※このライブレポートは3/27に行われたライブになります。
超遅筆モード、すみませぬ(汗)
毎年、数え切れないくらいのインディーズアイドルがデビューする。
しかしその一方で同じくらいの数のインディーズアイドルが消えていく。
多くのファンに見送られて幸せなラストを迎えるアイドルもいれば、誰にも知られる事なくひっそりと辞めていくアイドルもいる。
またある日、突然自ら身を引いてしまうアイドルもいたり、去る時の事情は人それぞれだ。
……インディーズアイドルの平均寿命は正直、きちんと統計を取った事は無いので分からない。
しかし数年前、この業界を特集した記事を読んだ時は、一年以内にデビューして辞めるアイドルは全体の8割にも上るらしい。
8割……は大袈裟にしても多くのインディーズアイドルが、一年ないし二年で現れては消えている事自体、もう6年も業界を見ていれば肌で感じる。
試しに自分の過去のレポートを読んでみれば分かると思う。特に2006年頃。
……その中に現在も活動しているアイドルは果たしてどれくらいいるだろうか?
それだけこの業界で長く活動する事自体、いかに難しいか分かっていただけるだろう。
前置きが長くなった。
さてそんな中、この春で引退を決めたアイドルがいる。
苺瀬ちまと、桜澤ひなき。
ユニット「桜色苺」の二人である。
2006年3月にソロでデビューした苺瀬ちま。その半年後に「桜色苺」にデビューした桜澤ひなき。
活動期間はユニットとして四年半に及ぶ。ちま個人に至っては五年の長きに渡る。
そんな彼女たち二人の集大成とも言えるラストのワンマンライブが3月27日に行われた。
今回は「桜色苺ラストライブ~らぶらぶユリットは永遠に不滅です!。~」の様子をレポートいたします。
●会場について
実は意外な事にここは初参戦だったんですよね。
噂には聞いていたけど、本当に会場の入口に秋田犬の置物があった(笑)
ただし途中でマイミクのらすかる氏と会ってなかったら、会場の場所、分からなかったかもしれないね。
会場に入った印象としては、こじんまりしたライブハウスって感じ。
本来ならアコースティックライブとかが主流の会場なのかな?
でもこういう会場でロックとかやったら面白そうだけど、ちょっと狭いかなぁ。
それとステージとロビーの段差があんまり無い。
いい意味でも悪い意味でも、出演者と客の距離が近い。
まぁそんなところですな。
●開演前
秋葉原駅の昭和通口を出て、大体の場所を知っていたので適当に歩く(笑)
前述にあったように、マイミクのらすかる氏と途中お会いしたので、会場まで連れて行ってもらいました。
途中、かつてdress-TOKYOがあった付近を通り過ぎる。
……思えばちまちゃんとも、ひなき嬢とも会った会場はここなのである。
彼女たちの始まりの地は、今はもう無くなっている。
そう思うと感慨深いものがあった。
そんなこんなで会場に到着。
久しぶりに会う知り合いにご挨拶しつつ、開場。
ちょっと色々やっていたので、会場入り自体は遅めでしたが、自分が入った時には既に会場はいっぱいの様子。
ただ彼女たちのライブの特徴というか、女性客の割合は高かった。
これまでの共演者、長い事彼女たちを見守ってきた友人や関係者が結構多かったように思えます。
彼女たちが長くこの活動を続けられた一つに同性からの支持もあったと思います。
我々男性には分からない、女性から見た魅力も彼女たちの武器だったのかと今更ながら思います。
さてこうした中、開演に先立ち注意事項が読み上げられます。
ちょっとした笑いが起きる中……いよいよ彼女たちのラストライブの幕が上がります。
●本編
まず最初に「PARTYが始まるよ!」(AKB48)でライブはスタート。
まさしく最後のパーティーの開始に相応しいスタートでした。
さてしばらくはアイドル系の楽曲が続く。
続いては「完璧ぐ~のね」→「アッカンベー橋」→「青春のフラッグ」と渡り廊下走り隊の楽曲が三連発で続く。
二人の振付を見て、良く練習してきたというのは感じた。
ちょっとぎこちない部分も多かったけど、頑張ったのは良く分かる。
さて一通り序盤が終わったところで二人のソロコーナー。
まずはひなき嬢の「God Knows...」(平野綾)
(実は)AKBなどが苦手な自分はこのへんが本領発揮。
他に引っ張る人もいそうに無かったのでMIXを普通に入れたのだけど、ひなき爆笑(笑)
……うん、至って普通にMIX入れただけよ(笑)
ってか、君、受けすぎだから(笑)まぁそんな訳でMCでも話題はそれ(笑)
続いて衣装チェンジした、ちまちゃんが「星間飛行」(中島愛)を披露。
こちらはMIXとか入れなかったし(笑)普通に振りコピが中心だったので無難に終了(笑)
もちろん「キラッ☆」のところは「ちまっ☆」ですよ(笑)
ここでこちらも衣装チェンジを済ませたひなき嬢が登場。
そしてここでのコーナーは……ジャニーズメドレー。
「A・RA・SHI」(嵐)とか「抱いてセニョリータ」(山下智久)、「VENUS」(タッキーと翼)など……。
彼女たちが恐らくこの五年の活動の間で歌ったジャニーズの曲殆ど歌ったのでは……。
むしろこの辺は女性客中心に大フィーバー(笑)
彼女たちにはこれがあったからね。
普通のインディーズアイドルであまり積極的にジャニーズを持ってくる娘はいないからね。
女性人気の高さの秘密でもあったと思います。
「A・RA・SHI」で始まったメドレーは「A・RA・SHI」で最後締まって終了致しました。
ここでプレゼントコーナー。
ちまちゃんの相方だったパンダの大ちゃんや、ひなき嬢が一度も使っていないタンブラーが渡りましたが……。
最後が二人からのプレゼントで今までの桜色苺のイラストが貼り付けられた色紙と二人の歌が収録されている音源。
当たったのは二人の共通の友人……そして数年後、ひなき嬢の娘が大きくなったら聴かせると会場に約束してくれました(笑)
その時の反応が今から楽しみである!(笑)
続いて2回目のソロコーナー。
まずはちまちゃんが登場。
ここではちまちゃん、ソロのオリジナルを3曲全て披露。
そういえば……桜色苺としてのオリジナルは無いけど、ちまちゃんはオリジナルを持っているんだよね。
まぁ彼女の場合、ひなき嬢が活動を中断していた時にソロが活発だったからね。合点がいくところなんだけど。
歌ったのは「苺恋。~ちま的恋愛論~」→「はっぴぃ☆そんぐ。」
この二曲をフルコーラスではなく半分ずつ。
「苺恋。」はライブでたびたびお世話になった浅水翔子嬢が作詞した楽曲。
逆に「はっぴぃ☆そんぐ。」は初めて彼女が作詞作曲をした楽曲。
対称的な楽曲だけど、素敵な楽曲たちである。
しかし彼女の真骨頂は……やはりこの曲「愛しのパンダしゃん」
パンダ好きを公言する彼女らしい「これでもか!」というくらいのパンダLOVEソングになっている。まぁぶっちゃけ「電波ソング」だけど(笑)
ちなみにこの日もパンダを3体ステージ袖に用意していたのだが……あ、1体……あれはパンダの皮をかぶった……あぁあいつ。
ディズニーの熊(笑)ダッフィーだ。ダッフィー!(笑)
名前は「だいき」だっけ?(笑)
とにかく3体のパンダに対して愛情を振りまくちまちゃん。まさしく乙女だった(笑)
そんな訳でちまちゃんソロは以上で終了となりました~。
続いてひなき嬢ソロ。
こちらはカヴァーオンリー。
一曲目「ワールドイズマイン」(初音ミク)……ところが歌詞がところどころ飛びまくるひなき嬢。
そして曲の最後に叫んだ一言……「やり直して~!」(爆)
最後のライブでそれぇー!?(笑)
まぁ彼女らしいっちゃ、らしいんですけど(笑)
気を取り直して続いて二曲は愛娘と一緒に見ていたアニメからED→OPの順。
「ハートキャッチ☆パラダイス!」→「Alright! ハートキャッチプリキュア!」
はい!プリキュアです(笑)
ちなみに彼女的には両方とも1番はバッチシだったみたいですが、2番以降が不安だったそうです(笑)
しかしそこは頑張った!
ここは気合入れて練習した成果が出たのか、ミスらしいミスは無くしっかりやりきりました。
プリキュア二曲に関しては合格点です。きっと愛娘も喜んでいるぞ!(笑)
以上、ひなき嬢ソロコーナーでした。
さてここで場面は一転。
ステージの上には2体のダッフィー(衣装付)
二人がステージから掃けて、ある手紙が読み上げられる。
その手紙の主は、スタッフとして世話になったナーヤ嬢のもの。都合によりこの日のライブにはいませんでしたが、変わりに手紙が読み上げられました。
彼女たちを最初に「ユリット」と命名したのは、何を隠そう当時ライブイベントのスタッフだった彼女でした。
その手紙を読み上げながら、思い出深そうに読み上げるちまちゃん。
手紙を読み終え、ステージに戻った二人の衣装はステージの上にいたダッフィーと同じ色した衣装……。
そして歌ったのは「禁じられた2人」(AKB48)
ユニット……いやユリット結成当時から、良く歌っていた楽曲です。
二人の妖しさというか、そういう雰囲気を出してくれた彼女たちを代表するカヴァー曲です。
この曲自体は許されない女同士の悲恋を歌っていて、最後もそんな感じで締めてくれました……なんか見ていて切なかったです。
……が、その後に歌ったのが「恋の天使舞い降りて」(やまとなでしこ)(笑)
なんだこの悲劇→ハッピーの転換は!?(笑)
まぁ本人たちも狙っていたんだろうし、笑っていたけどね(笑)
ちなみにこの日の彼女たちの衣装は共通の友人が作ってくれたとの事だけど、ひなき嬢の愛娘の分まで作ってくれたそうです。
(後日、三人でこの衣装を着ている写真がひなき嬢の日記で挙がっていたけど、良く頑張ったと思う)
それにしても衣装チェンジが本当に多いなぁ……これで何着目だろう?(笑)
まぁこのへんの衣装については確かマイミクの某氏が全部挙げていたので参考にするといい(笑)
この後は盛り上がる系の曲で「ハッピー☆マテリアル」→「ふわふわ時間」(放課後ティータイム)と続く。
会場全体を巻き込んで、大いに盛り上がりを見せる……。
……しかし二人に残された時間は、もう残り僅かだった。
ここでプロジェクターには過去のライブ映像が流される。
そして二人から皆に対する今日までの感謝が綴られた手紙が読み上げられる。
……もう自分たちからは言葉は無かった。
そう言葉はいらなかった。
最後の曲「Our Steady Boy」(ゆいかおり)
これが最後だという事を二人の表情が全て物語っていた。
目から熱いものを耐え切れない、桜澤ひなき。
そんな彼女を目の前にして必死に耐える、苺瀬ちま。
いつもなら逆にだった。
いつも先に泣いていたのは、ちまちゃんだった。
そしてそんな彼女を笑顔で抱きしめていたのは、ひなき嬢だった。
だけどこの日は逆だった。
それでも二人は歌いきった。
最後の最後まで桜色苺として、ステージに立ち続けた。
そして曲は終わった。
清々しい表情を浮かべてステージを去る二人。
これで彼女たちの4年半が全て終わる……には、もう一曲分早かった!(笑)
会場に巻き起こる「アンコール」の歓声。
そしてそれに応えるように出てきた、Tシャツ姿の二人。
さっきと打って変わって笑顔の二人が、本当の最後の最後に歌ったのは……。
「いちごコンプリート」
これまでのセトリを見て歌ってないのは、この曲ぐらいだからね(笑)
笑いあり、涙あり、だけどやっぱり楽しさあり。
最後の最後にこれを歌ってくれたのは、やっぱり嬉しかった。
最後は二人の最高の笑顔と共に、ライブは無事終了いたしました。
……こうして桜色苺は皆の笑顔と一緒に、最後を終える事が出来ました。
●総括
まぁ……結果的にデビューから解散まで見守る事になったねぇ。
ここではいえないような感傷もいっぱいあるけど、本当に長い事良く頑張ったと思う。
今回のライブそのものに関しては、ワンマンライブとしてかなり上出来な部類だったと思う。
スタッフの愛情も感じたし、周囲の支えてくれる人たちの暖かさもしみじみ感じる事が出来る、本当に観ていて暖かい気持ちになれるライブでした。
こういうライブが出来るようになった事自体が彼女たちの4年半の成長の証でもあるし、歩みだったのでは無いかと私は思います。
この「桜色苺」というユニットに関して言うのであれば、この二人だからこんなに長く続けられたと思う訳です。
正直、ひなき嬢が妊娠して結婚に至った頃、本当はこの時ユニットとしては解散をしていてもおかしくなかったと思います。
だけどちまちゃんは相方の復帰を信じて待ち続けた。
その間、ソロとしての自分を磨き続け、いつでも相方が戻ってこられるように精進を重ねていました。
一方、ひなき嬢も一人の母親としての責任を果たし、きちんと産休期間、子育てに専念してきました。
二人がお互いを信じ、そしてお互いのやるべき事が出来たから一年半の休養を経ても、再び「ユリット」としてステージに立つ事が出来たんじゃないかと思います。
そう考えると実は彼女たち結成して4年半ですけど、休養期間挟むと実質活動期間は約3年間なんですね。
だけど休養期間入る前で1年ちょい、開けてから約2年続けた事を考えると、却って休養期間が二人の絆を強めた部分はあるのかもしれません。
休養期間後の方が連続して活動していた時間が長いからね……二人が「桜色苺」でいる事に意味を感じていたから、長く続いたんだと思います。
もっとも二人に関して、正直、勿体無いと思う部分も多々ある訳です。
個人的には二人のオリジナルは出して欲しかったかなぁ。これだけ長かったのに二人のオリジナルが無かったのだけが残念というか……。
だけどこの際、そういうのは抜きにしましょう。
冒頭の文章に戻りますが、一年ないし二年もしないうちに活動を終えてしまうインディーズアイドルが大多数を占める中、彼女たちは実に4年半の長きに渡り活動してきました。
4年半……彼女たちの人生が何年か分かりませんが、日本人の平均寿命ならおおよそ1/20にあたる年月です。
人生のうち1/20を彼女たちは確かにアイドルとして輝きを放っていました。
これだけの長い間、一つの物事を続けてきたという事は、誇りに思っていいし、きっと今後人生において何かの糧になるものと思います。
確かに……この業界界隈でもそこまで名前が知れている訳じゃない(失礼)
恐らくあと数年したら、彼女たちとその周辺の人たちの思い出話程度になってしまうのかもしれない。
それでも確かに「桜色苺」という二人組は確かに存在して、4年半……家族や友人、そして活動を通じて知り合った全てのファンに見守られて輝き続けました。
この事実だけはこれからどんなに時が経っても、二人にとっての「青春」そのものだと言い切っていいと思います。
そんな二人がこの日「桜色苺」をケジメをつけて終わりにする事が出来た事を、ずっと見続けてきた者としては嬉しくもあり、またちょっと寂しくもありました。
最後に二人に贈る言葉があるとすれば……うーん、まとまらないな(笑)
ただこれだけは言える。
「4年半、お疲れ様でした。そしてありがとう」
これからの二人の人生に幸あれ!
……と、きれいに締めたいところだけど……ちまちゃんは実はこの後にソロとしてのラストが控えている(笑)
4/10……かつて自分がホームとして慣れ親しんだ「アキバなライブ☆カフェ」が彼女、最後のイベントとなる。
本来なら3月中に行われるはずだった、苺瀬ちまとしてのラストは4月に延期になったのだ。
(ちまちゃんが終盤、涙を耐えられたのは恐らくソロのラストが終わっていないという理由もあったからなんだろうな……)
とにかくちまちゃんにとっては、これが本当にアイドルとして最後の輝きを放つ現場になる。
自分も運良く休みが取れたので、そんな彼女の姿を一般人になったひなき嬢と一緒に見届けようと思う(笑)
だからちまちゃんには敢えて「ラスト頑張れ!」とエールを贈る事にしよう(笑)
そして一足先にアイドルを終えたひなき嬢には上記の言葉と併せて最後にこの言葉を贈ろうと思う。
「これから母親として、一人の女性として、輝いてください」
以上!
追伸:
実はこのレポートはmixi上に4月上旬に上げています。
よって苺瀬ちま嬢のラストライブは既に終了しております(汗)
予めご了承ください。