【舞台観賞】「Lady,be...」(東京ROSE company) | ヒトデ大石のなんとなくレポート置場

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2011年8月「ヒトデ大石のどんなブログにしようか検討中。」からタイトル変更。
ライブイベント、舞台観劇のレポートを中心に書いていこうというブログ。
以前はmixiが主戦場だったけど、今はこっちが主戦場(笑)

4月下旬から始まった観劇ラッシュもこの公演で一区切り……といったところでしょうか。
この一ヶ月以内で4本なので、自分としては観た方です。
そう考えると2月の「悟らずの空」マラソンが異常だったと改めて思う訳です(爆)

さて今回お伺いしたのは「東京ROSE company」という劇団……になるんでしょうか。
しかし不思議な事にこの劇団、全くと言っていい程、事前の情報がありません。
ググっても、何しても、出てくるのは演劇系サイトの公演紹介とかばっかり。

それもそのはず……この「東京ROSE company」今回が記念すべき第一回公演になるのです。
そりゃ公式サイトも無いし、情報も何も無い訳ですわ。

今回この公演を観に行く事にした理由は前述の「悟らずの空」の出演者が2名出演するからです。
一人はジャングルベルシアターの劇団員・西村太一氏。「悟らずの空」では孫悟空を演じていた彼がどういう演技を見せるのか。
またジャンベル以外での彼はどういう演技をするのか。それを観たくて、西村氏で入場しました。
(ただし予約したのに、何故か予約扱いになっていなかったという罠が発生しましたが・笑)

もう一人は鵜飼真帆嬢。「悟らずの空」では柳の妖怪・柳花を華麗に、そしてセクシーに演じておりました。
実は公式プロフィールを拝見すると全く同い年の32歳。
頑張っている同年代を応援したいという気持ちでいっぱいでした。

そんな自分の中の注目ポイントを抑えつつ、いざ会場に……。

向かった先は新宿・SPACE107。
西口の先にあるヨドバシカメラとかを抜けたあたりにあるのですが……この会場、自分の記憶が間違ってなければ多分2回目。
一度、DMFの舞台で行った事があったはず……。
なのでうる覚えの記憶で楽々たどり着けました。

しかし思ったより早く到着したので、終演後の食べ物屋探しをしてきました(笑)
意外と飲み屋とかが多くて、大人数で来ていたら、まず間違いなく終演後一杯ひっかけていましたね(笑)

そして開場時間となり入場……。

以前入場した時はもっと椅子席が多い気がしたけど……まぁ気にしても仕方ない。って事で真ん中よりやや後方の席に陣取る。
自由席はこういう時はいいよね。
早い者勝ちだから、自分の好きなポジションで観劇が出来る。
ちなみに席は……きちんと数えていないけど、70~80くらいだっただろうか。
大雑把だったけど、大体、それくらいだと思う。

最初はまばらに思えた席も開演直前にはほぼ満席。
平日の19時スタートでこれなら盛況ではないだろうか。



そんな訳でまだ公演が終わっていない経緯も考慮して、出来るだけネタバレ無しの方向で感想でも。

まずは簡単なあらすじ。
物語の舞台は、遠くない未来の話。
アンドロイドの開発に成功したアイザックコーポレーションは、アンドロイドの試験的運用の目的も兼ねて、アンドロイドによる劇団「アクタロイドシアター」を設立する。
毎日のように、まさしく正確無比に上演を繰り返すアンドロイドたち。
しかしそんなある日の事、劇場の近くで起きたある事件をキッカケに物語は動き出す……。

……これくらいしか書けないなぁ(爆)
多分、これ以上書いたら、楽しみが無くなってしまう。
フライヤーに書かれている内容も大体、こんな感じだしさ(笑)

そんなあらすじですが、まず序盤からいきなりクライマックスである。
……が、この場面、妙に堅苦しく、そして妙に不自然に感じる。
だがこの序盤は、とっても重要になってくる。しっかり覚えて置くように。

ただここで一部の観客の方には注意してもらいたい。
まぁかなり限定的ですが、それなりに古い作品を熟知しているジャングルベルシアターのファンの皆様。
……確実に笑いどころが一箇所ある(笑)
自分は一瞬目を疑いました(笑)
ネタバレしていい頃になったら、改めて言いたいくらいの壮絶なネタである(笑)覚悟よろしく(笑)

さてこの作品、登場人物は人間とアンドロイドに分別される。
もっぱら序盤は「アクタロイドシアター」に関わる人間や、ある事件を追いかける刑事など主に人間たちを中心としたストーリーが展開される。
それには大きな理由があるのだが、ここで話の大方の流れは理解出来ると思う。
そしてある提案をキッカケにアンドロイドたちが、右往左往に動き回る展開に発展していく。
ここの運びはうまかったと思うし、バランスを上手く取ったように思える。

主に笑いの要素を絡めながら物語は中盤に差し掛かっていく。
しかし事の真相に近づくにつれ、少しずつ明らかになる違和感とその答え。
笑いどころが散りばめながら、シリアスな展開が徐々に広がっていく。

そして終盤、一つずつ、一つずつ丁寧の全ての伏線が繋がって、物語は結末へ続いていく……。

……とまぁネタバレ無しだとこんな感じ。



物語全体の流れとしては伏線は全て回収も出来ているので、破綻は起きていない。
ストーリー的にはもう少し大どんでん返しがあっても良かった気がするけど、そこは無難にまとめてきたような印象も受けます。
アンドロイドを通して、我々に対して伝えたいであろうテーマは伝わってきました。

ただ話が終盤、まとめに入っているところで反応に困るシーンもややありました。
敢えてそこは、チャチャを入れない演出で良かったんじゃないかなぁ……と思いました。
また個人的にあのラストはどうなのかなぁ……って思う。
ラスト前までは、かなりいい感じだったので、あのラストはちょっといただけなかったかなぁ。
(あくまで個人的な感想ですが)

内容は決して悪くない。
だけどもう一回観て印象が変わるかどうか……ってところですよね。



印象に残った出演者でも。
お目当ての西村太一氏、鵜飼真帆嬢は後に語るとして……。

まずはコースケ☆ハラスメント氏(しかしなんちゅう芸名だ……)
彼が演じたのはあるアンドロイドなんですけど、非常に面白おかしかった。
劇中では西村氏演じるアンドロイドと、セットみたいな感じで活躍してました。
しかし一つの劇中で、幅広い演技の引き出しを見せており、多才っぷりを発揮していたように思えます。

続いてあげるなら西原翔吾氏。
人間の側ですが、中盤までヘタレ担当なのに、終盤美味しいところを持っていく登場人物の典型例。
多分、彼の役柄が好きな人は多いはず。
同じ路線で松下尋氏が演じた役柄も、ところどころカッコよさを見せる。序盤は専らダメ人間要員なんだけど(笑)
ヘタレ、ダメ人間なのに、さりげなくカッコよさを見せられるというギャップがある人、そしてそれをうまく使い分けられるところに魅力を感じます。
普段「ヘタレ」とか「ダメ人間」と呼ばれている自分なので、妙に共感出来るのかも(笑)

そして多舞タカシ氏。
この東京ROSE campanyの代表です。
凄い演技がうまい……という風に感じなかったのですが、なんか妙に印象に残ってます。
まぁ出番が非常に多かったのもあるんでしょうけど、彼が演じた役のような生き方をしている人、きっと共感出来るだろうなぁ……。

お目当ての出演者に目を移します。
西村太一氏のジャンベル以外での演技を観るのは、今回が初でした。
ジャンベルではどうしても主役級のポジションを演じる機会が多い彼ですが、今回は脇役。
脇役の中では中心人物的な立ち位置でしたが、とてもうまく立ち回っていたように思います。
主役がいる時や、他の登場人物を立てないといけない時は本当にいい引き立て役に徹していたように思います。
喋り方や立ち振る舞いはいつもの西村氏なのですが、違った一面を観たように思います。

続いて鵜飼真帆嬢ですが、ズバリ今回の主役!
前回「悟らずの空」で拝見した柳花のイメージが強烈でしたが、そのイメージが払拭されました。
むしろ今回の役柄の方が、本来の彼女が得意とする役柄なのではないか?そう思いました。
正直、衣装が似合いすぎ(笑)
演技の上手さとかではなく、主役として花がありました。
物語が進むにつれて見せる、様々な微妙な変化もうまく演じていたと思いますし、今回彼女を再び拝見出来てよかったと思います。



……とまぁ大体、こんなところですかね。
舞台は大体2時間ちょっと超えるくらいですかね?

出演者個々のうまさが光る舞台なので、一見の価値はあると思います。
5/15まで開演しているので、お時間がある方は行ってみてはいかがでしょうか?

・公演情報↓
http://www.enjoytokyo.jp/stageplay/event/439101/