本当に待ちに待った!
正直、これだけ演劇の初演が待ち遠しいと思った事はない!
やはり前日まで「プレイバック・ジャングルベル・シアター」なんて事をやっていたからだろうか(笑)
さてここのところ続いている【舞台観賞】シリーズだが、今回はDVDじゃないぞ!
今年初めての観劇!そして感激!(爆)
ジャングルベル・シアター2011冬公演「悟らずの空」
会場は池袋・シアターグリーン BIG TREE THEATER。
シアターグリーンはいくつか確か3つあるのですが、今回はその3つの中で一番大きな舞台。
前回「河童の水際」が上演されたBASE THEATERよりもでかいでかい……。
まず階段で上に登らないといけないしね(笑)
そして席について驚く。
前から3列目のセンター!しかも3列目はもろ舞台上と同じ目線!
何?今年初演劇がこの運の良さって(笑)
自分はもうちょっと後ろから全体を眺めるつもりで観劇してもいいと思っていたのに(笑)
嬉しさの反面、今年の運を使い果たしていないか、若干心配になる(笑)
そして舞台全体を眺める。
今回の舞台で目を引くものが二つある。
一つは中央にそびえ立つ高台。
もう一つは舞台の天井まで届こうと伸びている竹である。
高台についてはどう使われるのか、実際に確認してほしい。
また竹については本当に立派である。この竹が今回の舞台の雰囲気を醸し出してると言って過言ではない。
なお客席は若干急になっており、段差は結構あった。
これなら前の席のお客様を気にせずとも、いい感じで見れるねぇ。
さて会場の感想はこのあたりにしておいて、本編……の前に、ジャンベル恒例、15分前企画の感想から。
まず一言言うなら、野上あつみ嬢ファンは必見!絶対見逃すな!
今回、皆さん殺陣を頑張ったとあちこちでコメントしていますが、この15分前企画から見所満載。
本編への期待がドンドン高まっていく。
そしてドキドキしながら舞台の上を、今か今かと注目して待っていると……ちょっと意表を突かれる。
そして始まる本編……。
ネタバレしない程度に言うなら、今までのジャンベルにないパターンになっている。(他の劇団では良く見られたパターンだが、ジャンベルがこの構成を持ち込むのは非常に珍しい)
最初から5~10分くらいで、ある意味圧巻のシーンがそこに展開する。
この時点で一気に「西遊記」の世界に引き込まれ、そしてこれから始まるであろう壮大なドラマに胸躍らせている自分に気づく。
正直、こんな序盤で感動して、涙腺が緩みかけるとは思わなかった。
それくらい最初から見せ場が満載である。
一通りの流れが落ち着いたところで、ジャンベルならではのお笑いテイスト満載の物語が展開されるのですが、今回は緩急が激しい、ジェットコースターみたいな展開が多い。
やはり殺陣が多く、ジャンベルには珍しい「動」が主体の舞台となっている。
見ている方としては飽きない展開であるし、アクションが好きな人にはたまらない展開だろう。
しかしここで苦言を呈すのであれば、今までジャンベルが得意としてきた「静」の部分が……物語の裏付けの部分がかすれてしまっている気もする。
今回も主宰・浅野氏は良く勉強してきているのが分かるし、分かりやすい説明が入っているので、頭でっかちな内容にはなっていない。
だけどそこに何か物足りなさを感じるも確か。
またその内容も昨年11月の「新・おとぎ夜話」の内容とほぼ一致するので、昨年の公演を見ている方にしてみれば、もう一つプラスアルファのものが欲しかったかもしれない。
一方で各登場人物の魅力は、これまでに無いほど引き出されている。
三蔵や悟空たちはもちろん、妖怪たちやそれ以外の人間キャラ達一人一人が、非常に良く掘り下げられている。
だけどこの長所も短所も物語のベースである「西遊記」というバックボーンがあっての事で、浅野氏の脚本が「西遊記」という原作によっかかってしまっている印象すらある。
しかしながら中盤から終盤にかけての展開は、ジャンベルならではのヒューマンドラマが展開されており、各登場人物に感情移入して思わず涙腺が緩んでしまうようなシーンも多々あった。
終盤が若干、あっさりしていた感があるものの、終わってみればスッキリとした爽やかな物語に仕上がっておりました。
ただ今回は初演。
浅野氏やジャンベルが本当に表現したい事は、まだ表現しきれていないのではないでしょうか?
日付変わって今日からまだ4日あります。
自分はこの後、中日、そして千秋楽と見に行きますが、これからこの舞台がどう進化していき、ジャンベルなりの「西遊記」を見せてくれるのか、しかと見届けたいと思います。
初日を終えた時点で気になった出演者でも。
ジャンベルの団員なら、まずは西村太一氏。
一番期待通りに、期待通りの役をこなしきった感があります。
そういう意味では野上あつみ嬢の役柄も期待していた通りのもの。
神田英樹氏に至っては一番得意ジャンルで勝負したな(笑)という印象がありました。
逆にいい意味で期待を裏切られたのは、村井みゆき嬢。
今まで彼女が演じてきた役の中で、一番素敵な役どころでした。
そして福津屋兼蔵氏は間違いなくこれで新境地を開拓したと思います。
また今回は客演も皆、素晴らしかった。
個人的に一番評価したいのは斉藤佑介氏。間違いなくカッコいい!
程嶋しづマ氏も見事に演じ切っていた。
そして三井俊明氏、ある意味、今回のキーマン。彼の熱演が無ければ、この物語は成り立たなかったかもしれない。
……まぁざっと、こんなところで。
ただあと2回観るので、その中において印象が変わる方も何名か現れるでしょうし、この公演全部終わったら、すべての登場人物について語るとしましょう(笑)
あ、それと我らがおこ様こと、塚本善枝嬢。
(もう彼女を語る時だけは別枠で勘弁してくださいねー・笑)
今回の役どころは一部では情報が流出していますが、敢えて言わないでおきましょう。
今回の演技を見て持った感想として、更に演技に磨きがかかったという点でしょうか。
この手の役柄を演じる機会が増えているのもあるのでしょうが、本当に役者としては彼女の新しい武器が一つ、物になりつつあると思います。
今回の役柄はまだまだ改善の余地はあるはずだし、もっと自分のものに出来るはずです。
千秋楽までに今回の役をどこまで自分のものとする事が出来るのか、次回以降の観劇の注目ポイントの一つとして見守りたいと思います。
上演時間は約2時間。
程よくちょうどいい時間だと思います。
ただ観終わった後、席を立とうとすると何故か脱力感に襲われます。
それだけ力を入れて観れる舞台という事ですね。
あと4日間は昼、夜の二回公演、計8公演残っています。
ちょっとでも気になった方、時間が余っている方は是非行ってみてはいかがでしょうか?
劇団「ジャングルベル・シアター」公式サイト↓
http://www.junglebell.com/
あと4日間、彼らの織りなす「西遊記」をこの目でしっかりと焼き付けましょう!