「麻疹」「風疹」が流行中:ワクチン接種は必要か? | 総合診療医:誰もがわかりやすく医療を理解する事ができるブログ

総合診療医:誰もがわかりやすく医療を理解する事ができるブログ

「否定の極論」記事に疲れたあなたへ贈る:「食事」「睡眠」「運動」・・これら「健康の三本柱」をねじ曲げずにポジティブに考えるブログです。

「麻疹」や「風疹」が流行しています。
コンサート会場や空港などでも、二次感染が起きています。
  
本来、この2つは子供の感染症なのですが、大人でもワクチン未接種だったり、獲得不十分だと、感染する事があります。
そして大人が感染した場合、子供の時に感染するより症状が重篤化する事が少なくありません。
  
・風疹について
「はしか(麻疹)」が大流行! 最も感染の危険が高いのは20~30代!?
・麻疹について
【2016年の風疹の流行状況】急ぎ予防接種を!今年は重症化します
  

 

▲出典『ゼロにできる赤ちゃんの障害がある 一生で2回、風疹ワクチンを打つだけ

  

  
そして、何より問題なのは、「先天性風疹症候群」です。
ドラマでも話題!先天性風疹症候群を防ぐために、妊活前の予防接種を
  
上記サイトより抜粋します。
  
妊娠初期の女性が感染した場合、妊娠1ヶ月目まで50%以上、2ヶ月目では35%の胎児が先天性風疹症候群になってしまいます。
先天性風疹症候群の典型的な3つの症状は、心臓の奇形・目の障害・難聴
重症の場合には、生まれて間もなく命を落としてしまうこともある悲しい病気なのです。
  
⇊具体的な症状は、下の写真です。

 

  
麻疹や風疹、これらの発症を防ぐには、ワクチンの予防接種です。
予防が唯一の治療です!!
詳細は、上記サイトか下記サイトをご覧ください。
⇒ 『ストップ風疹~赤ちゃんを守れ
  
  
さてワクチンというと、皆さんご存知のように、狂信的に全否定する人・グループが世界中にいます。
しかも過去には、医師がこんな事をしていました。
おたふく風邪ワクチンは必要ない?
  
上記サイトから抜粋します。
  
1998年のイギリスで、自閉症と腸炎を合併する病気が見つかったと有名な医学雑誌に論文が発表されました。
この子どもたちは病気の発症前にMMR(麻疹・おたふく風邪・風疹混合)ワクチンを打っていたことから、おたふく風邪ワクチンを打つと自閉症になると大騒ぎになりました。
  
ところが何とこれはデータのねつ造だったのです。この論文を発表した医者は、MMRからおたふく風邪(M)を抜いたMRワクチンを製造する会社の顧問だったのです。
偽の論文を発表することで莫大な利益を得ていたのです。
世界中で、おたふく風邪ワクチンと自閉症の関連が調査されましたが、その結果、事実無根と判明しました。
  

 

▲2016年の麻疹(はしか)患者数の推移
(はしか感染、すでに115人 昨年の35人上回る)

  
  
(続き)
ついでにもう1つ。
  
インフルエンザワクチンには、防腐剤としてエチル水銀(チメロサール)が添加されています。
この物質と自閉症の関連が1990年代に指摘 されたことがあります。
  
しかし、これも多くの施設の研究から無関係であることがわかっています。
世界保健機関(WHO)も、両者の関係を否定する声明を出しています。
  

 

  
ワクチンを狂信的に否定する者たちは、ワクチンに含まれている成分を並べて、人々に「恐怖」を与えます。
成分に関しては、事実と異なる内容ではないと思います。
  
では、ワクチン開発者たちは、人々を不健康にするために、水銀などを含んだワクチンをわざわざ作っているのでしょうか?。
  
私は救急医ですので、個々の感染症全てに対しワクチンを接種すべきか?に答えられるまでの専門的知識はありません。ある感染症内科医の発信を参照にしております。
ですが、冒頭の麻疹や風疹のように、「流行」とされているものは、他人へ迷惑をかけないように接種すべきです。
  

 

 

  
麻疹や風疹はインフルエンザより感染力が強いです。
発症者の中には重篤している人もいます。
  
そしてワクチン開発者は、このような発症者や集団感染を減らすために開発しているのです。
決して人々を不健康にするために、開発しているとは思わないでください。
  
ワクチン否定狂信者たちは、ワクチンの効能に関しては一切無視して、マイナス部分のみ強調します。
ちなみにフッ素否定者たちも同様ですし、ワクチンとフッ素、あるいは何でもかんでも狂信的に否定する人も多々います。
決して騙されないようにしてください。
  

▲ワクチン接種によって感染症が改善した割合

  
  
上の写真をご覧ください。
赤い注射器と黒い注射器の間にある数字、これはワクチンによって感染症を改善した数字です。
  
誰もが知っているところでは、下から3番目「smallpox」すなわち「天然痘」は100%防御され、WHOは1980/5/8に地球上からの天然痘根絶宣言を発しました。
  
  
これまで我々は、ワクチンのおかげで致死的となる感染症を避ける事もできてきたのです。
  
それって当たり前でしょうか?
また海外には感染症を起こしやすい環境の国もあります。
しかも、簡単にワクチンや抗生物質などが手に入らないで、亡くなっていく人も多数います。
  
それどころか例えばカンボジアのように、ポルポト政権時代に多数の医師(及び教師)が殺害され、今でもまともな医療が受けられない国もあります。
  
日本人は、簡単にワクチンや抗生物質が手に入ります。
コンビニのごとく病院受診が可能です(良い事ではありませんが)。
今ある環境を当たり前と考えずに、もっと感謝をして生きたいものです。

  

(画像はネットより拝借)

  

にほんブログ村 健康ブログ 病気予防へ 読者登録してね
にほんブログ村