アメリカ帝国の本音と日本の取るべき道 | 歴史考察とっきぃの 振り返れば未来

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こんにちは。

歴史家とっきぃです。

 

菅総理が退任を表明し、新しく自民党総裁選が始まります。

誰が新しい指導者になるのかはわかりませんが、日本国首相というのは、アメリカ合衆国ジャパン州副総督でしかありません。

主役の総督は、虎ノ門の米国大使館か、厚木基地にいます。

 

アメリカ帝国の本音は、米軍による世界制覇です。

民主主義、自由貿易、キリスト教の三点セットは不変であり、

彼らにとっては普遍そのものなのです。

相手国の歴史や伝統、政治形態など知ったことではありません。

ひたすらジャイアニズムで要求するのみです。

別に陰謀論でも何でもないです。

いわゆるグローバリストというのはこの連中のことで、先般、亡くなったデヴィッド・ロックフェラーも自著で自分はグローバリストだと言っています。

 

覇権国(はけんこく/英:hegemon)というのは、古今東西どこでも同じです。倒れる最後の日までひたすら膨張を続けます。

 

歴代中華帝国は北宋帝国や、老子的政治である文景の治をやってきた頃の漢帝国を別として、ひたすら拡大です。ストップするのは財政が追っつかなくなったときだけです。

ローマ帝国、イスラム帝国、フランス帝国、ロシア帝国、オーストリア帝国、そして大日本帝国と、例外なしです。

アメリカ帝国は、国是であるマニフェスト・デスティニーに忠実に西へ西へと進んでいます。やることはワンパターンです。

米国人入植者を増やして、時期が来たらやれ差別だの不平等だのと入植者に喚かせて、本国アメリカが同胞を救うべく出兵するというパターンです。このパターンを「リメンバー・アラモ」といいます。

メキシコからテキサスを分捕るときに使った戦術がたまたまうまく行ったので、味をしめてハワイ王国征服でも使いました。

ここでも成功したので、どうやら「神のご意志」を感じたらしく、とことんジャイアニズムにのめり込んでいきます。

 

日本に対しては、他所と違ってあなどれないので様子見です。

ペリー来航のわずか一年後には、お台場を築いて国防体制に入っていたのです。しかも産業革命真っ最中です。

日本近代化の嚆矢(こうし/始まり)は何も薩摩や佐賀、宇和島藩など西国雄藩の専売特許ではありません。公儀にも江川太郎左衛門などの人材はいくらでもいます。その結果がお台場の軍事施設です。

たった1年でここまでチェンジする国なんて見たこともなかったでしょう。ペリー提督も海の男です。一筋縄ではいかんと直観して、とりあえず「弓矢の沙汰」はやめて本国に帰投しました。その後、議会に召喚されてエイブラハム・リンカーン上院議員(当時)に吊し上げをくらいますが、本国の偉いさんには現場なんてわかりません

これも古今東西おんなじです。

「グレートマジンガー」(東映)では、ミケーネ帝国の怪魚将軍アンゴラスが、現場に口を挟む上司の暗黒大将軍に「現場まで口出しされたらかなわんわ」と愚痴っていました。

きゃの十三🔞 auf Twitter: "この2体・・・合わせて7大将軍、ロボガで何人おるん?… "東映

さて、19世紀の世界はもうあらかた欧州列強に切り取られていましたので、アメリカ帝国は中国を攻略すべく、じっくりと腰を据えています。マニフェスト・デスティニーの伝統に乗っかって「門戸解放」を訴えます。「オレも入れろよ」と言っているわけ。中国の主権云々を前面に出すのもお約束です。

 

満洲事変で満洲国が成立したときにも、「たのむよ」と手を合わせるも小村寿太郎に一蹴されました。

日露戦争に勝って、日本は舞い上がっていたのでした。

外交と限られた戦力で死力を尽くしてギリギリ勝てたというのに、

栄光だけが独り歩きしていたのでした。

これを見ていたテオドール・ルーズベルト米大統領は、日本を仮想敵国に定めます。このテディ・ルーズベルトという男はアメリカ人には珍しく、バランス感覚が優れています。日露戦争の講和条約を買って出たのもこの人です。

俺、1/1レプリカマスクで参上! | 喫茶『アミーゴ』東映

ここで日本が大陸進出などせずに交易大国を目指したならば、事なきを得たのだと考えられます。

このあたりは伊藤貫氏の『自滅するアメリカ帝国』(文春新書)に詳しく書かれていますのでオススメです。ブッシュ親子やクリキントン、オバマから、オルブライトおばさんにライス女史まで斬りまくっていておもしろいですよ。日本で人気のジョゼフ・ナイとか、フランシス・フクヤマも筆誅の対象です。なお、

レーガン時代に70万人台の米軍をコスト削減の名のもとに40万人台に減らしたのがクリキントンでした。

反日政治家を暴く署名 part2が始まりました | 麟麟のブログ - 楽天ブログビル・クリントン

これだけ軍事削減をやりながら、できもしない世界制覇を目指すのですから、結果もしれています。

 

何が気に入らないのか、たぶん全部気に入らないのでしょう。

利益を国民にしっかり還元して支持を得ていたカダフィ大佐や、社会の世俗化を促進して女性の社会参加を奨励していたバース党のフセイン大統領を犯罪者として葬っています。ただし、同じくバース党のアサド大統領はプーチンを味方にしてなんとか頑張っています。

武装解除したカダフィ大佐の末路を見た金正恩は決して核兵器を手放さないでしょう。

ジョージ・W・ブッシュはイラク戦争後のイラクを「日本並の民主国家にしてみせる」と豪語していました。

歴史を学ばず、事実を直視もせず、脳内妄想だけでここまでやってきたアメリカさまの頭の中身がこの一言で暴露されてしまいましたね。大国がお手盛りでつくった衛星国なんて、大国自身が財政逼迫になったら、その生命も尽きるのです。

ポーランド人がナポレオンにつくってもらったワルシャワ大公国もそうでしたが、メイド・イン・ジャパンの満洲国もそうでした。

ジョー・バイデンはアフガン撤退を実施しましたが、日本陸軍と同じく軍人を民間人より先に逃したため叩かれたのは周知の事実です。歴史を学んだ形跡がまったくないのです。

 

日本もそうですが、だいたいどの国も歴史と伝統があります。

そこを踏まえて外交をやらないと、ろくなことはないのです。

欧州は1648年以降、この現実を捉えて現代まで国家を営んでいます。昨今になってドイツがいささか図に乗っているのが鼻につくくらいでしょうか。ドイツには帝国を営む度量も器もありません。

オットー・フォン・ビスマルクみたいな天才がドイツに生まれたのは「神さまの気まぐれ」としか言いようがないのです。

オットー・フォン・ビスマルク - Wikipedia

勢力均衡、バランス・オブ・パワーこそ外交の基本です

国家理性に忠実だったリシュリュー枢機卿、ウィーン会議を主催して19世紀の扉を開いたタレーラン公爵とメッテルニヒ侯爵、3度兵を動かしてドイツ帝国を創造したビスマルク侯爵に学ぶことはいっぱいあります。伊藤貫さんの著作を読んで、伊藤俊輔の評価を改めました。日韓併合、満洲建国にどこまでも反対していたのは、立派でした。ビスマルクの足跡をここまで学んでいたのはこの伊藤博文だけでした。

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結果として、朝鮮半島や満洲に足を伸ばしても、有効な資源が特にあるわけでもなく、財政は持ち出し一本槍でした。この利権にうまく乗ったのが陸軍官僚と岸信介たちです。日本のカネはどんどん大陸に流れて、東北地方は真っ先に切り捨てられたのでした。

そのうち満洲がカネにならないと気がついて、北支分離工作へと領土欲が旺盛になり、諸外国を一気に敵に回します。ここからはもう、引っ込みがつかなくなって第二次大戦へと流れ込んでいきます。

 

要するに、日本は大陸に進出するべきではなかった

これが正解。えっ、バッファー(緩衝地帯)が必要なのでは?

なるほど、物は言いようですね。ですが、あのヴェネツィア共和国も、大陸に進出したおかげで紛争に巻き込まれて衰退しました。

スイスは山岳国の利点を熟知していますからバッファーなんてこしらえないし、そもそも衛星国をつくりたがるのは恐怖心の裏返しでしかありません。ロシアが朝鮮半島を制覇したならしたで、そこで対峙すればいいのです。日本海の荒波が守ってくれます。ペテルブルクからはるばる極東までやってきたロシア兵の戦意やいかに。地政学者は戦争をゲーム感覚で捉えるクセがありますので、その辺を間引いたほうがいいですね。

 

力を持っていても敢えて「低きにいる」(『老子』)。

これはビスマルクの答えです。思えば旺盛なプロイセン軍を抑えるのは大変だったことでしょう。参謀総長がモルトケだったからこそ、軍隊へのブレーキが効いたのだと、とっきぃは拝察します。

普仏戦争でアルザス・ロレーヌ割譲さえ思いとどまれば、フランスの憎しみはさほど受けなかったのではないか、とも愚考します。

ドイツ帝国をつくったあとはひたすらバランス・オブ・パワーに徹するビスマルク。その芸術的な外交は今でも「四重奏曲」と讃えられます。

 

現代日本もまた、ビスマルク侯爵に範を取って勢力均衡政策へと道を切り替えるべきです。アメリカ帝国にもはや世界背服の能力はありません。口では威勢のいいことを言っていますが事実を直視すれば、できもしないくせに大口を叩いているのがわかります。

「核の傘」なんて口から出まかせにだまされないで、さっさと核抑止力を持ちましょう。そして米軍にはお引き取り願いましょう。

核抑止力の保持こそ、日本の真の独立への最短距離です。

 

アメリカ帝国は、無辜の日本人婦女子を絨毯爆撃で焼き殺した前科があります。そして同じく原爆を2度落として銃後の守りを焼殺しました。トルーマン大統領は「私は事前に3度警告した」とウソを記したメモをタイムカプセルに入れたそうです・・・。

なればこそ、米帝は自虐史観の浸透に一生懸命だったのです。日本が悪い国であれば、空襲も原爆投下も正当化されると踏んだからです。

 

日本はほんとうの意味で「独立」するべきです。

北条時宗も、信長、秀吉、家康のお三方も、伊藤博文も、

泉下で望んでいることでしょう。

そして、日本人はもとが短気ですから、『老子』をよく読んでタレーランやビスマルクのような外交官を育てる教育も必須です。

短気というのは裏をかえせば、まっすぐな人柄です。

 

歴代の帝国、大日本帝国や、バブル狂ニッポンの失敗を省みて、

新しい中世を目指しましょう。

 

実は、新しい中世の希望として、佐賀市の宝飾店、うれしの金賞堂を採り上げる予定でしたが、伊藤貫さんの著作に刺激を受けて今記事となりました。

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