【舞台観賞】[DVD]「リヒテンゲールからの招待状」(ジャングルベル・シアター) | ヒトデ大石のなんとなくレポート置場

ヒトデ大石のなんとなくレポート置場

2011年8月「ヒトデ大石のどんなブログにしようか検討中。」からタイトル変更。
ライブイベント、舞台観劇のレポートを中心に書いていこうというブログ。
以前はmixiが主戦場だったけど、今はこっちが主戦場(笑)

昨日から始まった「プレイバック・おこ様」コーナー(笑)
(※いや厳密には「ジャングルベル・シアター」なんだけど)

来週木曜日に初日開始が迫った「ジャングルベル・シアター」本公演「悟らずの空」に向けて、過去のおこ様こと塚本善枝嬢……というより、彼女の所属劇団「ジャングルベル・シアター」の作品を観て、気分を高めようという自己満足コーナーです(笑)
自分が知り合うより前の彼女、及び劇団員の皆様の活き活きと演技している姿を、堪能している真っ最中です。
今回はその第2弾!

今回観たのは「リヒテンゲールからの招待状」
2009年冬公演(2月末)で今からちょうど2年前くらいになります。
自分が彼女に出会う、大体半年くらい前の作品ですね。

ちょうどこの時期といえば……私個人の話で言えば、30代のカウントダウンが始まっていたっけなぁ(笑)
それとインディーズアイドルヲタとしては、大切な転換期を迎えていた時期ですな。
そして塚本嬢もこの半年ほど前にインディーズアイドルとして活動を始めたり、当時はFMでパソナリティーも務めていたり、周囲の環境が激変して大変な時期だったと想像出来ます。
そんな状況の中で彼女がどういう演技をしていたのか。そういう意味でも注目したい作品でした。

前置きが長くなりましたが本編のネタバレしない程度の感想に(笑)



まずこの作品を観るにあたり念頭に置きたいのが、実はこのDVDが再演のものという事。
この作品、ジャンベルのサイトで調べたら再演なんですね。
初演は2004年。5年の歳月を経て、再演したところに主宰・浅野氏のこだわりというのか、そういうものがあるのか……そう思いながら拝見しました。
ただ随所に時事ネタが盛り込まれているあたりに、ジャンベルならではの遊び心を感じます。

内容をざっくり言ってしまえば、大人のためのおとぎ話。ってところでしょうか。
簡単に序盤のあらすじを言ってしまえば……(ここはDVDにも書かれているからいいよな?)主人公・望月歩(福津屋兼蔵氏)は本のセールスマンだが会社をクビ&彼女に振られるという散々な目に遭ったその日、実家に電話したら小学校の同窓会の知らせを聞く。
しかし同窓会の場所は何故か図書館。そこで望月は小学校の頃、借りっ放しで返していない一冊の本の存在を思い出す。その本のタイトルは「リヒテンゲールと北の森の魔女」……。

……と、こっから先は実際にDVDを観て確認していただこう(笑)

ちなみにこの作品、人間らしい人間は主人公・望月歩くらいなもん(笑)
一応、松宮さんのドライファッフェルも人間だっけ?(笑)
殆どの出演者がメインじゃない役で人間として二役をこなしているいるけど本当にチョイ役。
スタッフロールにもその役名で載ってないし(笑)

皆さん、殆ど動物だったり何かだったりします(笑)
なのでこの作品、皆さんの衣装が非常にかわいらしい!(笑)ぶっちゃけそこも見所だったりします。
唯一……アラーニャ役の村井さんだけが、残念というか……(爆)

ここからは印象に残った役者さんについて。まずはジャンベルの皆様から。

主人公・望月歩を演じた福津屋兼蔵氏はガチで良かった。
っていうか、前髪がネタにされる以外は、普通のどこにでもいるサラリーマン、青年を演じていていました(笑)
彼にしては非常に珍しい、自分の年齢に相応しい等身大の青年を演じたんじゃないでしょうか。
いつもの「濃い」福津屋氏を期待すると肩透かしを食らいますが(笑)非常に好青年を演じていたと思います。

そして主宰の浅野泰徳氏。
今回彼が演じたのが今回のタイトルにもなっている、ねずみのリヒテンゲール。
正直言いますと、あのねずみの衣装は反則です(笑)当時30代後半の彼が着て、なんであんなにかわいらしいんだろう(笑)ズルいです。
ただ今回、彼が演じたリヒテンゲールはかなり来てます。
最初はただの正直者で優しいだけのねずみだったはずなんですが、物語の中盤、歩に話しかけるシーンがあるんですが、これにはやられた!
恐らく彼が今回の舞台全体を通じて伝えたかったメッセージの殆どがここに集約されていると言っても過言では無いシーンです。
普段、ストーリーテラー的な役回りが多い彼が何故敢えて今回、主人公格の役どころに収まったのか……もしその理由がこの中盤のシーンのためにあるのだとすれば、彼はこの作品を通じて、どうしても誰かにメッセージを伝えたかったのだろう。そう考えられます。
かわいいなりして、メッセージ性の強さ。色んな意味でやられました。

もう一人特筆するならアラーニャ役の村井みゆき嬢。
ご存知の方も多いかと思いますが、女性ですが非常に長身の方で、毎回のようにその長身をネタにされる事でも、ファンの間では有名なはずです(笑)
さて先程、唯一衣装が残念と言った理由は……彼女が演じたのは毒蜘蛛の役だったから(爆)
今回、動物な役が多い中で、唯一、毒々しい動物でした(笑)
(他がイヌワシ、山猫、シマリス、ふくろうや猪だったりするのに……)
しかし今回、アラーニャという役は彼女のためにあった役としか思えません。
その長身と細くて長い手足が、まさしく蜘蛛を演じるにはふさわしいの一言!
また途中で女性である事を半ば捨てているような演技の数々は、役者魂の塊でした(笑)
ですが物語りを通じて紡がれていく、リヒテンゲールとの友情には熱いものがありました。
女性だけど、カッコイイ役どころでした。そういう意味では本当に素敵な女優さんです。

後は松宮かんなさんのドライファッフェル&図書館の司書(松宮さん・笑)と言った老女っぷりを堪能(笑)なんでこの方、なんでも出来るんだ?(笑)
二役という意味では本多さんの猪のハバリと、社長(笑)も良かった。This is 存在感!(笑)
それと西村氏のトリュトゥーガのじじいっぷりも好き(笑)大塚氏演じるふくろうのブルッハとの掛け合いも良かった。

でも野上あつみ嬢のノエルは体当たりな演技だったなぁ。
リヒテンゲールに抱きついたりするあたり正統派のヒロインだったもん(笑)
この作品で野上嬢を好きになった人、結構いるんじゃないかなぁ。

客演の方に目を移すと、この作品は客演が少ないんだよね……。
ヘルマンを演じた増田光彦氏はお調べしたところ元ジャンベルの劇団員。
客演というよりは里帰りなんでしょうか?イヌワシらしいなかなかカッコイイ演技をしておりました。

シュピーゲルの長尾歩嬢は途中まではいい感じの天然キャラを演じておきながら、終盤の変わり身は良かったです。

また2月にも客演されるフィンチ役の堀江あや子さん。
山猫という役柄でしたが、活き活きと演じられていたように思います。
個人的にはあのゴムパッチン……(爆)いや、これは後ほど(笑)

そして我らが塚本善枝嬢。
この作品でメインで演じたのはシマリスのエミリア。
登場序盤は訳あってしゃべれない設定で、ジェスチャーで物事を伝えようとする姿がかわいらしかった。
が、共演者に対するツッコミは凶悪そのものだった(笑)
そして扱いも特に序盤は酷かった(笑)
瀕死の重傷のはずなのに椅子代わりにされたり、そのへん粗雑に扱われたり(笑)
その際たる例がフィンチ役・堀江さんとのゴムパッチン(笑)
一回の公演で数回顔面にゴムの直撃を双方受けるのだけど(笑)これを公演中毎回やっていたかと思うと、その根性に頭が下がる(笑)
いつもジャンベルでは「かわいそうな役柄」が多い彼女だが、今回は微笑ましいけど別の意味でかわいそうな役柄だった(笑)
ただし衣装がかわいいので、全てが許せてしまうという意味でもかわいくて卑怯な役だったかもしれない(笑)



まぁそんなところ。

作品全体を通して約1時間45分。意外と手軽に観れる。
ストーリーもそこまで重厚じゃないし、すんなり入れると思う。

また民俗学などそういう知識がバックボーンにある事が多い浅野氏の作品にしては、珍しくそういった背景が無いので、いい意味で浅野氏らしくない作品だと思う。

なお特典映像はジャンベル恒例「開演15分前企画」
Perfumeにあわせて踊る劇団員が見れるので要チェック(笑)



そんな「ジャングルベル・シアター」の次回公演は2月10日から始まる「悟らずの空」。

まぁ私がこれ以上宣伝してもなんなので、興味を持った方は↓へ。

http://www.junglebell.com/

多分、物販で「リヒテンゲールからの招待状」のDVDも買えるはず(笑)