させてもらいました。それ以外にもモブとして、暴走族の団員としての細かい演技も秀逸。
非常に劇中においても小回りが効く役回りで、立ち回りの上手さを感じました。
・伊藤早苗……さいとうえりな(フリー)
秀生の初恋の女の子。途中で九州に転校して離れ離れになってしまう。
まず第一声として「あの娘、何歳?」(爆)小学生時代の秀生の初恋の女の子なんだけど、リアルに小学生と見間違えるくらいの美少女だった。
ブログ拝見した限り、やはり若い娘だったけど……ピンクのワンピースがガチで似合う美少女……そうそうおりませんよ……。
・天才荒木……渡辺江利子(グワィニャオン)
秀生の小学生時代の友人。後に智士ぼっちゃまと結婚し、脳外科医として秀生を助ける事になる。
実は劇中で数少ない、成長する人物。秀生とは違い、幼少期、青年期、現在(中年期)をこの渡辺嬢が演じている。
細かい違いなんだけど、一人で三つの時代を同一人物が演じ分けている。幼少期のどこか無邪気な表情と、脳外科医として現れる姿の雰囲気の差は良かった。
・智士ぼっちゃま……すわいつ郎(グワィニャオン)
秀生の小学生時代の友人で大金持ち。後に自分が経営する病院で妻となった天才荒木と共に秀生を助ける役目を負う。
彼も天才荒木と同じポジション。だけど全時代を通じて、金持ちなんだけど憎めないいい奴を演じている。
前説や終演後の物販紹介など、本編以外での活躍も多数。智士ぼっちゃまとして以外の活躍も印象的だった。
・怪が原高原美術館……本多照長(ジャングルベル・シアター)
秀生の小学生時代、街中を徘徊していた怪しいおじさん。だが青年時代、意外な形で再会を果たす……。
完全に幼少期のネタキャラで終わるかと思っていたけど、中盤である人物の父親として登場した時の意外性、そして迫真の演技は流石の一言。
脚本の力量もあるけど、それを体現出来る本多氏の力量が感じる事が出来た。登場時間の短さの割りにインパクトは大。
・浅田屋のおばちゃん……松宮かんな(ジャングルベル・シアター)
駄菓子屋のおばちゃん。大抵のものは50円で売ってくれるおばちゃんだが……。
実は浅田屋のおばちゃんとして以外の役も結構な数こなしている。9割方、笑わせてもらう役柄やモブで、S・Eくんの中村氏と同じくらいモブをこなす。立ち回りも優秀。
それでも幼少期の思い出として「浅田屋のおばちゃん」として感動のシーンを提供するなど、極めるところは極める。さすがジャンベルが誇る「ジョーカー」である。
・トミーさん……後藤冬樹(フリー)
秀生の近所の公園で弾き語りをしている歌い手。稼げる歌手になるのが夢。
本業は歌手。彼の場合、役柄そのものよりも、純粋に歌い手として数々のシーンを「本業」で盛り上げた事に価値があると思います。
劇中で歌った数々の生歌は、この舞台を完成させるのに必要不可欠だった。感動的な歌をありがとう!
・蛇年の朝緒……佐野うさぎ(フリー)
秀生が所属した暴走族「八王子斗愚路魔鬼」の頭。大人しそうな外見とは裏腹に相当ヤバイ人。
本職はお笑い芸人。もう素でラリっていた。もう観たまんまヤバイ人(笑)これ以上の説明はいらない(笑)
一番のハイライトは7分間休憩での無茶な姿勢での停止(笑)もうあれだけで「朝緒さん、お勤めご苦労様でした!」といいたくなるレベル。
・高田・兄……石川健一(テアトルアカデミー)
・高田・弟……宮崎重信(フリー)
青年時代の秀生の親友。通称「げんまん兄弟」秀生のバイクを手配したり、「八王子斗愚路魔鬼」に誘ったりする。
ここは二人セットかなぁ。でも青年時代の友人としてはかなり重要なポジションだったと思うし、妙に印象に残っている。
「嘘ついたら本当に針一本飲~ます」は劇中屈指の名台詞だと勝手に思っています(笑)
・ジョニー……栄島智(アイリンク株式会社)
「八王子斗愚路魔鬼」の幹部。硬派なのだが影響されやすく、劇中でブルース・リーなどに憑依される。
登場直後は意外と普通にリーゼントの暴走族だったのが、途中から完全にネタキャラと化した(笑)
正直、ジョニーさんって、栄島さんにブルース・リーや、ジャッキー・チェンをやらせたいから存在しただけなんじゃ……好きですけど(笑)
・寺山くん……熊木拓矢(グワィニャオン)
暴走族「日野ぎったんばっこん」の総長。顔は白塗りでアングラテイスト。エキセントリックな言動多数。
元ネタは多分、寺山修司かと(笑)暴走族なのに手押し車で登場とか、存在自体がネタ(笑)
八王子と立川だったり、他のキャラの間だったり、間に挟まれて大変だった人(笑)これは演じきった熊木氏が本当に偉いと思う。素晴らしい。
・桑原恭子……塚本善枝(ジャングルベル・シアター)
レディース「立川異鳳神」の総長。会話に起承転結の「起承転」が無い。だが秀生の中では、これより前にどこかで会ったような気がしてならない……。
恭子としての見せ場は登場時。登場時はそれなりに印象は強かったけど、その後の暴走族のシーンでもほぼモブで印象薄め。むしろ二役で演じた、リョウコちゃんの方が印象は強い。
幼稚園時代の秀生の幼馴染として、無邪気に歌を歌ったり、はしゃいでいる姿がとても秀逸だった。恭子というキャラが若干消化不良気味だった分、リョウコの演技は見事でした。
・桑原和江……金濱千明(フリー)
レディース「立川異鳳神」の副長で恭子の妹。殆どしゃべらない姉に代わって仕切る場面が多い。
恭子の妹なのに、姉と絡むシーンが少なく、また後半「立川異鳳神」の意思を代弁しているのは、ほぼ彼女になっているので、ポジション的には違和感のある役柄なのはやや残念。
ただし演じた金濱嬢の役の入り込み方は秀逸で、あの時代のレディースのステレオタイプを見事に演じたと思います。
・北川悦子先生……関田豊枝(歓伝-KANDENDO-堂)
秀生が通っていた定時制高校の教師。実は伝説の暴走族「八王子帝音」の元親衛隊長「ステゴロのえっちゃん」。伸郎と後に結婚する。
最大の見せ場はなんと言っても、後半開始直後の乱闘シーン。あの一連のシーンは彼女のためにあると言って過言ではない。
先生としての凄さというよりは、アクションの凄さが印象に残った。でもあのアクションだけでもお金を払う価値はある。
・黒ネコのしのぶ嬢……月野原りん(ハグハグ共和国)
定時制高校の生徒で今で言うソープ嬢。秀生の初めての相手になった人物。
初登場時以外は、舞台にセットされたベッドと共に登場(爆)あれだけで会場の雰囲気が一気にピンクになったなぁ(笑)ただエロさというよりは大人の女性の色気が漂っていた。
この辺りは月野原さんならではの役作りの上手さか。またモブで演じた「立川異鳳神」の隊員姿もサマになっていた。ハグハグ共和国の看板女優の面目躍如と言ったところでしょう。
・町田紀子……升田智美(ジャングルベル・シアター)
秀生が24歳の時に付き合い始めたスナック勤めの女性。
パンフレットに実際にスナック勤めの経験があると記載されていただけに、もうそのまんま。短い出番の中でキレキャラを演じきったたのは流石。
ただし出番はあまり多くなかったのが本当に残念。だからこそ印象に残ったキャラでもあるんだけど、もう少し観たかったなぁ。
・工藤かおり……一杉佳澄((株)アーツビジョン)
秀生が27歳の時に付き合い始めた年上の女性。実は幼少期の秀生が憧れていた「キャソディーズ」の元メンバー。
一回目の観劇では「あ!」と驚かされました。秀生幼少期の「キャソディーズ」が、中盤、青年期で活きてくるとは……。
紀子、知絵との絡みは本当に最高。個人的には恨み節のように、静かに歌いだす「年下の男の子」が最高でした。
・大川知絵……宇田奈央子(ハグハグ共和国)
秀生が26歳の時に付き合い始めた年下の女性。岡山出身のスーパー勤務。
かおりに向かって言った「一回り違う」(微笑)と、「八つ墓村じゃー!」のくだりだけでもう十分!(爆)
出番が少なかったけど、手にした出刃包丁と共に忘れられません。キレた時の女性の怖さを見事に演じてみせた、宇田嬢の熱演に拍手!
・先生様……久光真央(ハグハグ共和国)
秀生のカウンセリングを担当しているが、実は秀生の妻。そして名前は……。
殆ど中年の秀生に話しかける役柄だったけど、見せ場は終盤かなぁ……。
でもよく観ていると、細かいところで細かい演技をしているんですよね。こういう演技が出来るところはさすが座長と言ったところでしょうか。
・植村珠子……野上あつみ(ジャングルベル・シアター)
秀生にとって初めての彼女にして、その後の運命の鍵を握る……。
パンフレットの順番では「先生様」の下に名前があるけど出演は秀生の青年期がメイン。(この並び順は観劇後に納得する人多数いるはず)あつみ嬢+メガネ、更にセーラー服。王道だし、ハズレるはずが無い(笑)
青年期(学生時代)のヒロインとして大活躍。とにかく彼女のかわいいヒロインっぷりと、劇中で何個も出したジャムパンは忘れない(笑)
・さなえ……田中沙季(テアトルアカデミー)
秀生の娘。名前の由来は初恋の相手「早苗」から。
前回拝見したのが、一昨年の「生きてるうちが華なのよ。」でしたが、かなり印象が違ってビックリした。1年以上の月日が彼女を成長させたのだろうか……。
冒頭のシーンの語りといい、また父である秀生と接するシーンでの細かい表情や仕草はかなり良かった。これからが楽しみです。
・忘れん棒……高橋稔(昭和芸能舎)
・隠れん房……窪田悠紀子(ハグハグ共和国)
秀生の思い出に付きまとう黒い影。仮面ライダーのお面を常にしているが、その正体は……。
正体を現すのは終盤。途中までは本当に謎の存在。まぁこのお二人に関しては演技の印象というよりはその特異な存在感が気になった。
ただし正体を現した後の、優しい語り口は非常に良かった。次回はもっと別の役が観たいです。
……とまぁ、こんな感じでしょうか。
登場人物が多かったのですが、どうしても登場時間が短い出演者もいて、その辺りは不憫だったように思います。
しかしとても濃い登場人物ばかりだったので、出番の割にインパクトが強い方も多かったので、その点でバランスは取れていたと思います。
後はメインの役とは別にモブで二役、三役……場合によってはそれ以上こなす方も多く、そういう意味でも大変な舞台だったと思います。
その点は本当にご苦労様と言うとともに、色んな役柄が観れて楽しかったです。
また役者の数が非常に多いので、非常に賑やかで楽しい舞台でした。
冒頭の祭のシーンは、ある意味、この舞台、そしてこの合同公演根底にあるテーマを垣間見ているようで、非常に華やかでした。
最後に……今後も三団体で合同公演を続けていきたいという趣旨を、終演後の挨拶で語っていましたが、少し間を空けて続けてほしいと思います。
やはり三団体合同……というのは、一種「祭」だと思います。
これまでの二回の合同公演を拝見する限り、各団体の役者同士が舞台上で物語を紡ぐというよりは、いつもと違う演出で演技を競い合い、見せ合い、個々の技量を切磋琢磨する場になっているように思います。
(決して脚本や物語が悪いという意味では無いので悪しからず)
もっとも客の立場としても、普段の本公演では観れない出演者の姿や、共演が観れたり、またこれをキッカケに新たに好きな役者が増えたりするので、それは非常に良い事だと思うし、楽しみであります。
思うに出演者、客双方にとって「新たな発見」の提供の場にもなっていると感じる訳です。
そして今回の経験を糧に各団体が、それぞれの団体の本公演で、自分達に無かったものを取り入れたり、還元したりする事で成長していき、そしてまた忘れた頃に合同公演で成長するキッカケを掴めるようになればいいと思います。
恐らくそれが各団体の願いであり、狙いだと思います。
自分もジャングルベル・シアターのファンとして、そうなって欲しいと願っています。
まぁ……一客の立場で勝手な事を言っていますが(汗)
個人的には一年半後くらいに、また「ハグワィベル・シアター」が観れたらいいと思っています。
それまでは各団体で今後の皆様の活躍を祈っております。
そして劇中で朗読された宮沢賢治「雨ニモマケズ」を地で行くように、大雪という悪天候にも負けず、五日間公演を駆け抜けた全ての出演者、スタッフの皆様、本当にお疲れ様でした!
五日間……感動をありがとうございました!
・グワィニャオン・公式サイト↓
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