【舞台観賞】「TryAngel-トライアングル-」(演劇集団ふれる~じゅ) | ヒトデ大石のなんとなくレポート置場

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2011年8月「ヒトデ大石のどんなブログにしようか検討中。」からタイトル変更。
ライブイベント、舞台観劇のレポートを中心に書いていこうというブログ。
以前はmixiが主戦場だったけど、今はこっちが主戦場(笑)

「リコリス」マラソンから約2週間が経過しました。
しばらくは舞台いいかなぁ(爆)なんて思っていましたが、どうしても面白そうな舞台があったので、これは行きたくなりました。

まず向かった先は両国。
国技館とは逆方向に向かった先にあるのは、老舗の劇場・シアターX(カイ)

舞台観賞が趣味の某マイミクさんやら、某舞台俳優の方に言わせれば「シアターXは敷居が高いから、ここで演じれる劇団にハズレは無い」と言われておりました。
そんな訳で「演劇集団ふれる~じゅ・20周年記念本公演」と銘打った舞台、「TryAngel-トライアングル-」を観に行きました。

さて感想を前にこの「演劇集団ふれる~じゅ」について、存在だけは結構前から知っておりました。
自分が良く取り上げている、塚本善枝嬢も結構前に客演経験があるので、どういう劇団かは気になっておりました。
しかし結成20年とは長いですね……20年前と言ったら、自分はようやく中学生になった頃です。
そんな前から今でも延々と続いている劇団なのですから、これは期待していいと思います。

ただそれだけが観に行った理由ではありません。
先程もチラっと名前が挙がった塚本嬢ですが、彼女が所属する劇団「ジャングルベル・シアター」(通称・ジャンベル)
実は今回、そのジャンベル率が異常なまでに高い(笑)
そして更に気付いた事に5月に拝見した「Lady,be...」(東京ROSE company)率も非常に高い(笑)
(観た当初は気付かなかったけど、終演後「あれ?どこかで観たかも?」という人が何人かいたので調べて気付いた)

今回の舞台、ダブルキャストなんですけど、私が観た回の出演者の半数は舞台、もしくはDVDで観た事ある方たちでした(笑)

これは後半上げるとしましょう。

それでは公演の感想……の前に劇場の感想でも。

席の数はそこまで多い気はしないけど、そのへんの小劇場とは比べ物にならない……いわば貫禄みたいなのを雰囲気から感じました。
前から後の席の角度があまり無いので、前の席に人が座ると若干見づらいけど、席もしっかりしているし長時間の観劇に耐えられる仕様にはなっております。
もう席座っただけど「劇を観に来た!」って気分にさせられる劇場、そうそうありません。
機会があったら是非、行ってみるといいです。

そんな訳でいざ本番……の15分前に、ショートムービーが流れます。
なんかジャンベルの15分前企画みたいだなぁ(笑)
このショートムービー、ほんの数分です。
観ても観なくても、本編のストーリーを知る上で殆ど関係ありません。

……が、雰囲気にのめりこみたい人は観る事をオススメします。

さてこうしていよいよ本番ですが……公演が9/11まで続いているのを考慮してネタバレ無しの方向で行きます。
だけどこれはネタバレ有りにしたら、語れる舞台だなぁ……(笑)



序盤、特に最初は一方的に話を押し付けられる感じがして、何がなんだか分からないです。
でもここはサラっと観る感じでいい。
この序盤の展開は後でしっかり回収してくれますから。

今回、フライヤーにもあらすじがあんまり書いていないから、あらすじもどう書いていいか分からない。
ただ序盤にふとしたキッカケで主人公が帰郷するところから物語は本格的にスタートします。

序盤が慌しかったのに比べると、前半はこの後、徐々に整理されていきます。
この頃になると何となく、話が見えてきて分かりやすい展開になります。
途中、過去と現在が入り混じりますが、このストーリーを語る上で決して欠かせない要素になってきます。
この過去と現在の行き来の手法が非常に秀逸でした。

また主人公の心の葛藤の描き方、そして周囲の捉え方が非常に良く表現されていました。
そういう意味では主人公の気持ちがこちらに伝わりやすいので、感情移入しやすいと思います。
そうでなければ周りの登場人物の立場になって、もどかしい気持ちになるかもしれません(笑)

中盤、主人公の心の葛藤、闇に迫っていくのですが、ある急展開をキッカケに話は収束へと向かっていく……。
そして待っていた結末は……。



……自分で読んでいて意味不明です(笑)
結局、実際観るべしって事ですね(笑)

ただこの舞台は自分に近い年代の人には観てもらいたい舞台です。
恐らく設定年齢的にも、自分の年代に非常に近い登場人物が多く登場します。

だからこのキャスティングだったのか……と一部、出演者が出演した理由がなんとなく納得出来たりして(笑)



さて今回印象に残った出演者なんですが……。

その前に「ジャンベル」所属&出演歴がある人だけでもあげると……(以下、全員敬称略)

西村太一(劇団員)
神田英樹(劇団員)
鵜飼真帆(「悟らずの空」柳花役)
松下尋(「サラマンドラの虹」イシュタム役)
及川崇治(「悟らずの空」銀鶏役)
長尾歩(「リヒテンゲールからの招待状」シュピーゲル役)

多いなぁ(笑)「ジャンベル」ヲタなら万歳だ!(笑)
ちなみにダブルキャストなので、神田、及川、長尾の三名は出ていない回もあるので注意しよう(笑)

これに5月の「Lady,be...」組が西村、鵜飼、松下の三名のシングルキャストに加えて……

中田守
島之内教正
宮本野明

道理で安心して舞台を観られた訳だ(笑)
やっぱり演技を一度でも観ている役者さんと、初見の役者さんだと、どういう演技をする人なのかベースの情報があって安心しますからね。

……でも一部、終演後に気付いた人もいるので、初見と同じ気持ちで観ていた人も多いですけど(笑)
(特に松下氏は今回の舞台観終わるまで「サラマンドラ」のイシュタム役だった事、そして5月「Lady,be...」に出演していた事すら気付きませんでした……懺悔します・汗)

そんな中、本当に初見で一番印象に残ったのはマナブ役の高橋麻琴氏。
観ていて存在感と安心感を感じました。
彼の役柄が実際、劇中でもそういうポジションなんですけど、うまく演じていたと思います。
ところどころしっかり笑いも取れていたし。
それ故、中盤のあの展開は意外だったし重かったですね。

次に挙げるなら宮本野明嬢。
彼女の場合は「気付かなかった」という意味で驚かされました。
先程から何度も出ている「Lady,be...」で彼女を拝見しているのですが、最後まで同じ人とは気付きませんでした。
ただ演じている役柄のポジショニングは非常に近いところがあるんです。
それでも全く違う方に見えたという意味では、彼女の演技の幅の広さを垣間見た瞬間でした。
ダブルキャストなのが勿体無い気がします。

個人的に好きだったのは、ソウセイ役の松下尋氏。
彼が演じた役、結構好きです。
いい意味で人生割り切っている人ですが、彼の一言、一言に非常に力が籠っています。
結構、年配の方が好きになりそうな気がしますね。

でも今回、一番評価したいのはケンゴ役の神田英樹氏ですね。
彼の演じた役柄ですが、非常に人間臭いんです。
今まで人以外の役(仮に人だとしてもまともじゃない役)が多かった彼ですが、しっかり人間も出来るんですね(失礼)
正直言って前半は彼が色んな意味で引っ掻き回すから、ストーリーも進むし、話にテンポが生まれたと思うんです。
だけどその引っ掻き回し方も嫌味じゃないんです。非常に丁寧で繊細なんです(本人マッチョですが・笑)
彼の演技はDVD、舞台で何度か観てますけど、ここ数年の中では一番いい役に当たったんじゃないかと思います。
自分と同い年で頑張っている神田氏。今後も是非、応援していきたいと思いました。
唯一、ダブルキャストなのだけが残念。シングルキャストでいいよ……。
(もっとももう一方のキャストは拝見していないので、何とも言えませんが)

後は西村氏のアレとか衝撃的だったし、鵜飼嬢のあのポジションは磐石だと思ったし……。
失敗したなぁ。終演後にネタバレ有で語った方が良かったか!?(笑)

でも今日は無理でもまだ土日あるから、是非時間があったら観に行って欲しいと思える舞台だったので、今、掲載しました。
後悔はしていない!(笑)

とても丁寧に作られているヒューマンドラマで、凄い見応えがありました。
本当に最後、涙腺が緩んだ時点で負けました(笑)



ただし一つだけ……。

上演時間、2時間20分(途中休憩5分有)

若干長いかなぁ……もう少しまとめられなかったかなぁ……。
これだけが本当に残念でした。

でも絶対観る価値はあります。
9/11まで公演しているのでお時間がある方は是非!

特にジャンベルヲタな方は観ないと損すると思う(笑)



※公式サイトがどういう訳か見当たらないため、シアターXの公式サイトより公演情報をリンクいたします。
http://www.theaterx.jp/11/110906-110911t.php