【舞台観賞】「めぐりあうとき」(カラフル企画) | ヒトデ大石のなんとなくレポート置場

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2011年8月「ヒトデ大石のどんなブログにしようか検討中。」からタイトル変更。
ライブイベント、舞台観劇のレポートを中心に書いていこうというブログ。
以前はmixiが主戦場だったけど、今はこっちが主戦場(笑)

今年はいっぱい舞台を観に行くぞ~!……って宣言していた割には、今年2本目(笑)
まぁ2月に「悟らずの空」マラソン(笑)してたから、お腹いっぱいになっていたのかも。


さてそんな約2ヶ月ぶりに拝見した作品が、この「めぐりあうとき」という作品です。


観に行くキッカケは二つ。


一つは現場でお馴染み、清水「ニコニコ」学氏の超オススメ。
ここ数ヶ月、舞台の話題になるたびに「絶対観た方がいい!」と何度も勧められました(笑)


二つ目のキッカケは2月に拝見した「悟らずの空」に客演していた斉藤佑介氏が出演しているから。
「悟らずの空」では沙悟浄を演じきった彼が今回、どのような演技をするのか観てみたくなったからです。


そんな今回の舞台ですが、注目のポイントは他にもある。


今回の作・演出は園田英樹氏。
あのアニメ「ポケットモンスター」の脚本を書くような方である。
そんな方が一年に一度、舞台のために脚本を書く。
どんな舞台になるのか、アニメファンならずとも期待せずにはいられない。


そして出演者には「ポケットモンスター」のサトシでもお馴染み、松本梨香さんの名前もある。
これも声優ファンならずとも、注目したいポイントではなかろうか?


さてそんな感じで胸躍らせてたどり着いたのは、赤坂RED/THEATER。
赤坂駅、T●Sの近くを通って約5分のところにある。でも意外と入口はわかりにくいかも。
地図持参推奨。あ、プレの現場の方に分かりやすく言うと、赤坂MOVEやL@N赤坂の逆方向(笑)


会場自体は典型的な小劇場で100人も入ればきっと満員でしょう。
縦に長いのでイメージとしては、シアターグリーンのBIG TREE THEATERに近いかな。


ちなみにこの日の私の席は前から3列目の下手側。
近すぎず遠すぎず、自分的にはなかなかいいポジションだったと思います。


そして舞台中央には大きなベッドがどーんと構えてあり、背後には大きな窓があります。
このベッドと窓は今回の舞台の特徴であり、またストーリー上、どうしても欠かせないものとなっていきます。


さてネタバレしない程度に本編について触れましょう。


序盤は静かにスタート。
しかしすぐに近所同士のドタバタ劇みたいな展開に入っていく。
ここでのテンポの良さは、脚本の腕の見せ所の一つだと思う。
まるで舞台でありながら、アニメを見ているような錯覚に陥る。


この一連の流れで各登場人物がどういう人物で、どういう関係なのかは大体ここで分かるようになっている。
しかしここで各人物の関連性を見ていて、どうにも不自然さや唐突さを感じたりするところがあったりする。
だけどその不自然さ、唐突な印象こそ、終盤重要になってくる。


一通りドタバタ劇が終わった中盤に入る前に、某有名通販モロパクリ(笑)のシーンが入るのであるが、これも非常に重要だったりする。
そして中盤以降、今までとは舞台の見せ方が明らかに変わる。
逆にここからの展開については、アニメでは出来ない表現を舞台で演じている。
この持って行き方は非常に秀逸。
恐らく序盤で人間関係をあらかた我々に整理させる必要があったのは、この展開を見せたいがためじゃないか。
そうとさえ思える。


そして物語終盤、一部登場人物に残っていた不自然さ、唐突さが一気に解消される事となる。
ここから物語は怒涛の展開を迎えるのですが……。




まぁこんなところでしょうか。
やっぱりネタバレ無しで、本編のストーリーに一切触れないで語るのはきっつい(笑)


しかし今回、舞台全体を観ていて思ったのは、物語のテンポの良さ、運び方の上手さを感じました。
舞台の長さは1時間55分なのですが、結構あっという間。
体感時間にすると、もうちょっと短かったようにも感じましたが、物語を詰め込みすぎず、かと言って飽きさせない。
そういう展開の上手さがありました。


それともう一つ、アニメを手がけてきた脚本家ならではの表現方法と、あえてアニメでは出来ない舞台ならでは表現方法が随所に見られたと思います。
序盤のドタバタな展開はまさにアニメを手がけてきた方だから出来たであろう表現。
逆に舞台でやりたかったのは中盤以降の表現だと思います。
この点、頭に入れて観ると面白いと思います。
ところどころ貼られている伏線もいい具合にまとまっていたと思います。


唯一残念だったのは、全ての登場人物を活かしきれていないような気がします。
観ていて「この登場人物って本当に必要?」と思わせる展開もありました。


ただそれを差し引いたとしても、非常に秀逸な舞台でした。
作・脚本のうまさは間違いなく、ピカイチでした。


さて印象に残った役者さんでも……。


主人公を演じた林勇輔氏はかなりいいと思いました。
彼の演じる高崎常道は成功した引きこもりなんですが(これはチラシにも書かれているので、書いていいかと)外見からしてまさしく引きこもり(笑)
おどおどしている態度とか、全編通して本当にいい味を出して演じていました。
正直、外見的にはカッコよくないのですが、だけどそれが却っていい!そんなところです。


次に挙げるなら佐藤拓之氏。
彼はひょんな事から主人公と知り合う役柄なのですが、今回の物語の鍵を握っているキーパーソン。
とにかく序盤からずっと怪しいです(笑)
怪しいですが……中盤以降は彼が何者なのか。それが分かるにあたり、彼の存在自体が観ている側にとって自然に入り込んできます。


でも忘れちゃいけないのは、松本梨香さんでしょう!
ただし今回、梨香さんを観るにあたり一つだけ注意点があるならば、アニメ声優、もしくはJAM PROJECTなど普段イメージできる彼女のイメージは捨てましょう。
いや捨てなくてもいいですが、等身大の一人の女性として観るといいと思います。
今回の梨香さんの舞台を見て、声優としてではなく、一人の女優としての彼女を観れたので、これは面白かったです。
アニメファンはちょっと違った梨香さんを観るイメージで観ると楽しいかもしれない。


最後に斉藤佑介氏。
彼の演じる役柄は非常に分かりやすかった。とにかくいい意味でも、悪い意味でも純粋なんです。
どう純粋なのかは……ストーリーに触れる部分になるのでここでは書けないけど、見れば納得していただけるかと。
全編通して観て、実は一番感情が移入出来たのは彼じゃないかなぁ……そう思います。
それともう一つ言うなら「悟らずの空」の沙悟浄の時に通ずる感情の見せ方の上手さと、それとはまた違ったハチャメチャな彼の姿と両方見れます。
某ハンカチ王子と一文字違い(あ、「斉」の字も違うか)だけど、彼も「もってる」役者だという事がよーく分かりました(笑)




そんな「カラフル企画」の公演。
4/27まで赤坂にて公演しております……が、既に土日は完売の様子(汗)


平日ならまだ若干席に余裕があるようです。
もし気になったなら、観に行く事をオススメします。


カラフル企画・公式サイト↓
http://www.colorful-kikaku.com/