季節も変わりつつある昨今。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
季節はすっかり秋。秋と言えば、芸術の秋。芸術と言って思いつくものは数多くあれど……舞台も芸術の一つですよね。
……という事で舞台に行ってきました(笑)
向かった先は池袋・シアターグリーン BATH THEATER。
もう何度か行っているので、場所はお馴染みですが、観る劇団はお初。
今回は劇団「CAPTAIN CHIMPANZEE」公演「思いの鳥」の様子をレポートいたします。
なおこの公演は「第23回池袋演劇祭」に参加しているとの事です。
まず今回のお目当ては村井みゆき嬢。
今年春にジャングルベル・シアターを退団して現在フリーの彼女ですが、6月に続きまたまた舞台に出演するという事でしたので拝見しにいきました。
その6月にはまさかの小学生を演じた彼女が果たして今回演じてくれたのは……。
そんな気になる本編の前に……会場などその他諸々のお話でも(笑)
会場のシアターグリーン BATH THEATERは全席椅子席の小劇場。
今年2月に「悟らずの空」が公演されたBIG TREE THEATERのお隣ですが、BIG TREE THEATERと比べるとキャパは少なく、全席パイプ椅子。
昨年も「河童の水際」で何度か訪れていますけど……でもどっちかというと、こちらの方が「小劇場」という感じが強い。
雰囲気的にはとっても好きな劇場です。
さてそんなBATH THEATERに入場すると、まず雰囲気作りに驚かされる。
舞台の上には駅のホームを再現したセットが目に飛び込んでくる。
そして絶え間なく流れ続ける、さざ波の音……まるで自分が海の側の駅に居るような錯覚に陥る。
更にこっているのが、駅の駅長がなんと観客の切符を拝見して回るというこりっぷり(笑)
よくよく入場券をチェックするとこれがきちんと切符の形になっているんですよ(笑)
でもこうした遊び心にも似た、小さなこだわりが素晴らしかった。
本編が始まる前からこんな感じですから、舞台の世界観にどっぷりハマる準備は自然と出来ていました。
さてそんな感じで本番直前、先ほどの駅長が挨拶。
そして電車の出発を告げて、舞台は暗転……物語はこうして始まった。
それではネタバレにならない程度のあらすじ。
公式サイトに載っている情報を元に書いていきます。
とある駅のホームに集まった男女四人。
それぞれ理由は違えど、共通しているのは、この「思いの鳥」駅の入場券が送られてきたという事。
そして同じ電車の到着を待っている事。
実家のペットが電車から降りてくると聞かされてやってきた本多元子(鈴木未穂子・以下敬省略)
もうすぐ子供が生まれる酒井忠(宮下真)、正子(川瀬ゆい子)の夫妻。
あだ名が「のび太くん」の黒淵メガネの青年・渡辺守(春見しんや)
そこに突然現れた冒険家風の男・榊原(朝倉治永)
彼によればこの駅の付近に幻の鳥「思いの鳥」がいるという。
電車の到着まで時間があるので、四人は榊原と一緒に「思いの鳥」を探し始める……。
すると駅長(役名では車掌・木村賢)がやってきて「思いの鳥」はそこにいるという……。
しかしその「思いの鳥」はそれぞれ元子、酒井夫妻、守のであって、榊原には捕まえられないという。
でもそれは何故……思い当たる節が無い四人、そして不思議がる榊原のために駅長は車掌となって「特別列車」を運行する……。
……という序盤のあらすじ。
ちなみにこの時点で「思いの鳥」は姿を現している。
しかしフライヤーの絵に騙されてはいけない(笑)
言ってしまえば着ぐるみだから(笑)
この後は元子、酒井夫妻、守の物語が「思いの鳥」、車掌と榊原が中心となって一つずつ丁寧に紡がれていく。
この四人に何故「思いの鳥」が姿を現したのか……。
その理由は少しずつハッキリしていく。
だかその理由を理解した後で、四人に待ち受けていたものとは……。
大体こんな感じです。
本当に序盤はドタバタしながらも、ノリツッコミの軽いテンポで話がどんどん進んでいきます。
そして元子、酒井夫妻、守のそれぞれの物語もオムニバス形式の形で進み、軽快な笑いと、心が温まるような、でも少し切ないエピソードで締められています。
しかし最後の最後で……ちょっと引っくり返されました。
でも話自体は凄い良くまとまっていましたし、作・演出の伝えたい内容、テーマはヒシヒシと伝わってきました。
敢えて作・演出の坪田直也氏はパンフレットに、挨拶らしい挨拶を書かなかったとの事です。
「今回、思いはすべてお芝居に託します」とありましたが、まさに余計な挨拶はいらない舞台でした。
さてお目当ての村井みゆき嬢以外で気になった出演者でも。
その前に今回は一人二役、三役が多いため、パンフレットに「配役表」なるものが同封されていました(笑)
これを終演後見ると「ああ!」と思います。ってか、役者ってやっぱり凄いなぁ。
真っ先にあげるなら塩谷和裕氏。
一人三役で一番立っていた方です。
その三役とも彼が演じたのは分かるのですが、見事に演じ分けていたと思います。
同じ役者だと分かっていても「あぁさっきまで○○だったのにねぇ」なんて思いながら、結構楽しませてもらいました。
ちなみに個人的には俳優の要潤になんとなく似ているなぁ……なんて思いながら拝見してました(笑)
次に挙げるなら池上映子嬢。
この方は二役でしたが、逆に終演後に配役表見るまで同一人物とは気付きませんでした。
それだけその二役の印象が全く違いました。
個人的には守のエピソードで演じた安藤さんが凄い良かった。素敵すぎる。
車掌の木村賢氏と、榊原の朝倉治永氏あたりは終始同じ役でしたが、いい立ち振る舞い方していました。
いわばこの二人が進行役みたいなところはありましたしね。
特に木村氏はもう開演前から、客席で切符切ったりしているんですよ(笑)開演前から客前に晒されっ放しで一番集中力いたんだろうと思うと天晴れです。
別の意味で印象的だったと言えば、長井柚嬢。
……小さかった。あまりにも気になったので、公式プロフィール見たら身長139.2cmって……。
そんな彼女が演じた花子ちゃんは、とってもかわいい小学生でした(照)
それと村井さんに指摘して気付いたといえば、長浜良子嬢。
今回も園子というチャキチャキした奥さんを演じているんだけど、小気味いいツッコミっぷりに……どっかで観たことあるなぁ……と思ったら。
「草薙の風」の倭比亮(ヤマトヒメ)か(笑)
ってか、この時も気前のいいおかんキャラだったよね?(笑)
おかんキャラやらせたら無敵だわ……ってか、生で見れて良かったです。マジ感動(笑)
最後にお目当ての村井みゆき嬢について。
今回、彼女も例に漏れず一人二役でしたが、どちらかと言えば見せどころは……おばあちゃんでしたね!
まぁ彼女もブログに載せているので、問題は無いでしょうが見事なまでにおばあちゃんでした!(ついでに言うと役名もまんま「おばあちゃん」・笑)
今回の村井嬢が演じたおばあちゃんは、着物の上に割烹着という昭和の古き良き時代のおばあちゃんのステレオタイプそのまんまでした。
このおばあちゃんが本当に素敵です。
本当に優しい口調で孫思いの、古き良き時代の、どこにでもいそうで最近は見かけないような素敵なおばあちゃんでした。
心なしか表情も凄い優しくてね……言い方悪いけど、昔の漫画の世界から出てきたような本当に理想的なおばあちゃんでした。
それにしても彼女自身、6月には小学生を違和感無く演じていた事を考えると、どんだけ役者の幅が広がっているんだ……と驚嘆するばかりです。
それともう一役あるんですが、こちらは出番はちょっとだけ。でも今までの彼女のイメージには一番近いかなぁ……という感じです。
とにかく今回はおばあちゃん見てください!ジャンベルファンの人は必見!絶対いいです!
まぁそんな感じです。
ちなみに上演時間は2時間5分とやや長め。休憩はなし。
終盤お尻は痛くなるかもしれませんが、気になるほどの長さではありません。
そんなところです。
ちなみに公演は土日挟んで月曜日までやってます。
まだチケットは残っているかもしれないので、気になる方は行ってみるといいかもしれません!
ちなみにリピーターだと1,800円で入れるらしいです!
私みたいに「マラソン」する人には優しいです!(笑)
・CAPTAIN CHIMPANZEE・公式サイト↓
http://capchim.com/