老害医師たち | 総合診療医:誰もがわかりやすく医療を理解する事ができるブログ

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「否定の極論」記事に疲れたあなたへ贈る:「食事」「睡眠」「運動」・・これら「健康の三本柱」をねじ曲げずにポジティブに考えるブログです。

添付した2つの画像の2人の発信には、大きな問題点が3つある。

 

① 情報を全く更新せず、常にプラス面またはマイナス面の片一方しか見ない事

医師に限った事ではないが、医師というものは、薬1つにして もプラス面とマイナス面の両方の立場から見て、使用するかしないかを判断する。

片一方の面からしか見られなくなるようでは、もはや思考が停止しており医師とは言えない。

 

② 同業者ではなく、素人のみにしか受け入れられない・相手にしようとしない事

もしも、ある事柄に関して疑問があったり、こういう考え方があるというのであれば素人だけを対象に発信すべきではない。

公式の学会で発表して同業者と議論し合うべきである。

 

③ 「数」でのみ見て、「率」で見ようとしない。また、「ワクチン接種群」のみに注目して「ワクチン未接種群」を一切無視する。

コロナワクチンの副反応は確かに色々とある。非常に稀に亡くなられた者もいる。ただし、著者や名誉教授は「分母(n)」に関して、全く触れる事がない。

 

ワクチンも薬の一種である。どんな薬でも副作用が全くない薬などない。コロナワクチンは、日本国内だけで述べ4億回以上の接種があり、その中で副作用を起こした「確率」がどれだけあったのかを分析していない。

医師である以上、現役時代は「エビデンス」にこだわってきたはずだ。第一線を離れると、素人並みの思考しかできなくなるようである。医学生ですら、レポートを提出する際に「エビデンス」を考慮するのが常識であり、もはや医学生以下の思考である。

 

副作用にしても「コホート研究」、この場合はワクチン接種者群と未接種者群での「確率」を分析するのが、「普通の医者」である。ちなみに下2つ先の画像のように、多くの症状は未接種群の方で接種群よりも症状を起こす「確率」が高い結果が、「まともな」学会誌で発表されている。

 

 

「名誉教授」という肩書きのある者の方は、やたらとコロナワクチンの副作用にばかり注目して、やはりまともな学会誌ではなく素人に向けて発信している。尚、名誉教授が発信した記事は、吉本タレントで裁判沙汰になっているあの文春砲‼️

 

そもそも、「名誉教授」とは、大学教授を一定期間以上努めて退職された者に与えられる単なる「称号」であって、雇用状態ではなくもちろん給与も発生しない。つまり、大学とは縁が薄くなった者である。

現役時代はかなり厳しいとされていたこちらの名誉教授も、かつて何度も学会で発表したり座長を務めたように、素人相手ではなく同業者と公式の学会で議論し合うべきである。これをしないのは、自分の思考で同業者を納得させるだけの自信がないからである。YouTubeに出たり、素人向けの講演会で話す事ではない。

 

こいつらは医師という肩書きを使って、素人を騙す「老害」である。とっとと老健の施設長にでもなって隠居しろ!!と言いたい。結局、いつまで経ってもかつてのように自分の存在感をアピールしたいのであろう。

 

ちなみに、添付書籍の著者はかつてコロナ治療薬として「イベルメクチン」をやたらと推奨して、『イベルメクチンがコロナに効かなければ医者を辞める』と言っていた。結局、世界中で何度も情報が更新されたが、イベルメクチンは「使用量」を増やしたとしても、コロナ治療薬にはならなかった。

尚、この著者、医者から歌手になったらしい(きっと医師免許は返納していないだろうけど)。

 

大体にして薬というものは、「商品」となる確率は2~3万個に1個。つまり医療機関で処方される薬は「エリート」である。糞線虫や疥癬の治療薬であるイベルメクチンが、偶然ウイルスにも効果があるなど、そんな虫の良い話などない。

 

 

こういう事を書くと、素人の中には『ワクチンを接種させたいがための陰謀』『製薬会社の金儲け目的』『ワクチンによる人口削減計画』など、相手にするのもバカバカしい負け惜しみを言う奴がいる。

 

こういう奴らは、何に対しても反対するあまのじゃくであって、SNS上の同じ思考しか持てない素人同士で慰め合っているに過ぎない。所詮、汚い公衆便所の落書きレベルである!!

ちなみに「金儲け」だけを考えるのならば、添付画像の著者のようにコロナワクチンを批判する書籍を出すのが手っ取り早い。少なくとも、農薬の代わりにジャンボタニシという「稲にサリンを巻くような行為」に賛同するオレンジ党の支持者は購読してくれる事だろう。

最後に、一般の方々にもう一度言いたい。

 

誰しも薬に頼った事はあるが、その薬はワクチンと同様に自分の知らない所で強い副作用を発症する人がいる。稀にアナフィラキシーなどで死亡する人もいる。だからと言って、その薬を中止するとそれ以上に困る人が大幅に出てくる。

薬というものは、「メリット」「デメリット」を天秤にかけて、大幅にメリットが上回るものが初めて「商品」となる。そもそも、副作用のない薬など薬としての効果もない。薬に限らずゼロリスクはあり得ない。

コロナワクチンの副反応に苦しんでいる人がいるのは事実だし、「分母(n)」が大きいから「分子」も大きく思えるだろうけど、コロナワクチンが嫌いだからと言って、それ以上に大勢の世界中の人々をコロナ死から救った事実を無視してはならない。

こういう事実があるから、コロナワクチン開発者はノーベル生理学・医学賞を受賞したのである。

 

また、素人しか相手にできない医師など、もはや「老害」であり、決して信用してはならない。

そして、自分が信じたい事だけを信じるのではなく、メリット・デメリット両天秤にかけて正しい事を信じるべきである。

 

 

 

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