0434、大ヒットコンテンツを狙って作り出すことができない理由 | ひたすら楽して日本国民2

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いい世来いよと人の云う
お前のことが好きだった

ここ最近だと「100ワニ」が悪い意味で象徴的かな。

正しくは『100日後に死ぬワニ』。

 

いつどこで話題になったのかがわからない(※ネット文化では絶対ありえない)のに、

気づいたらTwitterでギャーギャー騒がれてる大人気コンテンツという扱いだった。

別に特筆するほど面白いとかドキドキするとか、そんなわけでもなかったのに。

 

で、ワニが死んだ。

悪い意味でごく普通に死んだし、

悪い意味でごく普通のオチを迎えた。

 

ここまではまだいい。

だがワニが死ぬのと同時にグッズ展開が始まった

ここでみんな、疑惑が確信に変わったわけだ。

 

普通ならグッズ展開ってのは、

どのくらいウケた、ヒットしたのかがある程度数字で観測されてから、

偉い人と相談して、どんなグッズを作るのかを企画にして通し、予算を出すことになる。

 

だから反応は遅くなるのが当たり前で、

オリジナルアニメ作品でもない限り原作の漫画やライトノベルの人気から推察したうえで、

アニメ化記念相当のグッズが作られるから、致命的な売れ残りは避けられる。

 

なのに100日後に死んだ瞬間にグッズが既に用意してあって、

通販サイトまで完成しているというなら、

何を作るのかが事前に決まっていて、企画が通って予算もおりて絵も描きおろし済。

 

・・・そんな用意周到なコンテンツは、予算をおろす・企画を通す時間的に不可能だ。

 

そのうえでみんな調べていくと、まあ出るわ出るわ不正の証拠。

「このグッズは何月何日から陳列してください」と箱に書いてある画像を筆頭に、

アンテナショップができても、客が誰も入っていないかわいそうな写真。

 

きょうびSNSで万単位の話題性ってのは少なからずリアルにも影響があることくらい、

バカでなかったら知っている。

なのに100万人もフォロワーがいる大人気作家()という設定のくせにガラガラな店。

 

100ワニ最大の失敗は、

そもそも絵がうまくもなければキモいだけ(キモいのでリンクも貼らない)だったことと、

別に何かの実績があるわけでもないズブのド素人を人気作家に仕立て上げようとしたこと。

 

つまり、人気や流行を捏造しようとして、盛大にコケた

かつて電通が「山姥(やまんば)ギャル」メイクを大人気だと大嘘ぶっこいた結果、

さすがにそれはねーだろと総スカンを食らったように。

 

 

 

 

 

・・・まあ他にもたくさんあるよ?

 

KADOKAWAもとい角川がエヴァだのハルヒだのと、

定期的に会社の総力をあげて人気コンテンツを捏造しにくるので有名だけど、

「ステマ(ステルスマーケティング)」の存在が周知されてくると、ヒットの捏造は失敗する。

 

アニプレックスと『魔法少女まどかマギカ』も、

まとめブログのアフィリエイトリンクのURLが共通していたせいで、

Vtuberでいう「案件」、すなわちステマだったことがバレた。

 

最近だと『けものフレンズ』とか『PUI PUI モルカー』とか『ちいかわ』あたりかな。

 

話題が話題を呼ぶタイプの、ニワカが食いつく程度の話題にはなったが、

そんな大人気になるなら、いつどこで話題にされ始めたのかが観測できるはずなんだ。

少なくともネット文化最大の特徴は、そのログ(記録)がどこかに残ることなんだ。

 

特に日本人は、民族レベルで「記録魔」として、学問の世界でも知られている。

個人の日記レベルの記録でさえ当時の気候変動と完璧にリンクするから、

日記レベルであっても信憑性が高く、科学的根拠と呼べてしまったりするほどには。

 

そんな1000年以上前から記録するのが大好き日本人が、

いつどこでブームが始まったのかを観測も記録もしないだなんて、

そんなことは諸外国以上にありえない。

 

諸外国のネットブーム、いわゆるミーム(meme)でさえ、

どこの掲示板のどこのスレで誰がこんな絵を描いたというのは、

誰からともなくログを提出してきちんと共有・記録されるようになって久しい。

 

それこそ「経験的に理解できる」話として、

明確な始まりが記録されないネット文化は、

本当の意味で自然に受け入れられたものでなかったら、

人為的に捏造された、偽りの人気であると推定できるわけですよ。

 

 

 

 

自然に受け入れられたものは「ツンデレ」とか「ゆっくり」とかかな。

 

今じゃゲームをやる人間どころか女性Vtuberでさえ、

乱数なり運なりがうまくいくことを「デレる」と表現するからな。

配信でRPGやってる人が「エンカデレ」なんて普通に喋ってるし。

 

何かがコロコロ変わることを女心にたとえるのは万国共通だからこそ、

ツンツンしてそっけない女の子が急にデレッとするギャップ萌え、

そこから乱数がデレると表現したわけだ。

 

あるいは「ゆっくり」と呼ばれる、

顔だけを一定の絵柄で表現するマスコットキャラクター?も、

東方Projectのキャラが発祥であったことを知らない人が大勢いるほど普及した。

 

何なら「ゆっくりボイス」で有名なsoftalkは、

違法格闘ゲームツール(!)であるMUGENのキャラから始まったことなんて、

覚えてない人が圧倒的多数である。

 

ちなみにゆっくり・東方・softalkの組み合わせが最初に世に出た動画がこちら。

https://www.nicovideo.jp/watch/sm2344613

 

 

 

 

まあ、それはいいや。

ここまでは前置きよ。

 

 

 

 

 

 

当たり前なんだけど、

そもそも人気コンテンツって何なのかっていうと、

話題になったかならないか、で判断されがちなだけであってね?

 

話題にならなくても人気があるってのは結構あるもんで、

某ラノベ原作漫画『異世界のんびり農家』なんて、

ネットでさえ誰も話題にしてないのに1巻平均30万部以上売れてる(累計420万部)からな。

 

かつて漫画がキモオタ文化呼ばわりからの、コロナ特需の巣篭り需要で評価が一転。

有象無象の漫画媒体が増えた一方で、

1部平均10万も売ってる漫画のほうが少ない時代でございます。

 

話題にされなくても着実に人気を得るタイプの作品は少なからず存在する。

もう10年近く前だってことに驚愕するけれども、

『奴隷との生活』という同人エロゲーも爆発的に売れた。

 

しかし世間様はそんなものの存在を知らない。

 

だが創作ないし同人の世界ではあれ以降、

ワンシチュエーション特化、ワンヒロイン特化という芸風が激増したから、

間違いなく影響は残っている。

 

んまあ、そういう話じゃないんだ・・・悪いクセだな。

 

 

 

 

人気コンテンツを生み出すってのは、あくまで結果論なんだよな。

何の人気が出るのかなんて、事前に予想できたら億万長者になれる。

 

でもビジネスで水商売(人気商売全般のこと)やってる連中は、

「俺たちがプロデュースして宣伝すれば人気作品を生み出せる」

ということにしてカネを生み出したいだけで、コンテンツを育てる気なんかない。

 

これが顕著なのが角川で、

オーバーロードのアニメ1期が大ウケしたからって、

2期はともかくそれ以降の予算の削り方が酷いのなんの・・・

 

ウケたらファンがついてくるから粗悪品にしても売れるだろうと、ナメてかかってるわけだ。

 

まあユニクロも無印良品もそうなんだけどさ。

質実剛健路線で客をゲットしたと思ったら、すぐ粗悪品にして同じ値段で売る。

 

初期のユニクロの衣類なんて未だに着られるのに、

最近のユニクロの衣類は2年ももたない。

無印も全く同じ失敗を繰り返しているところだ。

 

最終的に客が欲しいのは人気ではなく魅力と価値であって、

世間の評判じゃなくて自分の目と評価が全て。

だから話題性だの評判だのはどうだっていい。

 

だが話題性や評判がどこから生まれるのかって、確かな実力や実績だろ?

 

そこから真っ先に削っていくようじゃオシマイだよ。

 

それこそ接客のよさで客がついた店から、

丁寧な接客のできるバイトがいなくなったら、

自然と客足が離れていくのと同じこと。

 

かといって丁寧な接客()というものをマニュアルで叩き込んだところで、

最終的には顔や声(!)の問題でしかなかったというオチだって少なからずある。

個人の人生経験や機転、ファッションセンスに依存していたことさえある。

 

 

 

 

「当たった理由」を後から推測することはできても、

じゃあ同じ条件を満たせば当たるのかっていうと、そんなことは絶対にない。

 

もしヒットの方程式なるものが存在したのなら、

その発明者は億万長者になっている。

 

これは受験勉強でも仕事でも恋愛でも子育て育児でも何でもそうなんだけど、

成功者のほうが少数例外であり異常者だからな。

 

失敗例から学ぶべきなのであって、成功例のマネをしても成功しない。

 

そもそも成功例はマネできない諸条件が多すぎる。

 

ユニクロの柳井は親のスネかじって遊び歩いてたボンクラだし、

ソフトバンクの孫は在日特権で不正蓄財した親がいたからノーリスク起業、楽々投資。

美容整形外科は山ほどあるけど、高須クリニックは太客の多さで名を馳せた。

 

はっきりいえば運ゲーなんだよ。

 

だからこそなぜウケたのか、

ウケる諸条件がどれだけ揃っていたのかを、

後から分析することはできる。

でも事前にそれらを揃えても、

確実にウケるわけじゃあない。

 

今一番人気のソシャゲといえばブルーアーカイブだろうけど、

あれもゲーム自体はクソ(なにせネ糞ンだからな)だから、

当初は半年サ終コースだといわれていた。

 

Q:何それ?

A:課金への返金対応の都合で最低半年はサービスを展開しないと面倒になるのだ。

 

でも運営のヨースターには、迅速な対応と誠実な態度という実績があった。

だからこそ「やらかし」への補填が自然と話題になり、

興味を持った層が集まり、というわけだ。

 

じゃあヨースターを見習って誠実な運営をすればいいのかっていうけど、

ソシャゲ運営ってのは、なぜか徹底的に民度が低いことで有名だ。

客ではなくカモだと思ってるせいか、問い合わせに返事すら寄越さないのが当たり前。

 

ヨースター社長は元ミホヨで法務畑の、エロゲーで日本語覚えたエリートなキモオタだから、

オタクとして何が嫌われるのかを一番よく知っている。

だから彼が実践するものを周囲が見習うことで、自然と「よさ」が蔓延(!)していく。

 

・・・のだろうよ、たぶんな。

 

でもそんな条件を満たした人は稀だし、実在したとしても同じマネはできないだろう。

そこに集まった人たちが誰だったのか、のほうがよほど大事だからな。

あるいは時期の問題もあるだろう。

 

既にソシャゲはレッドオーシャン(色んな意味で満員だからこれ以上を望めない)で、

コロナ特需が終わった2023年から2024年現在にかけて、

Vtuberとソシャゲは大きく数を減らす憂き目に遭っているのが現実だ。

 

まあコロナ特需が終わっただけだから元に戻っただけともいうが、

ウマ娘にしろ原神にしろ鬼滅にしろ呪術にしろ、

そのへん全部コロナ特需だからな。

 

いっぽうで「コロナ明け」から人気が増えてるブルアカはその逆だからこそ、

興味を持つ人が実際に多かったのだろうと推測されるけれども。

 

 

 

 

それこそ女性向けにイケメンだらけなゲームを作っても、

女性の好みはバラバラだし男性需要は皆無だから、

世界の過半数(おとこ)を切り捨てた結果にしかなりえない。

 

逆に男性向けに美女と美少女だらけなゲームを作れば、

男性の好みは総じて同じ傾向だし女性需要も僅かながらあるから、

世界の過半数を切り捨てる結果にはなりにくい。

 

確かにそれはド基礎、鉄則レベルの方程式ではある。

男性向けコンテンツに女性客がつくことはあっても、

女性向けコンテンツに男性客がつくことは稀だと、バカでなければ知っている。

 

そういうド基礎、鉄則レベルの方程式なら存在するよ?

 

でも、じゃあ男性向けに少年漫画なり何なりを作れば絶対に売れるのか?

そんなことはない。

それこそバカでなければ知っている。

 

 

 

 

時の運だの時代だのという、曖昧な言葉で結論を濁すことは嫌われやすい。

だがそう表現することしかできないからこそ、

人気や魅力というものが再評価・発掘されては継承される。

 

創作の世界なんてそんなもんだからな。

 

実在した空母エンタープライズが、スタートレックの宇宙船エンタープライズに、

それがファイナルファンタジーの飛空艇エンタープライズに。

何ならアメリカの原子力空母エンタープライズだっているからな。

 

何がなぜどうやって受け継がれて評価されていくのかは色々あるけれど、

それに関わった個人の幼少期の体験に依存しているようなものを、

必然レベルで生み出すことなんて、誰にできるのかって話だからな。

 

マイゴジで評価されてる山崎だって、

本来なら「ユアストーリーの山崎」だからな。「マイゴジの山崎」ではない。

そもそもゴジラもドラクエも山崎の作品ではないっていう。

 

でもスティーブン・スピルバーグがマイゴジを高く評価したら、

山崎がスピルバーグファンだった、というオチがある。

こんな偶然を狙ってやれるアホがどこにいるのか。

 

スピルバーグは映画監督だから作家ではない。

あくまでも映画ないし映像作品として評価したのだろう。

だからドラクエやゴジラを作ったわけではない山崎個人がヒットメーカーであるわけじゃない。

 

 

 

 

 

・・・という客観的な理解をできるだけ、

ものごとを冷静に考えられる人間が少ないからな。

 

理由A原因B根拠Cで人気になったコンテンツのプロデューサーDや監督Eは、

ABCのおかげで売れただけの人間だってのに、

ABCを無視してDとEだけ揃えればいいと思っちゃうんだよな。

 

DないしE単品で別のコンテンツをヒットさせた実績があるわけでもないのに、

DかEのおかげだからDとEを揃えて何かやろう、と。

 

バカな出資者様を騙すにはそうするしかないんだろうけど、

客側はいつだって欲望に正直だからな。

こうやってミもフタもないことを正直に述べる。

 

お前らのやり方が通用したのは昭和までだぞ、

コンテンツや業界ごと育てる意識と覚悟がないと盛り上がらないぞと、

こうして忠告・警告してやっても、まあバカにしかしないわけだ。

 

だからお前らはいつまでたっても、

毎日必死に噛り付いて投資()でメシ食える程度の短小粗チンプチ成金にはなれても、

左団扇の土地持ちにはなれねーんだよw

 

 

 

 

んまあ、悲しいことだけどね。

 

僕はこれでもオツムのデキならそこらの東大生より高い水準にいた側だから、

なぜダメなのかの分析能力(=学力の源泉)で人様に遅れをとることはまずないけど、

世間様にそんなものは・・・

 

あったとしても決断しなきゃいけないから、

判断材料を集める時間すら惜しいだろうから、

良質な作品を自分の目とセンスで見出す苦労なんかやりたがらない。

 

だからこそ派手な宣伝が重視されるわけで、

しかしオタクが一番嫌うものだしな、宣伝って。

 

俺が私が勝手に気に入って好きなもんに興味を示しているだけなのであって、

テメェが売り込みたい作品が好きなわけじゃねーんだよおとといきやがれ死ねボケが、と。

 

コンテンツをコミュニケーションツール、話題のタネにしたがる人ばかりじゃない。

 

だから狙ってヒット作を生み出すことができない。

 

大半のオタク(高学歴、理系)は世間の評判でモノを判断しないから、

オタクが熱意をもってレビューすることもないものは、

受信してばかりな一般人様に届くことなんか殆どない。

 

 

 

結論は「だいたい」シンプルになるもんだ。