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「否定の極論」記事に疲れたあなたへ贈る:「食事」「睡眠」「運動」・・これら「健康の三本柱」をねじ曲げずにポジティブに考えるブログです。


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次の記事が、メジャーなサイトでアップされました。

「糖質制限」論争に幕?一流医学誌に衝撃論文~ 「炭水化物は危険、脂質は安全」の波紋

  

元となった論文は、業界でも超有名な「Lancet」から発信されたので、糖質制限推奨者の方々は大喜びされ、それ以外の方々もビックリされた事でしょう。

  

元となった論文は下のサイトです。英文で13ページあります。

Associations of fats and carbohydrate intake with cardiovascular disease and mortality in 18 countries from five continents (PURE): a prospective cohort study

  

さてこのLancetの論文ですが・・・

  

  

実は、当たり前すぎる内容であって、あまり大した論文ではありません!!

  

・・・などど、偉そうに書いてしまいました。

もちろん私自身、一流業界紙Lancetに採用されるような研究も実力も持ち合わせておりません。

ですが、原著論文をじっくりと読んでみると、やはり当然の内容なのです。これから、具体的に説明していきます。

  

  

#対象年齢・期間

2003年1月1日の時点で35~70歳の13万5335例を登録し、2013年3月31日まで中央値で7.4年間の追跡調査しています。

  

#対象国:18か国

・高所得国:カナダ、スウェーデン、UAE

・中所得国:アルゼンチン、ブラジル、チリ、中国、コロンビア、イラン、マレーシア、パレスチナ、ポーランド、南アフリカ、トルコ

・低所得国:バングラデシュ、インド、パキスタン、ジンバブエ

  

  

ここで、一旦論文を離れます。国別のお米消費量についてです。

次のサイトから写真をアップしました。

お米を食べる国ベスト10!日本の米消費は50年で4割減少

  

ここには、今回の調査対象となった国が出てきます。

・バングラデシュ:第1位

・中国:第17位

・インド:第22位

  

  

ちなみに、日本は意外にも第50位でした。バングラデシュの人たちは、日本人の4倍もお米を食べる事となります。

ただし、国によって最新の発表年度が違うでしょうから、調査年度によって順位に多少の変動があると思われます。

  

尚、ご飯茶碗1杯に軽く盛ると、150g程度です。

よって日本の「119g」というのは、少な過ぎる結果だと思います。パン食の人が増えた結果、平均するとこのような結果になったのかもしれません。

このサイトには集計方法までは書かれていないので、あくまで各国の比較の参考としましょう。

  

  

では再び、Lancetの論文と冒頭の記事に戻ります。

  

冒頭の記事の医師は糖質制限推奨派で超有名ですが、記事ではこの論文から次の結果を示しております。

  

  

では上の①について、原文を確認します。

原文の6ページに次の表があります。一部拡大しました。

  

尚、この先も原文から抜粋するので、英語が多数出てきますが、その都度解説します。

  

  

「quintile=5分位」すなわちグループの中間値という意味ですが、「carbohydrate=炭水化物」の摂取量別に、quintile(以下Q)で5つにグループに分類しています。

  

Q1:46.4%  (42.6~49.0)

Q2:54.6%(52.9~56.2)

Q3:60.8%(59.3~62.3)

Q4:67.7%(65.7~69.7)

Q5:77.2%(74.4~80.7)

  

そしてそれぞれの「Total mortality=死亡率」は(中間値のみ)・・・

Q1:4.1

Q2:4.2

Q3:4.5

Q4:4.9

Q5:7.2

  

ちなみに、国が推奨する炭水化物摂取量は60%程度です。これは今回の論文の「Q3」に入ります。

また、糖尿病学会が定める炭水化物摂取量の下限は50%です。つまり糖尿病患者さんは「Q2」に入ります。

  

そしてもう1度「Q1」をご覧ください。

Q1:46.4%(42.6~49.0)・・・これってマイルドな糖質制限です。

つまり冒頭の医師は、糖質制限を強く推奨する事で有名ですが・・・

  

今回の論文は、極端な糖質制限に関しては対象外の内容です!!!

  

▲PFCバランス・・・今回の「Q3」に属する

  

  

続いて、冒頭の医師の記事から抜粋します。

  

  

これに関しては、原文でも次のような記述があります。

7ページの左側上から7行目から拡大しました。

  

  

「Q5 vs Q1」・・・つまりこの論文の主旨は、Q5とQ1を比較する事が目的です。

糖質制限が良いというのではなく、過剰な糖質摂取がいけないと言っているのです。

  

確かに原文の著者らも、炭水化物摂取量が60%超える事には注意を促しています。

これは9ページ上から7行目に、次のような記述があります。

  

  

ですが、論文では、冒頭の糖質制限推奨者医師のように、炭水化物摂取量が60%以上、つまりQ3も含めてで死亡率が上がるとは、全く書かれておりません。

  

具体的に説明します。論文では、Q5とQ1の比較だけでなく、他のグループとも比較しております。

6ページと9ページの表から一部拡大しました。

  

  

  

明らかに有意差つまり死亡率に違いが明白だったのは、「Q5:Q1」と「Q4:Q1」でした。

Q2とQ3のグループでは有意差はない、つまり死亡率に大きな違いはありませんでした。

  

著者らも指摘しているように、60%を超える炭水化物摂取群の人は、控えめにした方がいいでしょうね。

  

↓再び冒頭の記事から。

  

冒頭の医師が挙げている②④も同じ事が言えます。つまり、「①糖質過多」と「②④脂質減少」は同じ意味です。

こちらも論文で比較されて、炭水化物摂取量と同様の結果が判明していますが、説明を省きます。

  

まとめますが・・・

  

Q3:標準的な炭水化物摂取量

Q2:日本糖尿病学会が推奨する糖尿病患者の炭水化物摂取量

・・・これらを、この論文では否定しておりません。

  

冒頭の医師は、本当に原著論文を読まれたのでしょうか?

読まれたとしても記事の内容が、あまりにも都合よく拡大解釈し過ぎです。確かに統計学は結構難しく、理解できなかった所があったかもしれません(実は私も統計学は苦手ですが(#^.^#))

  

それにしても糖質制限を推奨する人の多くは、今まで論文などをほとんど無視して、マイナス要因に出来るだけ触れない発信ばかりだったのに、自分たちにとって都合の良いたった1つの論文が出た途端、はしゃぎまわるんですから・・・。

  

  

さて今回のLancetの論文は、発展途上国も含まれています。

そもそも、炭水化物80%で、脂質が20%にも満たない食事・・・毎日そのような食事をする事ができますか?。

  

ちなみに、日本人の脂質摂取量は、上の「PFCバランス」で示したように25~30%程度です。また北米・北欧では30~40%程度です。

炭水化物摂取量第1位のバングラデシュのような食事を、先進国の人々からすると想像もできません。

  

それと今回のLancetの論文に出てこない事が2つあります。論文では、出来るだけ条件を統一して結果を導いていますが、どうしても統一できない要因があります。

それは「医療水準」です。発展途上国の医療水準は、当然落ちます。先進国と発展途上国の人たちを一緒にした医療関連論文は難しいのではないでしょうか?

  

↓再度冒頭の記事から。

  

それと、あと1つ残りましたが、③について。

これはこの論文以前から、脂質と心血管イベント、死亡とは関連ないことが既に報告されていますので、その研究結果の追試に過ぎません。

  

短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸のように炭素の数によって脂質の動脈硬化への影響が異なる事が知られており、飽和脂肪酸、オメガ3、オメガ6、不飽和脂肪酸などという分類は、大雑把すぎると思います。

  

  

冒頭の医師は、記事で次のような事も述べています。

  

  ↓

確かにコレステロールの8割は、肝臓で作られるので、コレステロールの摂取基準は日本でも撤廃されました。

  

だからと言って、いくらでもコレステロールが多いものを食べても良いわけではありません!!

  

どんな飲食物にも言える事ですが、食べ過ぎ・飲み過ぎになると、今度はその飲食物のマイナス要因まで摂り入れる事となります。

飽和脂肪酸摂取と循環器疾患発症の関連について

  

特に加熱調理をすると、どうしても「AGEs(終末糖化産物)」を摂り入れる事になります。「AGEs」が蓄積すると、人間の60兆個の細胞が老化し、様々な病気の原因になるからです。

飲食物でマイナス要因がないものなど、1つもありません。

  

  

Lancetの論文に出てこなかった事、その2.

個人的な考えではありますが、今回のLancetの論文は、三大栄養素だけで考えている事がナンセンスだと思います(またまた偉そうに、申し訳ありません)。

  

食事と死亡率を考察する場合、三大栄養素だけでなく、ビタミン、ミネラルを含めた五大栄養素と更に食物繊維の摂取も考慮に入れるべきです。

  

現代人は明らかに、ビタミン、ミネラル、食物繊維が不足しています。

これらの3つを十分に摂り入れる事が出来るならば、PFCバランスが多少乱れても、死亡率に大きな変動はないと思います・・・繰り返しますが、あくまで私個人の考察です。

残念ながら、Lancetの論文も、冒頭の医師の記事もそれらに関して全く考慮されていません。

  

  

例えば、心血管イベントならば、摂った脂質量ではなく、日本ではリンの過剰が最も影響が大きいと思います。

そして、リンとカルシウムの比率が、リンが多すぎるためにカルシウムが相対的に少なくなってしまうという現象を起こしています。

また、リン:カルシウム:マグネシウムの比率も大切ですから、マグネシウム不足も深刻な問題になっています。糖尿病の場合の多くはマグネシウム不足が関係していると思われます。

  

私としては、Lancetよりも次の論文の方がお勧めです。

Dietary magnesium intake and risk of incident coronary heart disease in men: A prospective cohort study

  

この論文は、「糖尿病ネットワーク」のサイトでも、日本語で解説があります。

マグネシウムの多い食品が心筋梗塞のリスクを低下 8.5万人を調査

  

▲マグネシウムの多い食品

  

  

結果だけ書きます。

  

・男性では、食事からのマグネシウム摂取量がもっと少ないグループに比べ、もっとも多いグループで、虚血性心疾患の発症リスクが34%低いという結果になりました。
・女性では、摂取量が一番少ない群に比べ、摂取量が中間の群で有意差がみられ、虚血性心疾患の発症リスクが39%低いという結果になりました。

  

やはりマグネシウム、そしてカルシウム、食物繊維を多い食品を摂る事をお勧めします。

  

▲食物繊維が多い食品

  

  

人はどうしても、自分にとって都合が良いものを求めたがる傾向にあります。

そして残念ながら、自分にとって都合良く解釈したり、過剰評価する事も珍しくありません。

  

今回のLancetの論文のように、たった1つの研究だけで結果が出たような浅はかなはしゃぎ方はやめるべきです。

どんな分野でもそうですが、自分たちにとって都合が良い事と悪い事、両方の立場から考慮し、正しい道を選択すべきと私は思います。

  

また医学論文に出たものが、全てまっとうな内容とは限りません。

ここまで来ると一般人には難しいので、それをわかりやすくかつ公平に解説するのも、医師の役目だと思っています。

  

(画像はネットより拝借)

  

  

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こんなブログを作るのもバカバカしいのだが・・・

次のような記事を発信する一般人が、相変わらず多いようで。

  

★☆★☆★☆★☆★☆

  

降圧剤を飲んでる方いっぱいいますよね。
降圧剤が全ての疾患の原因になってることに氣づいてますか?
それは単純な話です。
血圧を下げる=血流を悪くする
だからです。
   
そもそも130mmHg以上で高血圧と判断すること自体が狂っているわけですが、年齢を重ねれば少しづつ血管は硬くなり血圧が上がっていくのは当たり前のことです。
その血圧になぜなっているかというと、これも単純な話で、「正常な代謝を維持するのに必要な圧力」だからです。
  
つまり、降圧剤を使い人為的に血圧を下げれば「正常な代謝」が行われなくなるのは火を見るより明らかですよね。
例えば、血流量が減れば当然、細胞に供給される酸素が減ります。
酸素が足りなくなると嫌気性解糖系が優位になり、より乳酸を多く作り出すようになります。
  
それにより血液をはじめ、身体全体は酸性化していきます。
酸性化した身体は電子が足りない常態にあり、イオンポンプやミトコンドリアの電子伝達系が正常に機能しなくなります。
  
はい、がん患者の出来上がり。
現代医猟は降圧剤によってあらゆる疾患が増えることを知っていて使っているんです。

  

★☆★☆★☆★☆★☆

  

上の記事には書いていませんが、高血圧の診断基準を下げる事で、降圧剤の処方が増えて、「高血圧ビジネス」が成り立つとする記事もありました。

面白かったのは、人間の血圧と首の長いキリンの血圧を比較する記事・・・比較する意味なんかないでしょう(*_*;

    
やれやれって感じです。
もっとやれやれなのは、これらの記事を鵜呑みにする者たち。なぜ、患者の治療に関わらないこの一般人の記事がおかしいと思わないのでしょうか?

しかも「医療」ではなく「医猟」だそうです。執筆者の性格が手に取るようにわかります。

  

ところで・・・

  

例えば、普段の収縮期血圧が180mmHgある人を、一気に100mmHg以下まで低下させた場合です。

そこまで一気に血圧を下げる目的で処方する医師などおりません!!

  

もちろん薬の効果は、個人個人で異なります。

もしも、血圧が下がり過ぎた場合は、脳血流の低下症状として、めまいやふらつきなどの症状が出現します。この場合、医師は薬の種類や量を調節します。

  

  

尚、日本高血圧学会が公表している治療のガイドラインでは・・・
高血圧の診断基準は「収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上」とされています。

  

一時期、「130mmHg以上」まで下げられましたが、最新では「140mmHg以上」に変更されました。

  

  

そもそも、日本高血圧学会のガイドラインが間違いだとしたら、厚労省がそんなガイドラインを放置していると思いますか?。

いや、その学会自体に何の注意喚起もしないと思いますか?、学会の存続自体が危ぶまれる事でしょう。

  

高血圧に関する論文は、世界的にもかなりの数が発表されています。

そして日本のガイドラインは、多数の研究結果を元に、日本民族に合わせて作成・修正されているのです。

トンデモ系たちがほざいている事は全く意味がありません。単に医療を否定して目立ちたいだけです。彼らはエビデンスや大規模データ、ガイドラインなどを一切無視しているのです。そうしないと彼らの炎上ビジネスは成り立ちませんから。

  

またガイドラインは個人個人に合わせているわけではありません。全体のビッグデータを元に統計を出して、最も有用なデータを元に作られているのです。当然、例外はあるわけです。

  

次から高血圧に関する具体的なデータを示します。

  

  

上の図をご覧ください。

  

高血圧の影響は、アルツハイマー型認知症では変わりませんが、血管性認知症では、高血圧を放置すると、相対危険度が高まります。

  

  

続いて、上の図をご覧ください。

  

高血圧を放置すると脳梗塞・脳出血とも年間発症率が高くなります。

ただし、放置したからと言って、全員が脳卒中を起こすわけではありません。ならないまま一生を終える人もいます。でも、それ以上に危険性が高まる人たちの方が、統計的には非常に多いのです。

ガイドラインの必要性とはそういうものです。

  

▲高血圧の合併症

  

  

降圧剤で血流を下げているのではありません。

適正な血流に調節しているのです。!!

  

血圧が高すぎると、動脈の壁に強い負荷(ストレス)がかかります。

動脈に慢性的なストレスがかかると動脈硬化が起き、将来心臓病脳卒中腎臓病を発症する可能性があります。

  

▲メタボリックドミノ

  

  

多くの薬は病気を治さないと批判する記事がよくあります。

ですがここまで書けば、医師がなぜ薬を処方するのかおわかりですね。

  

降圧剤に限った事ではありませんが、一部の薬を除き・・・

多くの薬は、合併症の予防のために処方されているのです。

  

上の図をご覧ください。
「メタボリックドミノ」と言います。
  
①高血圧を含めた生活習慣病の初期
(上流)にいるうちは、食事・睡眠・運動などの見直しにより、まだ何とか薬に頼らなくてすみます。
②病状が進行
(中流)すると、合併症が起きる危険性があるため、ほとんどの人が薬を手放すことができなくなります。
③更に病状が進行
(下流)すると、大多数の人が一生薬が必要になり、また合併症に対する新たな薬も一生必要になります。
  

現在薬が処方されている人は、少しでも薬を減らせるように、国や専門機関の発信を参照にして、日常生活を見直す事をお勧めします。

今はまだ薬が必要のない人は、今後もできるだけ病院のお世話にならないように、過度に神経質にならないで日常生活をお過ごしください。

  

ただし我々は、今この瞬間にも年をとっています。年齢的な衰えは、誰しも避けようがありません。

一線を超えてしまったら、予防だけでは生きていけません。大規模データのない代替医療だけに頼るのではなく、必要とすべき薬は飲むべきです。

また予防だけで、絶対に病気にならないわけではありません。年に一回の健診(健診)は必要です。

  

本来・・・

予防を超えたところに医療が存在すべきなのです。

今後も間違った情報に左右されないように、正しい情報だけを取り入れるようにしてください。迷うようなら、信頼できる専門家に相談されてください。

  
(画像はネットより拝借)
  

  

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日本の予防医学は、アメリカに比べると20年は遅れているとされています。では、なぜアメリカでは早くから予防医学が発達したのでしょうか?。

その始まりは、1977年に発表された「マクガバン・レポート」とされています。

  

かつてのアメリカは日本と同様に、死亡原因の第1位は「悪性新生物(がん)」でした。その後、1960年代後半から生活習慣病にかかる人が増え、心臓病の死亡率が第1位となり国民の医療費が膨れ上がり、心臓病の治療費だけでアメリカ経済がパンクしかねない状況でした(1977年には1180億ドル:約25兆円)。

  

  
まずは、癌の死亡率を半減しようと、当時のニクソン大統領がアポロ計画に投じていた予算を癌の治療技術の改善に投じました。ですが、癌にかかる人は減るどころか増えてしまいました。

  
そこで、当時のフォード大統領の時代に、治療より予防対策にお金をかける事に方向転換する事となりました。

当時の副大統領候補だったジョージ・S・マクガバン上院議員を委員長とした栄養問題特別委員会は、被験者3000人を2年間かけて調査し、5000ページにも渡る「マクガバン・レポート」が完成しました。
  

  

#マクガバン・レポートの内容

①諸々の慢性病は肉食中心の誤った食生活がもたらした食原病であり、薬では治らない。

②ビタミン、ミネラルの特にカルシウム、鉄、ビタミンA、B1、B6、C、Eの不足がひどい、典型的な若年死のデータだ。

7項目の食事改善の指針:(具体的には)高カロリー、高脂肪の食品、つまり肉、乳製品、卵といった動物性食品を減らし、できるだけ精製しない穀物や野菜、果物を多く摂るべきである。

④委員の1人でもある精神科医のレーザー博士は、「精神分裂病(統合失調症)はジャンクフーズ病だ」と言った。

  

#病気にならないための食生活の6つの目標が設定

①炭水化物の比率を(全カロリーの)55-60%に増やす(米国の食事目標-第2版では、現在28%の複合炭水化物を48%に増やすと変更、炭水化物全体では砂糖と合計して58%とする)。

②現在40%の脂質を30%に減らす。

③飽和脂肪酸を10%に減らす。多価不飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸を10%にする。

④コレステロールを1日300mgに減らす(第2版では、閉経前の女性、幼児、高齢者は卵の栄養価を考慮してコレステロールの摂取量を減らすと追加)。

⑤砂糖を15gに減らす(第2版では10gに変更)。

⑥塩分を3gに減らす(第2版では5gに変更)。

  

※補足

当時「コレステロールは悪者」扱いされましたが、今や日本でもコレステロールの摂取基準は撤廃されました。

なぜなら血中コレステロールの約8割は肝臓を中心に体内で作られ、残りの約2割が食事からの摂取で決まるからです。

だからと言って、好き放題コレステロールが多いものを摂ってもいいわけではありません。特に「酸化型LDLコレステロール」が多くなる摂取の仕方は控えるべきです。
厚生労働省が改訂「食事摂取基準」でコレステロールの基準を撤廃

  

マクガバン2

▲ジョージ・S・マクガバン氏

  

  
しかしながら、この内容は各界から非難を受けます。

①「今の医学では、病気は治せない」→「全米医学会」から非難を受けました。
②「肉食中心の食生活では、健康を維持できない」→「全米畜産業界」から非難をうけました。
③「砂糖業界」からも非難を受けました。

  

マクガバン氏は、翌年の「副大統領選」には落選しています。

しかし、これ以降、アメリカ心臓協会やアメリカ国立癌研究所などは、食と生活についての意見を発表するようになりました。

  

この頃のアメリカは、マクガバン・レポートでも指摘されているように、「従来の医学は栄養に盲目であり、偏った片目の医学」であったのです。

本来なら、日本でももっと「予防医学」にも力を入れるべきなのですが、エビデンスがなく、かつ、お金がかかり過ぎる過剰な宣伝の代替医療ばかりで、現状ではまだまだ先の話と思われます。

  

マクガバン4

  
マクガバン・レポートでは、北海道、沖縄の他、長寿村と呼ばれる地区10数か所にも調査が入りました。

その調査は当時の日本食だけでなく、大昔の日本食についても調査がされました。そして次の報告がされました。
  
  
~世界で最も理想的な食事は元禄時代以前の日本人の食事である~

つまり、精白しない穀類(玄米)を主食とし、季節の野菜、海藻、小さな魚介類の食事をさしています。

ちなみに元禄時代には精米技術が発達し、白米を食べる習慣が始まりました。

その結果、「江戸わずらい」すなわち「脚気(かっけ)」が流行しました。米を精白する事で、胚芽に含まれるビタミン、酵素、ミネラル、食物繊維がなくなってしまい、その当時の日本食ではこれらを補えませんでした。
  
  
さてアメリカに話を戻します。

1990年に栄養問題特別委員会は、アメリカの国立がん研究所(NCI)に対して、栄養(食事)と癌との関係を調査するように依頼します。
  
そのレポートで特に注目されるのは、次の事です。

①動物性タンパク質の摂取量が増えると乳癌、子宮内膜癌、前立腺癌、結腸・直腸癌、膵癌、胃癌などの発生率が高まる恐れがある。

これまでの西洋風な食事では脂肪とタンパク摂取量との相関関係は非常に高い」

  

▲デザイナーフーズリスト  

  

  

そしてここから次の概念が生まれました。
     
#デザイナーズフーズ・プログラム
これは数万種類の化学物質を調べ、植物性食品のどのような成分が、癌予防に効果があるのかを研究し、その成分を複合または強化させ、癌予防に効果的な「デザイナーフーズ」を開発しようという計画でした。

疫学調査のデータを集めて解析し、約600種類の化学物質に癌予防効果の可能性があると発表されました。
   
デザイナーフーズ・プログラムでは、ポリフェノール、カロテノイド、テルペンなどが含まれた癌予防効果のある食品、40種類を効果の高いといわれる食品を頂点にピラミッドを作成しています。それが、この「デザイナーフーズリスト」(上記画像)です。
   
ピラミッドの上に行く程、癌予防効果が高いのですが、ここにはニンニク、キャベツ、大豆、生姜、ニンジン、セロリなどが並んでいます。スーパーマーケットが簡単に手に入る食材ばかりです。

  
  
もはや我々は、元禄時代以前の食事に戻す事は不可能かもしれません。
ですが毎日の食事に上記の食材と少々の発芽玄米または雑穀を取り入れて、癌や生活習慣病の予防にぜひ努めたいものです。

  

  

注意!!

「デザイナーズフーズ」はあくまで「癌予防」です。決して「癌治療」ではありません。

ちなみに、多くの人々の癌が消える何らかの食べ物は全くない!!・・と医学的には既に研究が終了しています。
  

  

さて、ここからは「マクガバン・レポート」からは離れて、現在の諸外国の食事についてです。

  

次のサイトは、あるフォトグラファーが世界中を飛び回って、各国の人々と彼らの食事内容を写真に収め、かつ平均的に食べている食事内容と、摂取カロリーが並んでいます。

後に何枚か写真を掲載しましたが、お時間がある方はこちらもご覧ください。

Peter Menzel / ASA

  

▲出典「厚労省:日本人の食事摂取基準」

  

  

まずは基礎知識から(上の表を参照)。

50歳前後の平均的な日本人の推奨摂取カロリーは、男性2500kcal/日、女性2000kcal/日ほどです。

ちなみに日本民族は、消化酵素が欧米人の半分ほどしかなく、胃腸の機能や膵臓からのインシュリン分泌能が悪く、そのためメタボ基準も世界的に厳しくなっています。

  

フォトグラファーのサイトには、日本人でも特に多く食事をするお相撲さんが出てきました。この人は29歳で、摂取カロリーは3600kcal/日でした。

ペットボトルの飲み物は水かお茶が多いようです。

  

  

フォトグラファーのサイトには64名の人々と食事の写真が載っています。

驚く事に、3000kcal/日以上の人はざらにいますし、中には5000kcal/日以上の人もいます。

  

次の写真は69歳のブラジル人男性、摂取カロリーは5200kcal/日でした。

  

  

次の写真は、54歳男性、長距離ドライバー、摂取カロリーは5400kcal/日でした。

  

色が付いた飲み物は何なのでしょうか?。

食べ物ではありませんが、タバコ2箱も気になります。

  

  

次の写真はグリーンランド在住の40歳男性、摂取カロリーは6500kcal/日でした。

  

  

次の写真は北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカの高速道路を走っている25歳男性、摂取カロリーは8400kcal/日でした。

  

↓この人の食事メニューは、かなり不健康に思えます。

  

  

そして64名の中で最も摂取カロリーが多かったのは、ロンドン在住の31歳女性。

身長は約165cm、体重は約104kg、すなわち典型的な西欧型の肥満体型です。ちなみに後ろの男性も肥満のようです。

  

そして摂取カロリーは・・・

  

  

何と12300kcal/日でした!!!

  

胃腸と更には腎臓の機能が悪い日本民族と他民族を比較するのは意味がないかもしれませんが、日本のお相撲さんの摂取カロリーなんて可愛いものです。

海外旅行をすると、お相撲さんと大して変わらない一般人を時々見る事がありますよね。

  

しかし、なぜこんなに多くのカロリーを摂る事ができるのでしょうか?

それは・・・

  

  

自分で料理をしないで、既に加工されている食品ばかりを食べているからです。自宅で調理するよりも、簡単に食べられる加工食品を買った方が安上がりなのです。

  

毎日がファーストフードやコンビニ食、菓子パンやおやつばかり食べているようなものです。しかも、分量に対してカロリー数が多いのです。

上のロンドンの女性の食事は、確かに品数が多いのですが、まさか12300kcalもあるとは思えないですよね。

低所得者層たちは、おばあちゃんの代から食事を作らないので、当然子供たちが大人になっても調理をするわけがありません。食育が全くされていないのです。

  

  

このフォトグラファーは科学者ではありませんが、このような現実の写真を見させられると、日本人の約7倍トランス脂肪酸を摂っているアメリカでトランス脂肪酸の製造食品を禁止するのもわかります。

「トランス脂肪酸」は不健康、でももっと不健康なもの、それは・・・

  
日本人の2人に1人が一生の間に癌を発症し、3人に1人が癌で亡くなるとされています。

ですが、他の先進諸国の人々が、癌を発症する前に心臓病や脳卒中で、日本人より早死にするのもわかる気がします。
  

  

実は日本人、子供の頃に食育がされています。

それは学校給食です!!!
  

学校給食に対し、あれはダメこれはダメ、牛乳はモー毒などと批判する者もいます。

ではその人たちは、一度でも学校給食がどのような内容なのか、調べた事はあるのでしょうか?

学校給食実施基準の一部改正について:文部科学省

  

上のサイトを開く必要はありませんが、エネルギー、タンパク質、脂質、ナトリウム、カルシウム、鉄、ビタミン類、食物繊維、マグネシウム及び亜鉛など、細かい設定があり、度々修正されています。

学校給食法に則って、バランス良い食事になっているのです。日本の学校給食は世界的に見ても、当たり前なのではありません。子供たちは、何気に目で見て教育されているのです。
  

  

日本のように全国の小学校で学校給食が実施されている国は、私が調べた限りでは1つもありませんでした。

  

多くはカフェテリアなどのように、子供たちが自分の好きな物を自由に選ぶ事ができます。当然、バランスが良い内容とは限りません。

アメリカやイギリスなどでは、一部給食があるものの、親が低所得者の子供たちが対象なので、他の子供たちにバカにされ、楽しくない食事をしているのです。

  

おそらく日本を見習って、これから少しずつ変わっていくと思いますし、そう願いたいものです。

イギリスの学校給食はひどすぎる!? イギリスで起きた給食改革

アメリカの学校給食が酷すぎる。 民間の学校給食宅配サービスを作って健康的な給食を提供できないかな?

  

  

日本人の食育も乱れてきているのは事実です。
ですが、今の給食が維持される限りは、最低限の食育が培われます。今回提示した他国の人たちの食事の写真に、みなさんは違和感があった事でしょう。

  

我々はどうしてもコンビニで済ませる必要があっても、少なからずバランスを考えるはずです。居酒屋さんに入っても、肉類ばかりではなくサラダやお刺身、おにぎりなど、無意識にバランスを整えた注文をしているはずです。

  

  

このブログを読まれた方々は、ある程度食事に気をつけていると思います。

  

マクガバン・レポートの大切な部分を参考にして、これからも食事に気をつけ、学校給食だけに頼らず、子供たちに「食育」を伝えていきましょう。

  
(画像はネットより拝借)

  

  

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普段から健康、特に食事に注意をされていても、甘いものが好きな方が多いですよね。

  

食べる行為は我慢大会ではありません。

少々の我慢は必要でも、楽しむ事は人生において必要です。

  

  
また、食事の回数は多すぎても少なすぎても良くありません。
頻繁に食べると、インスリンが絶えず分泌され、膵臓の休む暇がありません。
   ↓↓

  

逆に、1日1~2食だと1食での血糖値が急上昇(血糖値スパイク)し、1日3食に比べてむしろ糖尿病の原因になります。

1日3食の中で、朝食が最も大切である!!

  ↓↓

  

  

だけど、たまにはスイーツを食べた~い!!
では、いつ食べるのが良いと思いますか?
  ↓ 
答えは「3時のおやつ」なんです。
 
   
~3時のおやつの時間は1日の中で一番太りにくい時間~
  
(1)
午後3時は血糖値を下げるインスリンを分泌する膵臓の働きが、1日の中で最も活発になる時間です。
  
(2)
午後3時は脂肪蓄積たんぱく質「BMAL1(ビーマルワン)」の増加量が、1日の中で最も少ない時間です。
   ↓↓  

  

BMAL1(ビーマルワン)とは?~
これは脂肪細胞に脂肪を溜め込む働きをするタンパク質です。

上の図のように、午後3時前後に最も数が少なく、午後10時以降になると数が多くなります。
  

午後10時以降になると、BMAL1はマックスで午後3時の10~20倍発生します。
したがって午後9時以降は、出来るだけ食べない方が無難です。

  

ただし、食事の時間と肥満とは無関係とする研究もあるようです。

ですが、寝る時間になっても消化されない形で胃腸に残ると、睡眠の質にも影響します。就寝2時間前は、出来れば食べない方がいいでしょう。
どうしても、残業やシフトワークなどで夕食を摂る時間が遅くなりそうな人は、夕食の分食をお勧めします。
早めに1回目の夕食を摂り、2回目の夕食は軽くするなどの工夫が良いと思います。
  

  

~我慢できずに夜食におやつを摂ってしまった場合は?~
レモン1個分をできるだけ多く絞って、適度な量の水に薄めて飲む事がお勧めです。
レモン特有の「エリオシトリン」というポリフェノールが、腸での脂肪吸収を抑制するとされています。
  
~ダイエット中のおやつには?~
出来れば「腸」が喜んでくれる食物繊維が多く入ったおやつが理想的です。

「和菓子」には食物繊維が多く入っています。もちろん食べ過ぎには注意が必要です。

  

   

今の栄養学は「時間栄養学」を考慮しています。
食べるカロリーよりも食べる時間の方が大切です。
  
また決められた時間に食べる(特に朝食)事は、人間の生活リズムの上でとても大切な事です。

⇒ 『1日3食の中で、朝食が最も大切である!!

  

▲サーカディアンリズムの調整方法

  

  

1日は24時間ですが、人間の体内時計、いわゆる「サーカディアンリズム」は平均24時間11分です。
もし我々が、時計のない暗い部屋に閉じこもっていると、11分ずつ生活時間がずれるとされています。
   
この11分をリセットする必要があります。
ちなみにニワトリは「コケコッコー」と同じ時間に鳴くことで、リセットしています。
  
その方法は2つです(上の図)。
・日光を浴びる
・朝食を摂る
  
下図はこちらのサイトより引用しました。
体内時計を整える12箇条

  

ちなみに人間の「サーカディアンリズム」は、時間によって特徴があります。

  

救急領域では、AM9時頃のゴルフ中に心筋梗塞を発症したという事が度々あります(下の図を参照)。
  

  

それにしても「3時のおやつ」という言葉は、我々が子供の頃からありましたが、当時の大人たちはBMAL1など知る由もありません。
おそらく現代社会のように理論を与えられるのではなく、今の時代の大人よりも日常の経験や勘を大切にしていたのかもしれません。
そしてそれは、今の我々大人に足りない事だと思います。

  

与えられた情報を一方的に鵜呑みにするのではなく、自分でも調べて、かつ自分でも経験する事がとても大切です。
  

(写真はネットより拝借)

  

  

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2017年9月28日、黒柳徹子(84)さんが大腿骨骨折で手術し、公の前に車いすで登場しました。

  

  

高齢者の増加と共に、大腿骨骨折の患者さんは年々増えております。

近い将来、年間10万人を超えるとされています。

  

日本整形外科学会骨粗鬆症委員会による大腿骨近位部骨折の全国調査結果

  

大腿骨骨折は寝たきり要因の1つです。

  

最新の調査によると、「平均寿命」と「健康寿命」の年齢の差は、男性約12年、女性約13年と更に開きました。
つまりこの期間が、寝たきり状態となるわけです。

  

大腿骨骨折の原因の多くは、骨粗しょう症です。

この先は、過去のブログを再投稿し、骨粗しょう症について説明します。

    

  
日本人の死因の上位4位は次の通りです(下の図を参照)。
  
1位:悪性新生物(癌)
2位:心疾患
3位:肺炎
4位:脳血管疾患
  

  
これに対して、介護が必要な原因となると次のようになります(下の図を参照)。
  
1位:脳卒中
2位:認知症
3位:老衰
4位:骨折・転倒
5位:関節疾患

6位:パーキンソン病
7位:心疾患
  
つまり、死因の中の癌が抜けます。
代わりに、認知症・老衰や骨・関節疾患が新たに入ってくるのです(調査年度によって、順位は多少入れ替わります)。
  

  
今回注目するのが、骨折・転倒、その原因の1つである『骨粗しょう症』についてです。
テレビのCMなどにもありますが、『いつの間にか骨折』という言葉を聞いたことがあると思います。
  
これは転倒や外傷がないのに、自覚がないうちに腰椎(または胸椎)圧迫骨折を起こしている事を意味します。
  

骨粗しょう症2

  
『いつの間にか骨折』は何がこわいか?
  
~2006年、英国ロンドン大学の報告~
40~50代の男性4213名を20年間追跡調査しました。
一般的にどんな人でも加齢に伴い身長は縮み、今回の試験でも平均1.76cm身長が縮んでいました。
  
その中でも 20年間で3cm以上縮んだ人は1cm以下しか縮まなかった人に比べ、心臓疾患や呼吸器疾患で亡くなる割合が64%高い事が分かりました。
  

骨粗しょう症9

  
~2014年、厚労省調査班の報告~
平均年齢71歳の女性747人を対象に調査しました。
  
その結果、身長が2cm縮んだ女性は、介護リスクが2倍になる事がわかりました。
  

  
これ以降は、骨粗しょう症の原因を並べます(上の図を参照)。
  
~閉経~
女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、骨の新陳代謝に際して骨吸収(骨のスカスカ)をゆるやかにして骨からカルシウム(Ca)が溶け出す事を抑制する働きがあります。
  
閉経後、エストロゲンが減ってしまいますと、骨吸収のスピードが速まるため、骨形成が追いつけずに骨密度を低下させるのです。
  

骨粗しょう症6

  
~栄養不足~
  
(1)カルシウム(Ca、上の図を参照)
体内のCaの99%は骨の中にあります。残りの1%は他の組織や血液中に存在し、血液中のCaは、様々な臓器の細胞を働かせています。
  
血液中のCaが足りなくなると、骨からCaが溶けだして補います。Caの摂取量が少ないと、次から次へとCaを骨から血液へ補わねばならず、骨の中のCaがどんどん失われてしまうのです。
  
★☆★☆★☆★☆★☆
  
尚、上の写真には牛乳が入っています。
インパクトとしては強い「牛乳不要論」を記事にして、アクセス数を増やそうとする者がいますが、牛乳が骨粗しょう症の原因になったり、癌の原因になるような論文などありません。
  
私も牛乳だけ飲むと下痢をしますし、また積極的に牛乳を飲む必要はないと思いますが、嗜好品程度ならば問題ありません。

⇒ 『[再投稿]牛乳のでたらめな記事を信じないで:リブログ

  

骨粗しょう症8

  
(2)ビタミンD(下の写真を参照)
活性化したビタミンDは、腸におけるCaとP(リン)の吸収を助け、しっかりした骨の形成を促進させます。
  
体内のビタミンDが不足すると骨量の減少を早め、骨粗鬆症を引き起こすことになります。
  
またマサチューセッツ大学より、脳卒中リスクが高い人の多くはビタミンDレベルが低かったという報告もありました。
→『低いビタミンDレベルは脳卒中の重症度と予後の悪さに関係する
  

骨粗しょう症7

  
続発性骨粗しょう症(項目のみ、下の写真を参照)~
  
・糖尿病
・慢性腎臓病
・動脈硬化
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
・ステロイド など
  

骨粗しょう症5

  
この先2つは、骨粗しょう症の原因と対策として特に大切です。
  
~運動不足~
まだ人間が宇宙に行くことが出来るようになって間もなくの事です。
地球に帰ってきた宇宙飛行士が、急激に骨粗しょう症が進行していたという話は有名です。
  
宇宙からの中継で、宇宙飛行士が運動をしているところを映し出される事がありますが、そのような理由からです。
  
筋肉・骨に限った事ではありませんが、どんな臓器でも使わないでいると、その機能は弱まります。
通常の運動は、直接あるいは筋肉を介して間接的に骨に負荷を与え、骨格の形成や骨量の増加を促します。
  

ロコチェック1

  
~日照不足~
紫外線を浴びると、体内では一連の反応が起きています。
ビタミンDが活性化されることによってCaとPの代謝が調整され、Caの吸収が促進されて骨の形成を助けます。
  
民族・性別や緯度・気候によって必要とする日照時間は違いますが、20~30分程度を目安にウォーキングする事をお勧めします。
  
食事のみでは不十分です。
適度に日を浴びて動く事が大切です!!
  
  
参照まで
→『体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定 -札幌の冬季にはつくばの3倍以上の日光浴が必要-

両手・顔を晴天日の太陽光に露出したと仮定した場合、紫外線の弱い冬の12月の正午では、那覇で8分、つくばでは22分の日光浴で必要量のビタミンDを生成する事ができるものの、緯度の高い札幌では、つくばの3倍以上の76分日光浴をしないと必要量のビタミンDを生成しないことが判りました。
    
→『世界4大酪農国では骨折や骨粗しょう症が多い:日照時間が少ない

● 北欧で骨折が多い原因は牛乳ではない
1. 身長差:一般に、身長が高いほど重心が高くなるため骨折リスクが高くなります。 
2. 日照時間:日照時間の少ない地域では、カルシウムの体内への吸収量が減少します。 
3. 運動の種類や量:運動が少ないと骨折しやすくなります。 
4. 食生活:特に野菜と果物の摂取量や肉食の過剰摂取が関係しています。
  
→『皮膚のビタミンD生成能力は日焼けにより制限される

ほぼ赤道直下の熱帯地域住民を対象とした大規模調査(13~82歳の男女約1000人)で、極めて高い日光・紫外線曝露が認められたにもかかわらず、多くの対象者はビタミンD値が正常閾値の30ng/mlに達していませんでした。
  

骨粗しょう症3

  ↑↑
骨密度測定は上記画像のように、簡単にできます。
  
心配な方は、検査が可能なのか事前に病院へ電話してから受診されてください。
  

  
(画像はネットより拝借)

  

  

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人類の歴史をたどると、40億年以上も昔にたった1つの細胞から始まり、単細胞から多細胞生物となりました。
  
そして多細胞生物は、効率よく生き延びるためにある器官を作り出しました。
  

  
その器官とは「腸」です。
  
腸は全臓器の創造主であり原点なのです。
  

  
生物が脳を獲得したのは5億年前、すなわち進化の過程において、人類の歴史上8~9割の期間を、生物は脳のないまま過ごしてきたのです。
  
そして脳は発達しすぎて、創造主である腸から司令塔の座を奪ってしまいました。
更に脳は他臓器への影響はお構いなく、自らの欲求を満たそうとします。スナック菓子やファーストフード、インスタント食品、酒、タバコ、砂糖たっぷりのスイーツやジュース、多量の炭水化物などです。
  
その結果、腸だけでなく心臓、肺、肝臓などあらゆる臓器に悪影響を及ぼしてきました。
  

  
#我々の腸には2万種類・1000兆個もの腸内細菌が棲んでいます。
腸は単なる消化器官なのでしょうか?
違います、腸は生命を司る大切な臓器です。
  
やや極端になりますが、脳の場合は脳死となっても人工呼吸器とつながっていれば、生命は終わりません。
これに対し、腸が完全に死んでしまえば(壊死)、全臓器が働きをやめて、脳も死に至ります。
  
腸が原因と考えられる病気は、心臓や肝臓などの諸器官、関節、心、脳に至るまであらゆる部位に及びます。
なぜなら、腸は「消化」「免疫」「解毒」という3大機能を担っているからです。
  

  
~腸は身体の免疫細胞の約7割が存在します。免疫の働きを大別すると3つに分けられます~。
  
#感染防御
病原菌を排除して感染を防止します。
  
#健康維持
疲労回復や病気からの回復を促し、病気になりにくくストレスに強い身体を作ります。
  
#老化予防
新陳代謝を活発にして、身体機能の低下や細胞の老化を防ぎます。
  

  
インフルエンザや風邪などは口からウイルスを吸いこんだだけでは簡単には発症しません。
インフルエンザや風邪などには必ず「潜伏期間」というものがあります。
  
肺や口腔粘膜から入り込んだウイルスは一度全身をまわってきます。そして腸に回ってきた時に、免疫細胞の約7割がある腸によってウイルスが退治されます。
すなわちインフルエンザや風邪などは、腸の免疫機能のシステムが低下した時に発症するのです。
   
また感染だけではなく、腸の免疫力の低下で癌や生活習慣病、うつ病などの心の病まで発症します。
よって、日頃から腸内環境を整える事が大切なのです。
  

  
「腸は第2の脳」という言葉があるのですが、本当なら創造主である腸が第1の脳なのかもしれません。
「腸」は予防医学の中で、最も大切な臓器と言っても過言ではありません。
  
尚、次のサイトも参照になります。
腸内細菌がもつパワー:慢性腎臓病(CKD)を防ぐ作用が明らかに
  

よろしければ、前回のブログもご覧ください。

「脳」の歴史をたどる

  

(画像はネットより拝借)

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~植物のようにその場から動かないものには脳が必要ありませんが、動物のように動くものには脳が必要です~
  

  
#脳の起源
人間の脳の起源を辿ると、「海のパイナップル」とも言われる「ホヤ」に行き着くとされています。実に12億年もの歳月を経て人間が誕生しました。
脳と脊椎は一体化していましたが、進化とともに大きく5種類の脊椎動物が現在地球上に残っております(これは理科の時間に勉強しましたよね)。
すべての脊椎動物の脳は、大きく分けて「大脳」「小脳」「脳幹」の3つの部位に分けられます。
  
#脳の大きさ
①魚類・両生類・爬虫類
餌をとったり、交尾をするといった本能的な行動を支持する「脳幹」の占める割合が大きいのです。
②鳥類、哺乳類
運動機能や感覚をつかさどる「大脳」「小脳」の占める割合が大きくなります。
更にはヒトやサルなど約200種類の霊長類になると、「大脳」が肥大化し、思考や感情などをつかさどる「大脳新皮質」と呼ばれる部分が大脳80~90%程を占めるまでになります。
  
#脳の重量
様々な動物の脳重量を比較すると、脳重量は体重の0.75乗に比例します。
ですが、ヒトだけはこの方程式に当てはまりません。
  

  
~これ以後はヒトに関してです~
  
#脳の構造と働き
(1)大脳:重さ約1000g
感情、思考、創造、言語など「人間らしい精神活動」の基本を担います。
更には記憶の蓄積、視覚・聴覚・痛覚などの感覚をもとに、身体の運動をコントロールする機能を持ちます。
人間では大脳の割合は脳全体の80%を占め、シワを伸ばすとその表面積は新聞紙1ページ分にもなるとされています。
  
(2)小脳:重さ約130g
主に内耳からの平衡感覚や筋肉・腱・関節などからの情報をもとに、運動に関する指令や、身体のバランス(姿勢)を保つための指令を筋肉に贈る働きを担っています。
「運動の司令塔」である小脳は鳥類や魚類など、機敏な運動を行なう動物に発達している傾向にあります。
  
(3)脳幹:重さ約220g
脳は頭蓋骨から奥に位置する程、重要な臓器が入り込んでいます。ここに命を維持するための脳幹があります。
呼吸、睡眠、血液の流れ、発汗による体温調節、食欲、性欲など生命維持のための機能をつかさどっています。
脊椎動物すべてに共通する「最も原始的な脳」とも呼ばれています。
  
これらの3つの部位が神経線維で複雑に結ばれ、それぞれが密接にネットワークを形成しています。
よく「右脳を鍛える」とか「左脳を働かせる」などのフレーズを目にしますが、脳の片側だけを働かせる事などできません。
脳の中には得意分野がありますが、全ての脳が同時に働いているのです。
  
脳の構造を更に細かく説明するとみなさまに飽きられるので、総論はこれくらいにします。
  

  
#小児は頭部外傷でなぜ嘔吐しやすいのか?
小児は脳CT検査で出血がなかったとしても、大人より嘔気・嘔吐症状を起こしやすい事があります。これは脳の重さに関係あります。
脳全体の重さですが、新生児の脳の重さは約400gですが、7~8歳で早くも成人と同じ重量(男性1400g、女性1250g)になります。ところが、身体全体はまだ大人になりきっていません。脳の大きさに対して頭蓋骨がまだ小さいのです。
よって頭部外傷によって極軽度の脳浮腫だけでも脳圧が高まった状態になっているのです。
  
他にも嘔吐しやすい理由はあります。詳細は下記サイトを。
小児の頭部外傷
  
 
#脳震盪は危険
以前、フィギャースケートの羽生くんが脳震盪を起こしたのに、その後も競技を続けたのを覚えているでしょうか。
あれは危険でした。下手すると命にも影響を及ぼします。あの段階で救急車が要請されたら、首を固定する対応がされたはずです。
羽生結弦は本番でまた頭を打ったら致死率50%だった!? スポーツ界全体で脳震盪と競技禁止の厳しいルール作りを!
  
脳震盪を起こしたら必ず医療機関を受診し、24時間は運動しないでください。
脳震盪ガイドライン:International Rugby Board
  

  
#認知症と物忘れの違い
この違いを気にされている方も多いのではないでしょうか!(^^)!。
「物忘れ」は例えば、前日の夕食に何を食べたのかを忘れる事です。「認知症」は、前日に夕食を食べた事自体を忘れる事です。
  
#高齢になると脳はなぜ一度覚えた事を忘れてしまうのでしょうか?。
それは、脳自身が不必要な記憶を消去する事で記憶を蓄えるためのメモリーの空きスペースを確保しているからなのです。
  

  

パソコンに例えると分かりやすいと思います。
パソコンにどんどん情報を保存していくと、新たにネットなどで情報を検索する際に徐々に時間がかかっていきます(いわゆる重くなります)。そのため、不要な情報を我々はパソコンから削除します。
  
人間の脳の記憶も同様です。
必要のない情報を無意識のうちに消去することで、脳はより効率的に物事を記憶できる状態を保とうとしているのです。
  
成人と中高年の脳細胞の数にはさほど変化はありません。
ですが残念ながら加齢と共に脳細胞は、使いやすい組み合わせのバリエーションが徐々に減ってしまいます。
よって我々は認知症の予防だけでなく、物忘れの予防のためにも、普段から脳を意識して使う事が大切になります。
上の写真にもありますが、「こそあど言葉」は出来るだけ減らすようにしましょう。
  

  

また脳を休めるために、十分な睡眠をとる事も大切です。

睡眠不足で運転すると、交通事故のリスクが高まりますので。

睡眠不足は飲酒運転に匹敵するリスク。睡眠が1、2時間短くなるだけで、交通事故のリスクが2倍になることが判明(米研究)

  

  

更には、ウォーキングなどの有酸素運動を続ける事で、脳の記憶や学習を司る海馬の神経が増え、思考力や学習力などに関わる前頭葉や、記憶力などに関わ宇側頭葉のボリュームが増すことが、ブリティッシュコロンビア大学の研究で確かめられています。

こちらのサイトも参考になるので、よろしければご覧ください。
ウォーキングは脳も改善する、記憶と思考を改善、認知症も予防
  

  

もう一度繰り返しますが、脳震盪を起こしたら、必ず休むようにしてくださいね。

↓おまけ画像

 

(画像はネットより拝借)

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3か月にわたって放送された「コード・ブルー」が終了しました。

  

救急医の立場から見ると、あの番組にはツッコミどころ満載なのですが、最初からドラマと割り切ってずっと見ていました。人間模様もあって、結構面白かったと思いました。
  

  

9年前の放送から気にはなっていたのですが、あの番組はあまりにも専門用語が多くて、またどんな手技を行なっているのか、一般人の方にはわからない事が多かったと思います。

  

今回のブログでは、いつもとは趣向を変え、1つだけ専門的な解説をしたいと思います。
  

  

最終回、藤川先生が右大腿部を瓦礫に挟まれました。
瓦礫をどけた瞬間、突然「心室粗動(VT)」という不整脈で、心臓が止まりました。除細動(AED)にて心拍は再開しました。

  

この状態は、阪神淡路大震災でも多かった「クラッシュ症候群(挫滅症候群)」と言います。
救出されたのに助からない?!知っておきたい「クラッシュ症候群」と私たちにできること
  

  

これは、今回の藤川先生のように、大腿部などを瓦礫など非常に重いもので圧迫されると、下肢の血液が心臓に戻る事ができなくなる場合があります。すると、筋肉を出入りする血流が途絶えるため、筋肉が壊死し始めます(腐り始めます)。
そして瓦礫を除去して下肢の血流が再開すると、筋肉壊死で作られてしまった毒素(カリウムや乳酸など)が血流に乗って、心臓に戻ってきます。

  

血液中のカリウムが急激に高くなると、心室粗動のような致死性不整脈を起こして心臓が止まってしまいます。藤川先生はそのような状態になり、AEDで心拍再開しました。

まあ、ここまでの経過でもツッコミどころがあるのですが、それは省きます。
  

  

その後、藍沢先生が何をしたのか?
ドラマでは、わざと出血させていましたよね。これはもしかしたら医療関係者でもわからなかったかもしれません。
  
皆さんが仰向けに寝て股の付け根を触ると、動脈が拍動していますよね・・・人のいない所で、やってくださいよ(#^.^#)
この動脈を
大腿動脈(股動脈)と言います。大腿動脈の内側には、拍動は感じませんが、大腿静脈(股静脈)も並走しています。心臓から足先に向かう血液は、大腿動脈を通過して足先まで行き、毛細血管から静脈となって大腿静脈を通過し、心臓まで戻ってきます。
  

  

藍沢先生は、この段階で大腿部の皮膚を切って大腿動脈と大腿静脈を露出し、医療器材で両方の血管を遮断していました。ですが、このまま長時間遮断すると、右下肢は完全に壊死してしまい、下肢を切断しなければなりません。

  

そこで彼は、大腿静脈にメスを入れました。そして大腿動脈の遮断を解除しました。
すると血流が再開しますが、切開した大腿静脈から血が溢れます。これを
瀉血(しゃけつ)と言います。
この瀉血によって、壊死物質を体外に流したのです。点滴を全開で流し、かつ重層(カリウムを減らして、身体が酸性に傾く状態を改善する)の輸液も行なって、出血性ショックギリギリの状態まで瀉血して、藤川先生は助かったわけです。
まあ、ここもツッコミどころがあるのですが、ドラマだから良しとしましょう。
  

▲血管遮断(注:これは別の手技での図です)

  

  

お分かりになったでしょうか?

現実にはドラマのように、上手くいくわけではなく、助からない可能性の高いシーンも放送ではありました。研修医にしても優秀すぎます。

また、毎週毎週あんなに大規模災害があったら大変ですよね(#^.^#)

  

2018年には映画化も決定しているようですが、うちは家族全員で見に行くと思います。
  
最後に、ドラマのロケ地となった日本医大千葉北総病院のブログを添付します。
「コード・ブルー 3rd season」 ― 医療シーンの裏側を語る 最終話―
  
(画像はネットより拝借)

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私のブログをフォローされている方ならご存知のように、私は「糖質制限」という言葉が大嫌いである。

長ったらしいけど、「砂糖・異性化糖制限」と言い改めるべきと思っている。

  

基本的に名前がついた食事法というものは、病院食と何ら変わらないと考えている。

また食事法の中でも亜流とか派閥があるという事実・・・バカバカしい限りである。

  

た・だ・し!!

マイルドな糖質制限・・・これは病気とまではいかなくても、病気の始まりである「肥満」には2年間限定で有効だと思うし、実際そのような報告も多い。

だからマイルドな糖質制限に限って、期間限定で推奨する。

  

  

さて、我々は一般的に何かを信じると、自分にとって都合のいい情報ばかりに注目してしまう。例えば「糖質制限」1つとっても、推奨派・反対派では、情報の集め方は正反対である。

これは決していい事ではない。

プラス記事・マイナス記事の両方から調べて総合的に判断すべきである。私自身、発信の際にはいつもではないが、両方から調べるようにしている。

  

  

さて、次の記事に注目してほしい。

このタイトル、糖質制限反対派にとっては、ありがたい情報である。おそらくシェアする者も多いであろう。

糖質制限すると糖尿病になる! 衝撃データを公開

  

しかし、ちょっと待った!!

シェアする前に、この内容、本当に理解してからシェアするか考えるべきである。

あくまで私個人の考えだが、この記事ツッコミどころ満載である。

  

  

まず基礎知識から。

  

糖質、特に砂糖(二糖類)などを多く摂ると、血糖値が急上昇する。すると、「肥満ホルモン」とも言われる「インシュリン」が膵臓から分泌されて、血糖値を下げようとする。

  

これを長年繰り返していると、やがて膵臓が疲れてしまい、インシュリン分泌の機能が低下し、高血糖の状態になり、2型糖尿病となる。糖尿病は心臓病や脳卒中、更には癌などのリスクファクターになる。

よって、血糖値はあまり高すぎない方がいいのである。

ちなみに単糖類である果糖(特に異性化糖)も糖尿病の原因になる。

  

  

次から、添付したサイトから部分的に抜粋する。

  

2002年に1日平均で271.2gだった炭水化物(糖質+食物繊維)の摂取量は、2014年に255.8gまで減少した。その一方で糖尿病患者は同時期に228万人から317万人まで増加した。

    

この12年間における糖質制限ブームや健康意識の高まりで、日本人の糖質摂取量が1日平均15g減ったにもかかわらず、糖尿病患者はおよそ100万人も増えました。

もちろん高齢化の影響もあるのかもしれませんが、それにしても糖質制限との『負の相関』が際立っている。この矛盾は、“糖尿病のパラドックス”と呼ばれています.。

  

★☆★☆★☆★☆★☆

  

記事の冒頭文からツッコミどころ満載である。

糖質摂取量が1日平均たった15g減っただけで、糖尿病が増えるであろうか?

いや、そもそも、-15g/日は糖質制限と言えるであろうか?、これはいくら何でも糖質制限とは言えない。

  

糖尿病患者が増えたのは、食事に関して言えば、食の欧米化により脂質摂取量が増えて、元々胃腸の機能が弱い日本民族の腸内環境が悪化したからであろう。

  

  

続いて、記事の後半から。

  

糖質を制限すれば、体内から糖が無くなるわけではありません。体内の糖質が不足すると、脳が活動を維持できなくなるなど命にかかわる障害が出てしまう。それを防ぐために、筋肉を分解して糖を生み出す『糖新生』という反応が起こります。

  

糖新生は、空腹とともにストレスを感じた際に脳から分泌されるホルモン「コルチゾール」によって引き起こされる。だが、筋肉を溶かしてまで糖を生成する「コルチゾール」が分泌されるほどの低血糖状態は、人体にとってかなりイレギュラーなことだという。

  

低血糖状態から体を守るために、コルチゾールは糖新生と同時に、上げた血糖値を維持するために『インスリン』の効きを悪くして血糖値が下がるのを防ごうとしてしまいます。そうなると、今度はインスリンが効かなくなってしまう。その結果、血糖値を下げられなくなって、糖尿病になるという可能性が指摘されているのです。

  

★☆★☆★☆★☆★☆

  

少々難しい内容だったかもしれない。

要は、糖質不足になると、体内で新たな糖を作りだす「糖新生」が起きる。しかし、それが別なホルモンに作用して悪影響を及ぼし、結果的に糖尿病になるという内容である。

  

た・だ・し!!

この内容は間違っていないのだが、これは極端な糖質制限の場合に起きるのである。繰り返すが、-15g/日程度の糖質減は、それ自体糖質制限とは言えない。

  

つまり前半と後半の文章は別々の内容である。

だが記事は1つなので、まるで少量の糖質減で糖新生が起こってしまうと勘違いする人が多い事であろう。

  

  

尚、記事以外に補足する(少々難しいが)。

  

膵臓には「KIF12」というタンパク質が多く分布している。これはインシュリンを十分に分泌させたり、細胞の酸化ストレスに対する抵抗性を高める働きがある。
脂質が多い食事を摂り続けると、腸内環境が悪くなり
酸化ストレスが高まる。その結果、KIF12の働きが低下するため、インシュリンの分泌能が低下し、2型糖尿病を発症する。
  

  

記事の最後の部分より。

  

高齢者は加齢にともなって筋肉繊維が細くなり、筋肉が衰えている。その状態で糖質制限により『糖新生』が起きると、筋肉がさらに衰えてしまいます。
 筋肉が衰えすぎてしまうと、L-システインというアミノ酸の血中濃度が増し、さらにインスリンの効きが悪くなって血糖値を低くコントロールできなくなることが研究でわかっています。

  

★☆★☆★☆★☆★☆

  

じゃあ、どうすればいいのか?

簡単である、筋肉をつける事である。運動の大切さは、私自身も発信してきたが、多くの論文が証明している。

  

そもそも、糖質制限がなぜこれだけもてはやされるのか?

それは、肥満を改善する事に対し、「運動」というファクターをほとんど考えていないからである。

さらに言えば、肥満者の割合が増えた理由は、食の欧米化により脂質摂取量が増えたからだけではない。日常の運動不足が大きな原因である。

  

個人的には食の欧米化よりも、運動不足で糖尿病の人が増えた要因が強いと思っている。

運動以外にも、我々が子供の頃に比べると、たとえば階段を使わずにエスカレーターやエレベーターを使う機会が大幅に増えた。

  

運動を習慣化し、1年以上かけて筋肉を増やし、基礎代謝を上げる事ができれば、多くの人は食事制限などほとんど不要なはずだ。

  

★☆★☆★☆★☆★☆

  

~患者さんと家族のための糖尿病治療の手引き2017 ;日本糖尿病協会 南江堂より~

  

①血糖値が少し高めで肥満しているけれどもまだ糖尿病でない方(糖尿病の予備群の方)が、食事療法と運動療法を行なうと、糖尿病の発症率は半分以下になる。

これは糖尿病を下げる薬を予防的に内服するよりも効果があるとされている。

  

②2型糖尿病の患者が食後に運動をすると、筋肉でブドウ糖や脂肪の利用が増加するため、食後の血糖上昇が改善され、糖尿病のコントロールがよくなる。

また、運動を続けることによってインスリンの効きがよくなり血糖値のコントロールがよくなる。

  

  

最後になるが・・・

  

あるテーマを探す場合、自分にとって都合のいい事ばかりではなく、反対の立場の記事も参考にする必要がある。

その結果、今まで自分が正しいと思っていた事が、実は間違いであった事に気づく場合もある。

また、自分にとって都合のいい事でも、今回の添付したサイトのように、内容がいい加減な場合もある。記事をシェアする場合には、自分自身が内容をよく理解してからシェアすべきである。

  

(画像はネットより拝借)

  

  

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巨人の澤村投手が、トレーナーの針治療のミスで、長胸神経麻痺が起きたというニュースが流れた。

この針刺しによる長胸神経麻痺に関して、私は当初から疑問があった。

  

  

そもそも「長胸神経」とはどこにあるか?

  

専門的な説明を省くので、下の写真をご覧頂きたい。

頸椎から出た神経が、途中で長胸神経となる(青色で示した神経が長胸神経)。

  

  

複数の医師によって、トレーナーの針治療によりこの長胸神経を刺してしまい、長胸神経麻痺を起こした可能性が考えられるというのが、球団側の発表である。

  

そもそも針で、本当に長胸神経を刺すことがあるのだろうか?

調べてみると、多くの医師や鍼灸師たちが、針刺しによる長胸神経麻痺に疑問を抱いていた。私もその1人である。

  

ちなみに、「特記すべき有害事象の発生頻度は、日本式鍼灸治療で0.12%」という報告があった。つまり1000人に1人である。

ただし、届け出の義務はないため、実際はこの数字よりはもっと多いかと思われる。

  

  

医師の立場として、疑問が色々とあった。

  

たとえば我々が身近なところでは、歯科治療がある。

無麻酔で治療が行なわれた場合、誰もが神経に触られてピクンとするような痛みを経験したことがあると思う。

  

神経に触るというのは、痛みが伴うのである。

ところが、澤村投手の場合は、そのような症状はなかった。後から、複数の医師が長胸神経を刺した可能性を指摘しただけであった。

  

つまり・・・

澤村投手の長胸神経麻痺は針刺しされたとされる以前から、長胸神経麻痺が起きていたのではなかろうか?

  

  

そして・・・

私の専門外ではあるが、鍼灸に使用される針は、髪の毛みたいに非常に細い。

  

一方で、医療で使われる麻酔用の針は、麻酔薬を注入するため、それよりはるかに太い。

稀ではあるが、たとえば腰から脊椎に向かって麻酔用の針を刺す際、深く入れ過ぎて時々神経を刺してしまう事がある。だが、神経を刺しても、一時的にしびれの残る事があるが、時間経過と共に自然に回復する。

  

つまり・・・

鍼灸による細い針で、1/1000の確率で長胸神経を刺したとしても、長胸神経麻痺の症状が長く続く経過には、非常に疑問である。

  

  

あくまで私個人の考えだが、澤村投手の長胸神経麻痺の原因は、ボディビルダー並みの激しい筋トレが原因ではないかと思う。

巨人・澤村が「筋肉」と呼ばれる所以

  

  

一旦、話題を変える。

  

以前ほどの活躍はできなくなったが、今もメジャーで現役を続けているイチロー選手。今年で17シーズン目である。

メジャーである程度長く活躍できる日本人選手の多くは、投手である。

野手で長く活躍できる選手は少なく、イチローの次はワールドシリーズでMVPになった松井秀喜氏の9シーズンである。

  

ダントツで長くメジャーに居続ける事ができるイチロー。投手と野手では使う筋肉が違うが、なぜイチローはこんなにも長くメジャーに在籍できるのか?

それは、イチローは人間の身体をよくわかっているからだ。

  

イチローですら、若い頃は一生懸命筋トレをしていた時期があった。

だが筋肉が重くなると、却って打撃に影響があったらしい。それが、シーズン後半で筋トレする機会が減って筋肉が落ちてくると、むしろ打撃が好調だったという。

  

自分の身体に見合った以上の筋肉をつける事は、決して良くはないのだ。

ちなみにボディビルダーでも、若くして亡くなる人が時々いた。

  

  

上の写真のイチローの名言とも言える発言、まさにその通りである。

  

例えば、重量挙げの選手は膝関節を悪くしやすい。

理由はイチローの言葉で明らかであろう。

  

  

長胸神経の断裂とまでは行かなくても、筋トレで長胸神経を断裂状態に近いくらい痛めたと思われる。

投手である以上、肩周辺の筋肉を鍛える必要があるため、肩の怪我は隣り合わせだろうが、何事もやり過ぎは良くないのだ。

  

尚、イチローの名言とも言える動画は下にアップした。

世界を取った者の言葉は、非常に重いし勉強にもなる。

10分ほどの動画だが、よろしければご覧頂きたい。

  

  
最後に、そもそもなぜ複数の医師により、針により長胸神経麻痺が起きた
可能性があると指摘され、球団側が澤村投手に謝罪したのであろうか?

大体にして、針を刺して時間が経過してから、施術をしていない医師が、どうやって診断をくだしたのであろうか?

  

あるスポーツ紙によると、どうも、球団として澤村投手をかばいたい事情があると思われる。

澤村投手はトレーナーの治療を巡り、球団を相手取ったトラブルを抱えていたことは、早くから選手の多くが知るところだった。

おそらく複数の医師の診断は、最初から答えが用意されていたと思う。

  

ちなみに他の選手からは、完全に信頼を失っているらしい。

傍から見ると、そんな選手が復帰できたとしても、チームワークを乱すようなら、選手登録を抹消すればいいのにと思うが、何か事情があるんだろうなあ。

  

やはりニュースというのは、報道のみを鵜呑みにすべきではない。

どんな事でもそうだが、なぜそのような結果に至ったのかを、別角度から確かめる事も必要である。

  

(画像はネットより拝借)

  

  

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