【舞台観賞】「トラベラー」(天才劇団バカバッカ) | ヒトデ大石のなんとなくレポート置場

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2011年8月「ヒトデ大石のどんなブログにしようか検討中。」からタイトル変更。
ライブイベント、舞台観劇のレポートを中心に書いていこうというブログ。
以前はmixiが主戦場だったけど、今はこっちが主戦場(笑)

※この舞台は12/5~12/9まで行われた舞台で既に公演は終了しています。
諸事情によりレポートあげるのが遅れました。申し訳ございません。
 
自分的年末の観劇ラッシュ第2弾!
実は第1弾だった「血の婚礼」の翌日に拝見したのですが、時間的には半日程度の感覚……。
 
あんまり舞台の梯子をしない自分的には、結構感覚が空いていないので、奇妙な違和感。
前日の「血の婚礼」の衝撃(及び、その後飲んだ酒)が頭からこびりついていたので、新鮮な気持ちで観劇できるかが心配でしたが……。
 
さてそんな状況でお伺いした舞台が「トラベラー」という今回の舞台。
そして劇団は「天才劇団バカバッカ」
 
……天才なのに「バカバッカ」!?
なんだこの矛盾に満ち溢れたネーミングセンスは!?(笑)
さてどんな劇団かと言いますと……。
 
声優・木村昴と、主宰・桐野翼がミュージカルでの共演を経て、2009 年3 月に結成された比較的若手中心の劇団。
基本的に主宰である桐野翼が作・演出を担当し、木村昴が座長で主演を担当するというスタイルの劇団である。
ちなみにこの劇団の名づけ親は、声優・関智一……もう名前だけ聞いて、特定のキャラが浮かぶ人が多数かと思いますが、強いて言うなら、現在の「ドラえもん」のスネ夫ですね。
 
そして木村昴と聞いてピンときたあなた……そうです!
現在の「ドラえもん」のジャイアンを演じている、木村昴氏こそが今回の主演なのです!
※まぁ最近「ドラえもん」見ていない方は先代のイメージが強いと思いますし、自分もその一人でしたが(笑)
 
そんな現在のジャイアンこと、木村昴氏、果たしてどんな演技をするのか……。
それにしても前日のアルターエゴは主宰が三ツ矢雄二氏だし……この間はやたら声優関係に縁があったな。
やはりこれも元声優ヲタとしての宿命なのだろうか(笑)
 
ちなみに今回のお目当ては、村井みゆき嬢。
舞台は今年の春先に拝見した「ひまわり」以来となりますが、果たしてどんな舞台なのか……。
 
会場は池袋シアターグリーン・BIG TREE THEATER。
この会場自体はもう何度も足を運んでいるので、道中は迷う事は無く、階段上って劇場にたどり着く……。
するとなんだ!?
 
劇場に入った途端、80年代のディスコよろしくなナイトクラブのこのノリは!?(笑)
しかもDJがいて、ドラムがいて、ミラーボールはぐるぐる回って、色違いの同じタイプの衣装を着た女の子が4人、適当なノリで踊っていて……自分、観にいったのは昼だったんですが、もうここだけ別空間でしたよ(笑)
そんな中、開演までの数十分待機。
 
開演5分前になって、色違いの同じタイプの衣装を着た女の子が4人……更にもう一人、マネキン(笑)を出して登場。
彼女たち……ASG5による前説と、前説ソング(笑)の諸注意を経て、いよいよ本編開始……。
 
公演終了後につきネタばれ全開モードでいきます!
 
 
 
主人公・クラウスあたる(木村昴・以下敬称略)は日独のハーフ。
10年前に謎の失踪を遂げた父が勤めていた会社「恋津のり」(東京都杉並区阿佐ヶ谷)の海外営業二課に現在は勤めている。
会社の業績はいいのだが、彼の所属する海外営業二課と、同じフロアで働く国内営業二課とは犬猿の仲。
事あるごとにいがみ合っては対立していた。
 
そんな中、国内営業二課に伊武ちあき(大村彩子)という新入社員が入る。
彼女は実は、その日の朝、偶然あたるが電車のチカンから助けたという経緯があり、まさに運命的な再会を果たした。
あたるとちあきのただならぬ様子に周囲は色々勘繰るのだが……。
 
一方その頃……そのチカンを間違えられた博士(大佐藤崇)は助手の星(桜井ひな)と共に政府対策委員会に召喚されていた。
博士が見つけたある未確認物体がこのままだと、太陽と地球の間で待機してしまい大変な事になるというのだ。
だがその物体から、謎の暗号が発信されていた。
その暗号の発信先こそ、あたるの勤務先での電話だった……。
 
 
 
果たしてあたるに送られてくる、謎の暗号とは!?
そしてあたるに訪れた恋の予感の行方は!?
 
「恋津のり」の人間関係を中心に、物語はクライマックスへと進んでいく……!
 
 
 
まぁ本当に大体のあらすじ。
これでも序盤。もうちょい話していいけど、意外と難しい事に気付いた。
 
舞台自体は2時間ちょっとだったけど、話をまとめると大筋はあたるの活躍譚であり、恋愛譚。
そこに色んな人物の、色んなストーリーが絡んで、話を盛り上げるという手法。
 
例えばライバルとして、あたるの同期で国内営業二課・白井まもる(野村龍一)とのいがみ合いから、友情が成立するまでの過程。
更にその白井といい仲になるブラジル人とのハーフ・松雪マリア(平田小百合)との恋愛模様。
それを更に海外営業二課と、国内営業二課の大きな溝が埋まっていく過程など、うまく本筋と絡めている。
 
またあたるの母・幸子(岩尾由美子)、妹・ラム(三田寺理紗)の存在や、ナイトクラブの存在、政府対策委員会の存在などが物語を盛り上げる。
(ってか、妹の名前がラム……って元ネタはあの有名マンガか!?・笑)
本当に数え切れない程の登場人物が登場しますが、どんな端役でも一人、一人に個性が強烈にあり、誰一人欠けても成立しない洗練された一本のストーリーになっています。
 
そんな中、劇中の小道具と言えば、パイプ椅子くらい。
これは海外営業二課、国内営業二課の席を表現する時にメインで使われるのですが、殆どこれで事足りているのが素晴らしい。
もっともプロジェクターなどを使うなどして、演出を工夫したところもあったけれど、場面転換が本当にスムーズでストレスを一切感じないストーリー展開に一役買ってました。
あ、後、終盤で出てきたママチャリがあったか(笑)
 
全体を通して、骨董無形でお馬鹿な展開だったんですが、それが本当に爽快で、非常に楽しい舞台でした。
2時間という時間があっという間。
オチもかなり個人的には好みです。
 
 
 
さて気になった出演者でも。
やはりなんといっても主役・クラウスあたるを演じた木村昴氏。
言い方悪いんだけど、外見は美形のジャイアン(笑)凄いガタイもいいし、立っているだけで存在が栄えます。
気になって彼の経歴を調べたら、本人は実際、日独のハーフとの事。
また劇中でラップも披露しているのですが、これも彼がラップをきちんとやっているとの事。
きっとジャイアンのイメージだけで観たら覆される。それくらいの大仕事をしっかりやってのけていました。
 
続いてヒロイン・伊武ちあきを演じた大村彩子嬢。
普通にかわいらしいヒロインでしたが、個人的にはフィギュアスケートの安藤美姫にそっくりだと思いました(笑)
でも途中、酔っ払った演技とかはうまいなぁ……と。
ただかわいいだけじゃいけない。あれくらいくだけている方が魅力的だと思います。
 
白井まもるを演じた野村龍一氏も印象が深い。
最初はあたるのライバル=皮肉屋の一面が前面に出ていましたが、途中からマリアと絡んむようになってからのツンデレ具合も見てて楽しかった。
そういう意味ではあたるとちあきのカップルもいいけど、まもるとマリアのカップルもいい感じで楽しかったなぁ。
松雪マリア役の平田小百合嬢含めて、ここの人選はハマってました。
 
個人的に好きだったのはジョジョを演じた熊野直哉氏。
ってか時事ネタですな。ジョジョ(笑)ただし焼肉店の倅だから「ジョジョ」
一番出来るキャラなのに、一番人格的に破綻していたのは大笑い(笑)
そんなジョジョによく絡む、JK演じた遠藤瑠香嬢は外見ギャルだけど、普通にかわいかった(笑)
後は恋津社長の望月邦秋氏の存在感は素晴らしかった。

そしてお目当ての村井みゆき嬢。
演じたのは井関めぐみという社長の秘書。
よって登場シーンは殆ど恋津社長とセットだった。
(モブでクラブの客で紛れていたりしたけど)
社長の隣でスーツ姿で立つ姿が凛々しくて様になってました。
登場人物が多かったので、その中で個性を際立たせるのには難しい役どころ(いや他が個性強すぎ)でしたが要所、要所で社長の思いを代弁するなどしっかり秘書をしていました。

……実はここであげた出演者でも1/4くらいじゃないかなぁ?
多くの老若男女の幅広い年齢層の出演者たちが様々な人間模様を繰り広げた、笑って楽しめる爽快な舞台。
非常に観ている側としても楽しい舞台でした。



余談ですがこの日の観劇後、早く自宅に戻って久々に「ドラえもん」を観ました。

ジャイアンが輝いているように見えました。

これからも木村昂氏には頑張って欲しい。
そう心から思いました。



・天才劇団バカバッカ・公式サイト↓
http://www.t-bakabakka.com/