0554、実はとっても奥深い表現「ちゃん」 | ひたすら楽して日本国民2

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いい世来いよと人の云う
お前のことが好きだった

たとえば「義理の妹」は英語だと「younger sister in law」という表現をする。

ぎりのいもうと、ヤンガーシスターインロウ。

 

この表現の差に何を見出すかっていうと、

あくまで法律上の問題だと表現しているのが英語で、

義の理、心の問題だと表現しているのが日本語ということになる。

 

概念が同じでも、表現が違えば意味するものも違う。

「in lawではない義理の妹」だって、日本語の表現であれば存在できる。

 

だったら英語でもin lawじゃなくてin loveなどと表現すればいいだけだが、

「in何々」という表現をとる限り、所詮その程度なのかよっていう認識のままだ。

 

それに対して日本語だったら、

「魂の妹」などと表現することで、もはや義理とか愛とか法律とかそういうレベルではない

ということを伝えられる。

 

 

 

 

まあつまり言葉の問題よね。日本語の優秀さ。

 

 

 

 

もっとわかりやすい例をとるなら、

たとえば陽菜ちゃん、桜ちゃん、加奈ちゃん、愛美ちゃん。

 

この「ちゃん」、実は類する表現がとっても少ない

 

赤ちゃんにも使える、子供にも使える、女の子にも使える、動物にも使える、

広く愛情の存在を証明する表現である「ちゃん」は、

英語やラテン語やフランス語で同じニュアンスの言葉を持ってこいといっても、どこにもない。

 

なので日本の漫画やアニメやゲームだったら「何々ちゃん」と呼んでいるところを、

英語だと同じ意味に聞こえる表現を選べない。

 

 

 

だいぶ昔のゲームの話をするが、

『ロックマン』シリーズには、主人公ロックの妹にロールちゃんがいる。

ロックンロールのロールなので、名前は非常にわかりやすい。

 

実はエンカー(演歌)だのブルースだのフォルテだの、

音楽から名前をとったキャラがたくさんいるのも特徴だがそれはさておき。

 

日本語だとロックはロール「ちゃん」と呼ぶのだが、

英語だとロックマンはmegamanになっていて、

ロールちゃんのこともrollと呼ぶ。

 

・・・・・・・・・のび太ママがドラえもんのことを「ドラちゃん」と呼ぶが、

英語だと「dora」になるようなもんである。

 

 

 

 

本来は名前に相当しないはずの「ちゃん」を付けないと、もはやキャラの名前にならない。

 

そういうケースはたくさんある。

ドラミちゃんのことをドラミって呼ぶ人がまずいないように、

しずかちゃんのことをしずかって呼ぶ人もまずいないように。

 

むしろ「ちゃん」をつけるだけで、

相手が幼いとか、女の子であるとか、可愛らしいとか、

呼んでるほうが大人であるとか、様々な状況を描写できる

 

このブログで紹介(せんでん)しているソシャゲ『アズールレーン』でも、

親日家中国人オタクが作っているから、実に日本臭い表現がたくさんある。

そのひとつが「ちゃんを付けたらちびキャラになる」というもの。

 

ベルファストが

ベルちゃんに、

 

 

アドミラル・グラーフ・シュペーが、

シュペーちゃんに。

 

 

ちゃんを付けるだけ。

なんと安直な!

だがこれ以上にカワイイ表現が

どこにあるだろうか?

 

 

 

 

 

だからまあ、

チェシャーを、

チェシャーちゃんじゃなくてリトル・チェシャーと名付けるのは、

 

 

実にもったいないことをしている。

 

「リトル」ってなんだよ。

「ちゃん」をつけろよデコスケ野郎!

 

 

 

「何々ちゃん」は「小さい何々(little)」という直球表現じゃないんだよ。

 

小さくても幼くてもその人はその人なのだから

リトルをつけてはダメだろう、うん。

 

それこそ特定キャラないし特定人物の若かりし日々、

あるいは幼少期の姿を描くなら、

別人ではないのだから、アタマに形容詞をつけるのはおかしいだろ?

 

あなたは5歳の頃でも今でも同一人物なのだから、リトルではないだろ?

 

だから「ちゃん」という表現は、「リトル」では代替できない

 

だって体長10cmで大人になる小動物は、

見た目がリトルであってもリトルをつけないだろ?

 

じゃあヤンガーでもつければいいのかっつーと、

ヤンガーって、いったい何と比較したんだお前はよ・・・

 

 

 

 

「ちゃん」は、つけても別の何かになるわけじゃない。

 

でも「little」は、つけると別の何かになってしまう。

 

これは厳密な言葉の定義ではなく、

実用レベルで使われている言葉の意味の話だ。

 

 

 

 

 

 

何々「くん」もそうだね。

 

ショタの人身売買で荒稼ぎしていたホモレイプジャニーズ事務所のタレントあたりに、

閉経したフェミおばさんが何々「くん」と呼んでいるけど、

そういう薄汚い性欲の塊とは別に、もっと純粋で可愛らしい話ができる。

 

本来は「君子」という表現があるように、

「何々君」と呼ぶのは敬称相当であり、

公式な場でも、男女を問わず「君づけ」で呼ばれることは珍しくない。

 

太上老君とか、清源妙道真君とか、王天君とかいるしな。

 

だから「くん付け」をしたって本来性別は指定されないし、

明確な敬意の存在を証明するだけの表現であるはずなんだ。

 

しかし現在の日本で「くん付け」をするなら、

相手は男、少なくとも発言者より若い、という前提がほぼ間違いなく付随する。

 

「ちゃん付け」もね。

 

悪い言い方をするまでもなく一定以上相手をナメてる表現なわけだが、

かといって呼び捨てにするのもどうかなってときは、

「ちゃん付け」「くん付け」をすればまず間違いがない

 

 

 

 

 

・・・実は僕は、くん付けで呼ばれたことが、記憶にある範囲だとゼロ回だ。

幼稚園に上がる前の時点でそこらの大人(今の僕)より賢かったから、

年齢相応の扱いを受けたことがないのだ。

 

全員一律にちゃんくんで呼ばれる場では呼ばれたことがあるんだけど、

任意の年上の大人が私的な領域で僕にくんを付けて呼んだことがマジで記憶にない。

あったら記録してやろうと思ってるくらいだが、ついぞゼロのまま。

 

他人をちゃん付けくん付けで呼んだことはあるんだけどね。

 

まあ、うん。

そう呼ばれて育った人にしかわからない気持ちがあるんだろうなとは思ってるよ。

 

いい表現だと思うけどね。

 

別に賛同は求めていないよ。

ただ、極めて雑に使えるのにまず外さないという点で、非常に便利ではあるはず。

 

男らしさ女らしさって、

親のエゴで必死こいて否定するのは虐待にしかならんからね。

適度に男らしく、女らしく扱ってあげる第一歩。

 

積極的なちゃん付けくん付けでもっとKAWAII日本にしていこう(提案)