近江八幡×グランドラピッズ、滋賀県×ミシガン州 その2 | 近江八幡の料理人は  ~川西たけしのブログ~

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近江八幡で寿し割烹と日本料理を楽しむお店「ひさご寿し」

料理長のかわにしたけしが料理のことや、近江八幡のこと、営業日誌などを徒然なるままに書いとります。

 

  GRCCでのプログラム

グランドラピッズにはコミュニティカレッジという専門学校と大学のあいだのような教育システムがある。これはグランドラピッズに限らず、ミシガン州ランシングにもある。

 

グランドラピッズ・コミュニティカレッジ、略してGRCC。

その中に料理学科がある。むろん他にも様々な学科があって、学科ごとに棟が別れている。

 

日本で言う調理専門学校のような感じと言えばわかりやすいだろう。

料理学科棟。

ここで日本の食文化と郷土料理について初日にレクチャー、2日目に実際に学生たちが料理して40人のゲストにサーブする。というプログラム。

 

1日目にレクチャー。

2日目にレストランを使ってランチコース提供。

 

まずは前日に現場確認。

(使用する寿し米の香りで熟成ぐあいを確認)
 

事前に食材や料理についての情報はやりとりしていたとは言うものの、実際にはあれこれと思い通りのものはないのが当たり前。

 

幸いにも主任教授のボブがとても気を回してくれて、選択肢をいくつか用意してくれていたので本当に助かった。感謝しかない。

 

寿し米なんかはちゃんと古米があったことに驚き。

 

 

あらゆるジャンルの料理を実習できるように機材が豊富。

でも和食と中華の道具は無い。

 

食文化レクチャーのために日本から持ち込んだホンマモンの木地と漆で作られた朱塗り膳漆器。

 

水についても日本の水に近い硬度50ぐらいのものを用意してもらったり、野菜も日本のものに近しい種類でそろえたもらった。

 

器も一通り確認したところで、GRCCの前日確認は終了。

 

  グランドラピッズの食と生活

渡米は初めてと言事もあって、グランドラピッズの人たちの普段はどんなものなのか知りたくて、市内の様々なマーケットを紹介してもらったのがとても印象的。

 

ミシガン州はクラフトビールのブリュワーがとても多いのが特徴との事。マーケット内のクラフトビールコーナーには幾あまたのクラフトビールがならぶ。ダウンタウンにはビアスタンドがいろいろあって、こりゃ楽しい。

 

 

マーケット内の鮮魚コーナーは40%が淡水魚。

 

ちょっとこだわりのコーナーには、さまざまなタイプのオリジナルミックススパイス調味料やフレーバーティー、オーガニックのオリーブオイル量り売りもかなりの種類が選べる。

 

惣菜のスモークサーモンが温燻・冷燻ともに美味。本当に美味。

 

鰊のクリームマリネが気になる。

 

 

  ミシガン州グランドラピッズの淡水魚

 

 

特に気になる淡水魚コーナー。

ニジマスは滋賀県民にも養鱒でなじみ深い。こういうフィレで普通に買えるのはいい。

 

ホワイトフィッシュは小骨も無い中型白身魚で、かなり汎用性が高い食材。横のイエローパーチは今回食べる機会が無かったが、ホワイトフィッシュやウァーライに比べて小型なので、おそらくふんわりした食感が上がるだろう。

 

チャンネルキャットフィッシュ。まあ日本では要注意外来魚のひとつになっているが、いわゆるフィッシュバーガーに適している。ナマズの類は皮目からピペリジン等の泥っぽい香りが出てくるので、皮を剥いでフィレにしているのは美味しい合理性と言えるw

 

 

発音的にはウァーライの方が近い。

カタカナ英語で書くとウォールアイ。

マユミさんの話でも最もおいしいとの事。確かに。

 

総じて淡水魚の単価が海水魚並みもしくはそれよりも高い。
最高値はイエローパーチだが、フィレで約12,000円/㎏。成体での単価で計算しても、日本のふぐや虎魚よりも高値である。アメリカの物価が約1.5倍と見積もっても、日本で淡水魚がこんなに評価はされることは無い。これは料理人がおいしい淡水魚料理が出来ていないという事ではないのか、というのが料理人目線である。

 

海ものはこんなん。

 

 

こうした鮮魚の流通や漁業のシステムがどうなっているのかまではマーケットの売り場で知ることは出来ない。だが大陸ならではともいえる淡水魚の大きさもあってか、料理しやすそうな状態で売られていれば、魚好きの人は簡単に家でムニエルやソテー、ローストで楽しむことができるだろう。

 

まあ琵琶湖の魚は絶滅危惧種だらけなんで、広く流通もなにもないのだが。

 

 

 

 

次回こそグランドラピッズで食べた料理たちを記録しよう。